枝野幸男代表は7日、衆院厚生労働委員会の閉会中審査で質疑に立ちました。新型コロナウイルス感染症のワクチン供給減による地方自治体の混乱を取り上げ、田村厚生労働大臣、丹羽内閣副大臣に供給が減っている理由と今後の見通しについてただしましたが、明確な回答は得られませんでした。

 枝野代表は ワクチン接種の大号令をかけた菅総理とファイザー社やモデルナ社などのワクチンメーカーと交渉を担当してきた河野大臣の不在に苦言を呈しました。特にモデルナ社のワクチン供給量が6000万回から1370万回に減る見通しを把握しながら、これまで政府目標の達成に協力してきた地方自治体に説明しなかった河野大臣の責任は重いと批判しました。
 そのうえで、菅総理自らが、国民にワクチン接種の見通しを説明し、7割以上の国民がワクチン接種を受けられる供給体制を整えるよう強く求めました。

 続いて、東京オリンピック・パラリンピックの開催について、枝野代表は「東京都議会議員選挙(6月25日告示、7月4日投開票)で、開催の中止または延期を訴えた勢力が議会の約3分の1、無観客を訴えた勢力を加えると約3分の2を占めた。開催地東京の民意は、中止または延期、それが難しいなら、せめて無観客というものだ」と主張しました。
 そのうえで、枝野代表は丹羽内閣副大臣に(1)オリンピック中止の基準となる「国民の命が脅かされる事態」(2)陽性となったオリパラ選手や関係者の滞在場所(3)オリパラ関係者の日本滞在中のルール(4)無観客開催の場合の例外の有無――などについて、認識をただしました。丹羽副大臣は「東京都と組織委員会が連携し、5者協議で決定していく」という答弁に終始しました。

 枝野代表は5者協議に参加している日本政府には国民の命とくらしを守る責任があると指摘し、感染拡大が見込まれる開催期間中のオリパラ関係者の新型コロナ対策が、開催地域の自治体の医療体制に負担が及ばないよう要請しました。

 また、無観客で開催する場合に「オリンピック関係者やスポンサーの特別扱いは国民の理解が得られない」と述べ、「見る人はいない状況」で開催するよう、強く指摘しました。党のヒアリングで斉木武志衆院議員が指摘し明らかになった、オリンピック関係者への例外措置について、「バブルの中に穴が開いている。これでは安心安全とは言えない」と痛烈に批判しました。

 枝野代表は尾身会長に「PCR検査が抗原検査より精度が高い」と確認し、空港での入国時検査を抗原検査からPCR検査に強化するよう求めましたが、田村厚労大臣は否定しました。

 枝野代表は政府のコロナ対策について、厳しい対策を講じて感染を防止している台湾、ニュージーランド、オーストラリアなどのzeroコロナ戦略をあらためて進言し、質疑を終えました。