立憲民主党ら野党で作る「東京オリンピック総点検野党合同チーム」は12日、東京オリンピック・パラリンピックの選手村の概要について、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会より現場で説明を聴取しました。視察には、立憲民主党から山井和則座長、黒岩宇洋副座長、奥野総一郎事務局長、川内博史衆院議員、塩村あやか参院議員が参加しました。
視察は、東京・中央区の晴海トリトンにある組織委員会のオフィスから選手村を眺め、選手村の概要、選手村内施設、村内循環バス、COVID-19感染症対策、選手村のスケジュール、分村――などについて説明を受けました。
視察終了後に、山井座長らは記者団からの取材に応じました。
山井座長は、(1)明日に開村するのに、当初の方針どおり空港でコロナ陽性となった選手を一度選手村に入れて、PCR検査を再びするという回答だった(2)飛行機で陽性者の近くにいた濃厚接触候補者も選手村に入れる(3)来日して1日の選手も2週間経った選手も同じ食堂やジムを利用できる(4)選手村のスタッフのほとんどが2回目のワクチン接種を終えてない──ことについて問題視しました。
黒岩副座長は、選手村のスタッフの中にはまだ1回もワクチンを打ってない人がいることについて「毎日選手村に通い、毎日選手たちと触れ合うことがわかった。明らかにバブルに穴が開いているということ」と指摘しました。
奥野事務局長は、「(選手村の)中で発症された方がいて、濃厚接触者の方も原則全て村内で生活をするということが明らかになった」と明かし、「万一感染をしたら、どんどん中での感染が広がる可能性を懸念している。安全なはずの選手村でクラスターが起きたら、本当に日本は世界に顔向けできない。中の方は頑張っているが、ぜひ慎重にやってほしい」と慎重な対応を求めました。
塩村議員は、「五輪が終わった後に自国へ戻った時に、日本からウイルスを持って帰る人も出てくる可能性がある。五輪で海外から来る人たちも感染拡大を防げていないことがよく分かった。非常に問題だ」と指摘しました。
川内議員は、「組織委員会の方から初めて話を聞かせてもらい、楽観論に立ちすぎていると感じた。ウイルスというのは感染するものであるという大前提を無視して、『感染拡大はしないのだ』ということを前提にしている説明を聞いていて、そういう気持ちを持ちました」と感想を述べました。さらに、「新型コロナウイルスの感染症で日本が感染の拡大の契機となったダイヤモンドプリンセス号。今回のこの選手村が陸上のダイヤモンドプリンスセス号にならないようにと祈るしかない」と述べました。