「こういう時だからこそ、政策的にきちんとやっていくとか、困ってる人の問題について役所のヒアリングをしっかりやって質疑するとか、地道にやった方がいい」(安住淳国会対策委員長)。
 「野党第一党としてやはり飲むところは飲み込んで、そして小異を捨てて大同団結をする。そういう方向性は歴史的にも正しいんだろうと思います」(難波奨二参院国会対策委員長)。

 8日夜に配信された、りっけんチャンネル「 #政権取ってこれをやる ―今なぜ国会が開かれないのか―」。後半の第2部では、安住淳国会対策委員長、難波奨二参院国会対策委員長が出演(司会:田名部匡代参院議員)。コロナ禍という未曽有の国難にもかかわらず、政府が一向に国会を開かない現状について、国会の裏話等を交えながら議論をしました。

■国会の現状について

 冒頭、第1部に引き続き司会を務めた田名部匡代参院議員が、国会の現状についてのコメントを2人に求めました。

 安住国対委員長は、国会における一強多弱の構造が、今の事態を招いているとの見方を示し「やっぱりね、自民党を勝たせすぎなんですよ。国民の皆さんには申し訳ないけれど、300議席も与えられたらね、まあ失礼な言い方だけれど横柄にもなりますよ。野党なんてもうね、130議席ちょっとですから。衆院の場合だと。与野党というのは伯仲させて、競わせて、プレッシャーをかけないと、やはり権力というものはおごりますね。一言でいえば、都合の悪いことを聞かれたくなければ『国会は開かない』っていうことになるんですね。正論は吐いてますよ、われわれ。でも正論に伴う数が足りない。一方で、これは国民から見たらなんだと思うかもしれないけれど、われわれから見たら武器が欲しいですよね。野党で甘んじているのは悔しいけど。130人で300数十人相手に喧嘩したって、多勢に無勢でしょ。だから開会の要求に応じないってことでしょ。最後は結局、選挙に戻っていって、国民の皆さんの一票が、国会の構造を決めるんですよ」と、述べました。さらに「特に衆院は、今回の場合、限りなく任期満了に近いんですけれども、総選挙が近づいたからこそ、都合が悪かった。(菅総理が)しゃべればしゃべるほど支持率が落ちると思ったから、国会を開かなかった訳ですよね、一言でいえば。そういう点で言うとやはり野党としては、意外と頑張れたというか、結束して頑張ってきたことで、逆に彼らは、戦争の言葉で言うと『塹壕』に閉じこもって出てこなくなっちゃった」と、総選挙が近づいたことと、野党が国会で健闘したことが、与党が国会開会に応じなくなった理由の一部となったと分析しました。

安住淳国対委員長

 難波委員長は「コロナ禍という国難の時に国会を開かないのは、やはり政権政党として無責任だと思いますし、国会議員として職場放棄と指摘もできます。また国会を開かないと立法という行為はできない訳でございます。ですから、国会の立法機能の放棄ということも指摘できるんだろうと思います」と、与党側の無責任ぶりを批判するとともに、「結論的には、やはり無責任なこの行為をおこなっている自民党、そして公明党に対して、今度の選挙で是非正しい国民の思いというものを、投票行動に表していただきたいと私からもお願い申し上げたい」と述べました。

■他党との連携について

 他党との連携のあり方についてたずねられると、難波委員長は「衆院の選挙区割りの見直しの時期が近づいて参りましたが、やはり都市部に議員が多くて、地方の議員が少なくなることも今後、想定される訳ですよね。そういうことも鑑みますと、いろいろな問題がある制度ではあるけれども、政権交代はやはりきちんとやれる、そういう政党を作っていかなくちゃならないというのは当然のことだろうと思うんですよね。一強多弱の話がずっと出ている訳でございますけど、自民党だけでは、やはり日本の民主主義は正常に発展をしていかないし、国民生活もすべての国民が幸せというものを享受する、そういう社会にはならない訳です。われわれ野党が分裂をし続けることは、日本の民主主義の発展にとって不幸なことだとずっと思って参りました。ですから、いろんな他党とのこともございますけれど、野党第一党としてやはり飲むところは飲み込んで、そしてやはり小異を捨てて大同団結をするという、そういう方向性は歴史的にも正しいんだろうと思います」とコメントしました。

難波奨二参院国対委員長

■野党に求められる政治活動について

 総選挙に向かうまでの間、野党の政治活動について意見を求められると、安住委員長は「こういう時だからこそ政策的にきちっとやっていくとか、困ってる人の問題について役所のヒアリングをしっかりやって質疑するとか、地道にやった方がいい。テレビなどを見ていると、自民党の総裁選挙のニュースばかり流れる訳ですよね。言葉は乱暴だけれど、切った張ったやって面白いのはテレビとか紙芝居だけ。誰と誰がくっついたとか、どの派閥がどうだとか、若手議員がどうだと、テレビで面白く言ったり」している一方で、コロナ禍自体に関する報道が減っていることに言及しました。そして、「今日も10代の方が大阪で亡くなった。本当は緊張感を持って国会をやっていないといけない時に、派閥がどうだのやっている訳だから、本当に僕は残念だと思う。そういう政党がそんな劇場型の事をやって、国民が選挙でそれについていって、われわれが真面目にやっているのが馬鹿を見る、みたいなことにはならないようにしたい。だからそこは、私たちもしっかり地道な活動を続けていかなければいけないと同時に、国民の皆さんにもしっかりと見ていただかないといけない」と述べました。

司会を務めた田名部匡代参院議員