安住淳国会対策委員長ら野党4党の国対委員長は2日午前、国会内で自由民主党の森山裕国会対策委員長と会い、野党が憲法53条に基づいて要請した国会召集を政府与党が見送ったことについて抗議する声明文を手交しました。立憲民主党から原口一博国対委員長代行が同席しました。
申し入れの冒頭で安住委員長は、立憲民主党、日本共産党、国民民主党、社会民主党が7月16日に憲法53条に基づいて提出した国会召集要求に触れ、「予備費等の必要性を訴えたが、残念ながら聞き入れられなかった。このまま任期満了を迎えれば、明らかな憲法違反になると思う。改めて抗議する。速やかに臨時国会を開催をして、しっかり議論した上で、10月21日の任期満了までに国民が審判を下せる環境を作るのが与党の責任ではないか」と述べ、4党の抗議声明を菅総理大臣・自民党総裁に渡すよう森山委員長に要請しました。
会談終了後、安住国対委員長らは記者団の取材に応じました。安住委員長は国会召集要求について、「これは召集しなければならない規定になっている。期日は定まってないので内閣の責任だが、このまま残すところ任期満了まで50日という中で、やらないまま選挙になれば、これはもう明らかに戦後初めて憲法違反を犯した内閣、政府与党ということになる」と自民党に伝えたことを報告しました。
森山委員長に「わが国の危機的な状況をしっかり議論するための臨時国会はきちんとやった方がいい」「政治が停止状態になって感染対策を怠っているというこの責任は非常に重い」と申し入れたところ、先方は「大変重く受け止めると応じた」と明かしました。また「予算を実現する臨時国会でなくても、議論をする、子どもたちのために、または自宅に療養している人たちのために、感染が広がりつつある地方のために国会を開いて、短い時間でもいいから議論をする、また対策を考えるそういう機会を職責を果たしましょう」と改めて提案したと述べました。
原口委員長代行は「感染爆発と医療崩壊の中で、この危機で国会を開かないっていう選択肢はないということを申し上げた。このまま53条違反のままやるということは、国民に予算も法案も届けられないということだ。国会を通して総理が直接国民に話しかける、語りかける、対策をしっかりと理解いただく、そのことによって国民の安心が生まれるのであって、国会から逃げ回っていて、そして信を問うなんてことはあり得ない」と話しました。