立憲民主党、日本共産党、国民民主党、社会民主党の4党は21日、厚生労働省を訪れ、「黒い雨」訴訟の上告断念等を求める申し入れをおこないました。
 申し入れには、立憲民主党から、長妻昭厚生労働部会長、森本真治参院議員が参加しました。

 広島高等裁判所は14日、「黒い雨」訴訟において1審に続き、原告全員を被爆者と認める判決を言い渡しました。これを受け立憲民主党は同日、「政府に対し、上告を断念し、判決に沿って一刻も早く、原告の方々に手帳を交付することを強く求める」との政調会長と厚労部会長名のコメントを発出しましたが、国に対して上告断念を強く働きかけるため、厚生労働省への申し入れをおこないました。具体的には、「黒い雨」訴訟原告団・弁護団、原爆「黒い雨」訴訟を支援する会からの要請に基づき、次の2点を厚生労働省に申し入れました。

1.上告を断念するとともに、広島高裁判決を拳々服膺し、広島市及び広島県が、被爆76年をむかえ高齢化した原告ら全員に対し、被爆者健康手帳を速やかに交付することを容認すること。

2.広島高裁判決で示された「黒い雨」による被爆類型の被爆者援護法1条3号該当性の要件を踏まえて、「黒い雨」被爆者に対するこれまでの被爆者援護行政のあり方を根本的に見直し、審査基準を改訂する等必要な措置を講じ、全ての「黒い雨」被爆者を速やかに救済すること。

「黒い雨」訴訟における上告断念等を求める要望書.pdf

記者団の取材に応じる長妻厚労部会長(中央)、森本参院議員(右)

 申し入れ後、長妻昭厚生労働部会長、森本真治参議院議員が記者団の取材に応じました。長妻部会長は「上告期限は(7月)28日。来月は(広島にとって)特別な日が来る。その直前が上告期限で、上告する判断があってはならない。判決の中身も一定程度充実しているので、なんとかここで決着してほしい」と述べました。

 森本参院議員は、「政治判断で変えられると思う。そのことをしっかりと大臣も判断して頂けるものと信じて、この1週間の期限の中で決断して頂きたい」と力強く語りました。