枝野幸男代表は19日、新潟県新発田市を訪れ、黒岩たかひろ衆院議員(新潟3区)とともに松浦農村環境改善センターで農政車座集会を開き、農家やJA職員ら約20人と意見交換しました。

 黒岩議員は、米価の下落傾向が続く中、コロナ禍でさらに需要が減り、米価の低下を招いてしまうことについて農林水産省に対策を要請したところ、210万トンあまりの民間在庫のうち1部を国が保管することになったが、なお189万トンが市場に残っており「いわゆる市場隔離とは違う」と指摘しました。国は、せめて10万トンを買い上げるべきだとし、そのための予算250億円は、たとえば観光業を支えるGoToトラベルの予算に比べれば100分の1であり、日本の主力産業である農業、とくに稲作農家の皆さんを支えるために必要な予算だと説明しました。

 枝野代表は、コロナ禍で米の需要に影響が出ているとの認識を示し、「米作りを続けられるかどうか不安との声が届いている。コロナで影響が出ているところを幅広く支援しなくてはいけない。ましてや米作りを一度やめてしまったら、戻すのが不可能なくらい。昨年、マスクが海外から入ってこなくなり困ったのを覚えていると思うが、食べ物だったらどうするんだと思う。皆さんが米作りを続けていけるようにしていかなければいけない」と語りました。米価下落と米政策に関する緊急要望を15日に取りまとめ、農林水産省に要請したと報告し、「農水部会だけの問題ではない。党を上げての問題だ」と力を込めました。

 参加者からは(1)法人化を進めているが大型機械を買う資金が足りないので、基盤整備補助金を増やしてほしい(2)米の需要の下降傾向が続いていて生産調整が追い付かない。備蓄米については市場から隔離してほしい(3)若い人の4分の1くらいは有機農業、小規模な農業をやりたいと思っている。農業の後継者問題を解決するためにも、大規模化だけでなく、多様な農業のあり方に対応した支援、新規就農者・若手への指導を含めたきめ細かい支援をしていくべき(4)事業支援の多くは大規模化が要件になっていて、活用できない農家が多いので見直してほしい――などの意見、要望があり、意見交換をおこないました。

 車座集会に先立ち、黒岩議員の案内で水田やため池を視察しました。

民主党政権時に270億円の予算がついて整備に着工した松岡地区のため池