立憲民主党は21日、全国幹事長・選挙対策責任者会議をオンラインで開催。

 冒頭、枝野幸男代表は、感染症危機を克服し、当たり前の日常を一日も早く取り戻すには、政治を変えなければならないと語り、「まもなく迎える総選挙こそ、いまここにある危機を克服するための大きな一歩とすることができる選挙」だと訴えました。
 そして、「持ちうるすべての力を集中した総選挙対策を展開する」「決意を共有し、高めあうのが本日の目的」だと語り、それぞれの議員や総支部長を当選させるだけの戦いではなく、「私たちの国を危機から救い、まっとうな政治と、まっとうな社会を取り戻すための戦い」だと訴え、その歴史的使命を共有し、一丸となり戦いを進めていただきたいと呼びかけました。

 会議では、(説明順に)安住淳国会対策委員長、福山哲郎幹事長、平野代表代行・選挙対策委員長、蓮舫代表代行(広報)、泉健太政務調査会長からそれぞれ所管分野の説明があり、参加者からの質疑応答をおこないました。

■枝野幸男代表、冒頭あいさつ(全文)

 全国の皆さんお疲れさまでございます。
 暑い中、あるいは沖縄は台風の接近が心配でしょうが、それぞれ各地、さまざまな事情を抱える中でご奮闘いただいていること、そしてお忙しいなか、今日こうしてzoomという形は残念でありますが、お集まりいただいたことに御礼を申し上げます。
 今日の午前、開会式に先立って10年前の被災地福島でソフトボールからオリンピックの競技が始まりました。4歳であの大震災と原発事故を経験した中学生が始球式に立ちました。
 世界中からアスリートたちが集まり、世界に発信されます。本当ならアスリートの皆さんを一生懸命応援したい、準備にあたった皆さん、さまざまな形でかかわってきた皆さんに、その努力をたたえてそれぞれに拍手をおくりたい。しかし残念ながらそれを躊躇させるような状況の中で今日を迎えてしまいました。
 目の前にあるオリンピックはもはや平和の祭典ではなく、極めて歪んだ祭典となり、多くの方から、まさに開催だけが自己目的化されたオリンピックと受け止められてしまっています。
 先日の党首討論で菅総理はかつての東京オリンピックの思い出を語り、子どもたちに夢と希望を与えたと振り返りました。確かにちょうど私が生まれたその年に開かれたあのオリンピックは戦後の復興から立ち上がった日本人の努力と希望をシンボライズしたオリンピックでした。
 しかし、今回のオリンピックに子どもたちをはじめ多くの皆さんは、どのような印象を持つのでしょうか。そして、その説明を菅総理はどのように語るのでありましょうか。安倍政権から菅政権と政府与党はオリンピックの開催と新型コロナウイルス感染症対策とを両立させると言って準備してきたはずです。
 彼らが最善のシナリオと考えて進めてきたものは、いま最悪のシナリオに変わろうとしています。
 そんな中でも、この日のために頑張ってこられた日本中の、そして世界から集まるアスリートの皆さんには、開催される以上は全力を挙げてその努力されてきた力を最大限発揮をしていただきたいと心からお祈りをしたいと思います。
 問題は、政権にとって最善だろうと最悪であろうと、その対応によって多くの人が期待した形でのオリンピックも、そして最大の課題であるはずの感染症対策も、どちらもがまともな状況にならず、コロナ危機がより一層深刻になっていることであります。
 最善だと言って進めてきたシナリオを最悪にしてしまったこの政治は交代させなければいけません。
 ここに至るプロセスと、いまここにある危機的状況に答えを出せていないということは、危機回避と危機管理の力がないことを自ら証明したことに他なりません。
 この先の改善プランも怪しいと考えざるを得ません。
 COVID-19による感染症危機を克服し、当たり前の日常を一日も早く取り戻すには、政治を変えなければなりません。
 もちろん、この危機を打開するには国民の皆さんみんなの力が、協力が必要です。
 政治だけでそれを実現することはできません。しかし政治の役割は、国民に何が問題か、何が生じているのかを隠すことではなく、それを率直に語り、みんなで問題を共有し、解決の道筋を探していくという、議論のリーダーシップを発揮することから始まると考えます。
 感染症危機の解決は、まずはこうして政治を変えるところからスタートします。そして政治を変えるチャンスは目の前にあります。まもなく迎える総選挙こそ、いまここにある危機を克服するための大きな一歩とすることができる選挙です。
 最大野党として、政権の選択肢として、立憲民主党はその先頭に立たなければなりません。解散総選挙の具体的日程がいつになるか正確には分かりませんが、私たちはそれを受け身で待ち構えていることはできません。
 相手が防戦一方であるいまこそ、われわれは積極的に準備を進める時です。10月までのほぼ2カ月間に党が一体となって、持ちうるすべての力を集中した総選挙対策を展開します。
 その決意を共有し、高めあうのが本日の目的です。目の前の個々の議員や総支部長をどう当選させるかというだけの戦いではありません。
 私たちの国を危機から救い、まっとうな政治と、まっとうな社会を取り戻すための戦いです。その歴史的使命を共有いただき、一丸となって戦いを進めていただくことをお願いして、冒頭のあいさつとさせていただきます。
 ともに頑張ってまいりましょう。よろしくお願いいたします。