参院議院運営委員会は9日、今月12日を期限とする21都道府県の緊急事態宣言について、19都道府県を今月30日まで延長すること、宮城県と岡山県はまん延防止等重点措置に移行すること、まん延防止等重点措置が適用されている12県のうち、富山県、山梨県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県の6県は解除し、その他の地域は今月30日まで延長するという政府方針の報告への質疑をおこないました。立憲民主党は白眞勲議員が質疑に立ちました。
白議員は、新型コロナウイルス感染症の家庭内感染が増えていることを取り上げ、家庭内感染への対策をとれば陽性者を減らせるのではないかと主張しました。また、往診システムや在宅での抗体カクテル療法を広める措置を大至急とるべきではないか提案しました。白議員は自宅療養者について、「療養」という言葉の意味を調べると、「治療をして養生すること」であり「養生」とは「生命を養うこと、健康の増進を図ること、病後の手当をすること」であると説明。中等症IIにあたる患者が入院をしなければいけないほどの症状であるにもかかわらず、自宅療養をしなければいけない状況を指して「『入院待機』と改めるべきではないか」とただしました。西村大臣は、「厚労省とよく話したい」と答弁。白議員は「間違ったメッセージを与えかねない、検討すべきだ」と返しました。
白議員は、保健所が何件も病院に電話をして、ようやく病床を見つける状況があることに触れ、「電話してというのは昭和の時代ですよ」と指摘。「人の手を介さずに、オンラインであれば担当者の負担を減らす。それが他の患者さんのケアにもつながると思う」と述べ、デジタル庁を設置した政府のシステム構築の考えを質問しました。西村大臣は、「保健所と医療機関、あるいは厚労省や都道府県それぞれと共有がなかなかできないという本当に苦しい思いをしてきたのでHER-SYS含めて、さまざまな取り組みを強化して対応してきたところ。まさにご指摘のようにデジタル庁ができますので、こうした医療分野でのデジタル化、特に今後ワクチン接種記録あるいは陰性証明を活用してさまざまな活動を緩和できるので、デジタル庁とも話をしているところだ」と答弁しました。
最後に白議員は、西村大臣が考える余裕がないと自民党総裁選の出馬を見送った一方で、立候補の意向を示している河野太郎ワクチン担当大臣が、連日自身の属する派閥の長である麻生財務大臣と話をするため財務大臣室を訪れていることを取り上げ、「ワクチンの話をするならわかるが、派閥の長を訪問するなら公私混同、職務放棄と言われてもしょうがない」と強く指摘。「総裁選に出るならば大臣を辞めて出るべきではないか」と述べ質疑を終えました。