「自宅療養、宿泊療養が激増しているが、療養では医療になかなかアクセスできないというのが現状。抗体カクテルや酸素ステーションも必要でしょう。しかし今、本当にやるべきことは、国主導で臨時の医療施設をきっちり作ること。そしてすべての医療関係者に政府が誠心誠意お願いして、徹底して医療提供体制を構築すべき」(青柳陽一郎衆院議員)。

 17日夕方、参院に引き続き衆院で開かれた議院運営委員会(議運)での閉会中審査。西村康稔経済再生担当大臣が、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の対象地域の追加や期間延長について報告をおこない、立憲民主党から青柳陽一郎議員が質問に立ちました。

 西村大臣や尾身茂政府分科会長が「危機感の共有こそ大事」と主張しているのに対し、現実には「政府の楽観論が国民に伝わってしまっている」と冒頭、青柳議員は指摘。「感染の収束には国民の協力、国民とのコミュニケーションが必要だ」と述べた上で、「総理の言葉、そして危機感が国民に届いていると思いますか」と西村大臣をただしました。これに対し西村担当大臣は「総理のぶら下がり会見もおこなわれているし、ご自身の言葉で危機感を共有されていると思う」と答弁。青柳議員がさらに「菅総理は、会見はするけれども国会には来ない。なぜでしょう」と問いかけると、西村担当大臣は「この議運での説明については、これまでの慣例に従い、特措法の責任者である私ができるだけ丁寧にお答えをしていく」と答弁し、正面からは答えようとしませんでした。

 また重症化リスクの低い新型コロナウイルス感染者を自宅療養とする、との新方針を政府が打ち出した点について「改めて確認するが、中等症以上は原則入院ということでよろしいんですね」と念を押すと、西村担当大臣は「入院は重症患者、そして中等症患者で酸素投与が必要な方、投与が必要が無い方でも重症化リスクはある方、こういった方々に重点化をしていくと聞いている。しかし最終的には医師の判断で中等症の方でも必要と認められば入院されることになる」と答弁しました。

 これに対し青柳議員は「今のは非常に重要な答弁だと思います。コロナワクチンは重要です。しかしそれだけではなくて徹底した感染予防検査と隔離、早期の治療も大事。そして何よりも今必要なのは、この感染が爆発している状況の中で、医療提供体制を国を挙げて作ること。自宅療養、宿泊療養が激増しているが、療養では医療になかなかアクセスできないというのが現状です。今、話のあった抗体カクテルや酸素ステーションも必要でしょう。しかし今、本当にやるべきことは、国主導で臨時の医療施設をきっちり作ること。そして、すべての医療関係者に政府が誠心誠意お願いして、徹底して医療提供体制を構築すべき」と医療提供体制の確保にもっと国が関与するよう、強く訴えました。これに対し、西村担当大臣は「医療提供体制の確保については、各都道府県において、厚労省と連携をして病床の確保に努められていると承知している。特に東京都、大阪府を始め、状況が特に厳しいところにおいては、知事からそれぞれの病院に要請され、病床の確保に努められてると承知している。さらに特措法に基づく臨時の医療施設がすでに13施設、稼働している。私も知事とお話する時には、必要であれば、こういったものを活用したり、プレハブでもテントでも病院はできるし、空いたビルも使えるし、ホテルもそういう形に出来ます。そういったことも、随時お考え頂いて、連携して取り組んでいきましょうと話を進めているところであります」と、医療体制の確保は、あくまで都道府県が主体となっておこなう旨の答弁をしました。

 最後に青柳議員は「われわれ野党は、憲法に基づいて国会の開会要求をしている。国難の時こそ、国会を開き、政治の責任と役割を果たすべきでしょう。国民の命と暮らしを守るための経済対策と補正予算、休業と補償の徹底、人流の抑え込み対策、今、申し上げた医療提供体制の整備、これらについて国会を早急に開いて答えを出すべきだ」と訴えました。これに対し、西村担当大臣は「国会の召集の必要性については、内閣として判断をしていく」と、答弁するに留まりました。