枝野幸男代表は7日、厚生労働委員会での質疑終了後、記者団の取材に応じました。

 枝野代表は冒頭、「この感染症危機の中で国会が閉じてしまったことは、はなはだ残念なことだが、ようやく政府・与党側が質疑に応じた。数少ない機会なので厚生労働委員会の現場、国対との相談の上で質疑に立たせていただいた」と述べました。

 ワクチン接種の混乱について「残念ながら政府側の答弁を聞いても、はしごを外された感のある自治体や、あるいは職域接種の準備を進められた皆さん、医療関係者の皆さんが納得いただけるような説明はまったくなく、言い訳に終始されていた。この間、政府としての見通しをしっかり示してこなかったことに対する反省、そして今後の見通しに対する具体的な説明がまったくない」「全体像を把握できないまま、遮二無二(しゃにむに)やっている感と自治体等の尻を叩くということを繰り返している姿勢が浮き彫りになったのではないか」と批判しました。

 オリンピックに関する質疑については、「政府の当事者意識の欠如を強く感じざるを得なかった」と振り返りました。具体的には、「国民の命と暮らしを守るためのいわゆる『バブル方式』の穴について、あるいはその穴をどう塞ぐかについてなど、あるいは感染者がオリンピック関係者の中から出た場合の対応等についてもオリンピック組織委員会あるいは5者会議任せであって、日本政府として主体的に国民の命と暮らしを守り、国民の理解、納得を得るということについての主体性がまったく感じられなかった。状況に流されてオリンピックに入っていくのではないかと大変危惧をせざるを得ない」と述べました。

 また、緊急事態宣言を解除したことについて厚生労働大臣が、人流が増えてきてしまい、いつまでも自粛を要請するのは困難なので仕方がなかったという趣旨の答弁をしたことを取り上げ、「一つには補償の問題があるし、もう一つにはオリンピックに関する感染症対策の明確な姿勢が示せないということが人流を拡大させ、緊急事態宣言が効かない状況を作ってきた」と指摘し、「このことに対する反省がないことを甚だ残念に思っている」と述べました。

 その上で、「今の政府に、この(感染症の)危機の危機管理にあたる力がないと断じざるを得ないと受けとめた。われわれとして、しっかりと、いつでも政権をお引き受けして、この危機管理にあたるための準備をさらに万全にしたいと思っている」と決意を述べました。

 現状で政府が主張している安全安心なオリンピックが開催できるかと問われると「今日の質疑を聞いても、安全でなく安心もできないと多くの国民の皆さんは受け止められたのではないか。そもそもが中止または延期をするべきだと思うし、仮にそれが間に合わないのだとしても、さらに万全な、特に無観客、水際の検査体制、(濃厚接触者とその疑いがある人の)隔離体制をさらに強化しないと感染の飛躍的拡大につながりかねない」と危機感を示しました。