泉健太政務調査会長は26日、国会内で指定都市市長会から要請書「令和4年度 国の施策及び予算に関する提案」を受け取り、意見交換をおこないました。

 20の指定都市を代表して、松井一實広島市長、山田春男広島市議会議長が要請のため来党し、提案内容を説明しました。

 要請書は新型コロナウイルス感染症対策、税財政・大都市制度、個別行政分野について全16項目に及ぶ提案からなっており、そのうち特に(1)新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた対応(2)多様な大都市制度の早期実現(3)子育て家庭等の経済的負担の軽減措置や子どもの貧困対策――の3点について説明がありました。

 「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた対応」については、今後の感染拡大を見据えた感染拡大防止と社会経済活動の両立、新型コロナウイルスワクチンの接種にかかる国の措置、地域医療体制の確保、保健所等の体制・機能強化、雇用の維持と事業の継続等――について提案を受けました。

 「多様な大都市制度の早期実現」については、現行の指定都市制度のもとでは、少子化・高齢化、社会資本の老朽化等の課題が山積しており、こうした中で圏域全体の活性化・発展の牽引役として指定都市に求められる役割に十分対応できる制度に必ずしもなっていないことから、「特別自治市」の法制化等、地域の特性に応じた多様な大都市制度の早期実現について提案を受けました。

 「子育て家庭等の経済的負担の軽減措置や子どもの貧困対策」については、子どもの医療費助成制度に関して、各地方自治体がそれぞれ制度設計をしていることにより地域によって助成内容に差異が生じていることから、国と地方自治体が十分協議する場を持って、制度のあるべき姿をしっかり議論した上で国において統一的な医療費助成制度を決定・創設してもらいたい旨提案を受けました。

 要請を受けて、泉政調会長は「指定都市は住民からすごく期待をされるけれども、それに見合うだけの権限や裁量がないということで大変な思いをしながら新型コロナウイルス感染症対応等に追われたのではないかと思う。指定都市の住民の皆さんも一般市とは違う期待を向けているところもあると思うので、そのあり方についてはわが党でも真摯に考えていきたい。また、われわれは国と地方の対等な協議の場が必要だということをずっと言ってきている。そうした場をしっかり確保することがまずは大事だと思うので、その実現をわれわれも強く求めていく」と応じました。

 松井広島市長は「よく理解していただいていると確信した。地方分権と言われて久しいが、具体的な財政調整・税制の面ではまだまだ中央集権のやり方がいたるところに残っている。地方自治体の権限調整・役割分担をもう一度整理することを今やっておかないと、これから10年、20年後の時代に十分対応しきれるだけの制度ができてこない。今の段階から国・県・市でしっかり協議して、全体としてあるべき姿を議論できるような環境の整備を国政レベルでぜひお願いしたい」と述べました。

【指定都市市長会】令和4年度国の施策及び予算に関する提案書.pdf