立憲民主党ジェンダー平等推進本部(本部長:枝野幸男代表)は13日、全3回開催の勉強会の第2回を開催しました。「ジェンダー平等と国際的潮流」をテーマに、弁護士で元女性差別撤廃委員会委員長の林陽子さんが講演をしました。

 冒頭、本部長でもある枝野代表があいさつをしました。枝野代表は「話をいただくのは女子差別撤廃条約と女性差別撤廃委員会からの勧告です。この問題は選挙のビラで不特定多数の皆さんに訴えるためには、若干専門的過ぎる観点があるかもしれないが、どういう訴え方をするかは別として、女性差別撤廃委員会が出している累次の勧告を、政権をとって真摯に受け止めて変革を進めていくことはわが党としての明確な方針だ」と述べ、そのことが政権公約の一端をなすものだと枝野代表自身が位置付けました。一方で「党内で女性差別撤廃条約の趣旨や累次の勧告等について認識の共有が十分にされていなかったという反省がある。まさにそのことを一番国内でご存じの林先生に話いただけるということで、参加いただいている方は認識をアップデートする皆さんが多いが、それ以外の仲間にはそのことを共有できるスタートにしたい」と述べました。

 林さんからは(1)国連によるジェンダー平等の取り組みと女性差別撤廃条約の成立(2)ジェンダー平等への取り組みをレビューする国際的な仕組み(3)国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)からの日本への勧告(4)日本に必要なアクション(5)G7のジェンダー平等への取り組み(6)国際協力――という観点から話がありました。林さんは、日本の男女共同参画担当大臣は兼務が多すぎて「日本の男女共同参画担当大臣はパートタイムなのか」と他国から真剣に質問が来るくらいであることを紹介。1人の大臣に7つも8つも役割があっては専念できるはずがないと指摘。また、自民党政権の男女共同参画担当大臣は、現状は夫婦別姓に反対であることを取り上げ、「こんな国は見たことない」とも述べました。さらに、「いろいろな違いがあるが、その国のジェンダー平等担当大臣は絶対に(ジェンダー平等を)やろうという人がなっている」と述べ、「立憲民主党が政権をとったら一番ジェンダーに熱意を持った人に大臣になってほしい」と求めました。

 質疑応答では、ジェンダーギャップ指数の順位が低いこと自体が日本ではあまり知られておらず、どのような視点でこのことをウォッチしていけば良いかと質問がありました。林さんは、「途上国からすると、物質的に恵まれていて学校に行きたければ行けて電車や電話等のインフラが通っているのにもったいない。タレントを活かしていないと指摘される」と述べたうえで、「女性議員がたくさんいて、賃金格差が少なく、権利を守っている国は生活が豊かになる。経済を回して所得再分配して、困っている人を支えないといけない。そのためのインフラとして反差別は大事。OECDの報告書は非常に雄弁に語っている。差別を無くしている国がどう良いのか、そういうメッセージを出していけばいい」と説明しました。