2021年7月14日
「黒い雨」に関する広島高裁判決について(コメント)
立憲民主党 政務調査会長 泉 健太
厚生労働部会長 長妻 昭
広島高等裁判所は本日、「黒い雨」訴訟において、1審に続き、原告全員を被爆者と認める判決を言い渡した。
原告の方々は、黒い雨を浴びたことによって病気を患っただけでなく、被爆者援護行政から見放され続け、長年にわたって心身ともに苦しみを抱えて生きてこられた。私たちは昨年の1審判決の段階で、政府に控訴を断念し、被爆者と認定された原告に被爆者健康手帳を交付することを求めた。また、広島県や広島市も控訴を断念することを求めていた。こうした声を押し切って控訴し、いたずらに時間を費やしてきた政府に改めて強く抗議する。
厚生労働省は昨年、第一種健康診断特例区域について検証する検討会を設置したが、結論が出る見込みは立っていない。原告の方々は高齢化し、既に亡くなられた方もおられる。政府の時間稼ぎは、人道的に許されない行為である。政府に対し、上告を断念し、判決に沿って一刻も早く、原告の方々に手帳を交付することを強く求める。
立憲民主党は、被爆者やその家族、それを支える人々の意見に真摯に向き合い、被爆者援護施策の一層の充実に取り組んでいく。