枝野幸男代表は30日午後、国会内で定例会見を開き、記者団の質問に応じました。

 政府が新型コロナウイルスワクチンの職域接種の申請を再開しない方針を固めたという報道について、枝野代表は、ワクチン接種の比率を引き上げるために職域接種を開始した結果、地方自治体に必要なワクチンが足りなくなったと懸念を示し、「地方自治体の首長から悲鳴が上がっている。河野ワクチン担当大臣と田村厚生労働大臣の責任は重い」と政府の対応を強く批判しました。また、ワクチン接種の副反応について、多くの国民が不安を感じているとして、政府は接種後の状況を積極的に情報公開すべきだと求めました。

 東京都議会議員選挙(6月25日告示、7月4日投開票)について、枝野代表は「新人を中心にクオリティーの高い候補者がそろっていると実感している。全員当選を目指す」と意気込みを語りました。

 政府の新型コロナウイルス感染症対策について、「緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に変更してから1週間以上が経ち、リバウンドが明確になっている。東京都の1日あたりの平均感染者数(直近7日間平均の新規感染者数)は494人で『ステージ4』に迫っている」と危機感を示し、28日の会見で「機動的に対応したい」と発言した菅総理に先手先手の対応を求めました。また、緊急事態宣言を発出する場合、「十分かつ迅速な補償が不可欠だ」と主張しました。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催について、再延期や中止を求めている立場を改めて表明。立憲民主党のヒアリングで明らかになった、政府の五輪大会関係者への水際対策や行動規制の例外的措置を挙げ、「国民に規制しながら、オリンピック関係者の例外を認めることはあってはならない」と政府の国民をないがしろにする姿勢を批判し、改善を求めました。

 千葉県八街市で飲酒運転事故により児童5人が死傷した事故について、中学生の子どもを2人もつ父親として、哀悼の意を表しました。通学路、ブロック塀やがけ崩れによる事故にも触れ、子どもの命を守っていく決意を語りました。

 経済産業省のキャリア職員2人が、家賃支援給付金を不正受給したとして逮捕された事件や、財務省が決裁文書を改ざんした経緯を自死した近畿財務局の男性職員がまとめたいわゆる「赤木ファイル」に触れ、「国家として、50年から100年に及ぶ損失だ」と危機感を示し、「官僚に忖度(そんたく)を迫る長期政権の害悪だ」と強く批判しました。