枝野幸男代表は18日、福岡県入りし、次期衆院総選挙で立憲民主党から立候補を予定している福岡1区の坪田晋(つぼた・すすむ)総支部長とともに博多駅前、福岡3区の山内康一(やまうち・こういち)衆院議員と姪浜駅前、福岡5区の堤かなめ(つつみ・かなめ)総支部長とイオンモール筑紫野前で、それぞれ街頭演説をおこないました。

枝野幸男代表

 過去1年半にわたる感染症危機に対して、自公政権の対策は国民の期待に応えられていないと指摘。それに対して立憲民主党には「もう一つの選択肢がある」と力を込め、(1)徹底した水際対策(2)検査の拡大(3)補償のセット(4)国民の暮らしの下支え(5)司令塔の決定――の5つの政策を説明し、「新しい道」への選択を呼びかけました。

 過去30年に及ぶ、競争や自己責任、規制緩和、小さな政府などを振りかざす政治によって、「いざという時を支える」という政治の本来の役割が放棄されたため、コロナ禍で「飲食店や観光関連業者、芸術・文化・イベント関連など、多くの皆さんがどんなに努力しても倒産や廃業、失業を迫られている」と憂慮しました。

 枝野代表は、「いざという時を支える、本来の役割まで放棄をしてしまった社会のあり方を根本から変えたい」と訴えました。「老後、子育て、働くという(中での)いざという時を支える、そこにこそ、徹底的に力を注いでいくことによって、どんな危機が生じても、その不安を最小限にして安心して暮らしていける。そういう社会を私たちと一緒につくりませんか」と呼びかけました。

坪田晋 福岡1区総支部長

 福岡で7年間、社会保険労務士として働く人たちや個人事業主、中小企業をサポートしてきた坪田さんは、「これまで頑張ってきたけど、先の見通しが立たない中、もう事業を続けることはできない」など、多くの人たちから悲鳴にも似た声を聞いていると明かしました。かける言葉が見つからないほど、落胆している人々を目の当たりにして、「皆さんの生活を、政治が振り回してはいけないと決意を新たにした」と訴えました。

 「コロナ禍で立場の弱い方がより苦しい状況に追いやられている。そういう方がいれば、自ら向かって行って支える。それが政治ではないか」と問いかけました。「困っている方がたくさんいると思う。私は行動力をもって、しっかりと動き、皆さんの声を拾っていく。その声を坪田晋にぜひぶつけてください」「皆さんの生活を左右する政治を変えないといけない」と呼びかけました。

山内康一 衆院議員・福岡3区総支部長

 山内議員は、自公政権が押し進めてきた『小さな政府』路線では「国民の命と暮らしを守れないことが明らかになった」と断じ、来たる衆院選は「こういった流れを変えていく。新自由主義的な政策を改めていく。税や社会保障の再分配機能を強化して格差と貧困のない社会を目指していく。そのための政治決戦だ」と訴えました。

 格差や貧困について山内議員は、「自然現象ではない。格差や貧困を招くような仕組みを、これまでの政治がつくってきたからこんなに増えてしまった」と分析しました。格差で分断された社会では、「危ういポピュリズムがはびこってしまう。排他的なナショナリズムを煽る人が出てきてしまう」と懸念を示し、「格差と貧困のない社会を目指していかなくてはいけない」と説きました。今度の衆院選を「国民の意思をもって、良い方向に政治を変えられる機会にしなければいけない」と訴えました。

堤かなめ 福岡5区総支部長

 日々、地元を回る中で多くの女性から「非正規で働き、食費が払えない、家賃が払えない。そうした声がたくさん届いている」と訴えた堤さんは、その原因について「女性に対する差別、暴力、こういったものを容認する仕組みがあったのではないか」と指摘しました。「日本は1985年に女性差別撤廃条約を批准し、女性差別をなくしていくと宣言したにもかかわらず、この30年以上、日本はそれに取り組んできたでしょうか」と問いかけました。

 堤さんは、これまでの自民党政権下で仕組みや制度が変えられなかったと指摘し、「本気で変えようとすれば、さまざまな仕組みや制度は変えられる。それが政治の役割のはず。それを怠ってきた今の政権に頼るのは止めよう。『絶対的権力は絶対的に腐敗する』という格言がある。腐敗した政権は必ず崩壊する。崩壊させなければいけない。一人ひとりの力で今の政権を倒しましょう」と政治の転換を力強く訴えました。