枝野幸男代表は25日、衆院選に向けた遊説先の長崎空港で記者団の取材に応じました。記者団との主な質疑の要旨は次のとおりです。

Q)長崎に来られた目的と、2区、3区、4区に候補者を擁立しているが、党としての位置づけは

 自民党の総裁選挙があって、各地の状況を私自身が見ていることを含めて、有権者の皆さんはかなり、総選挙をかなり意識して選挙モードというような状況です。感染対策に万全を期しながら、選挙のつもりで全国遊説していこうということで、役員で分担して47都道府県を全部10月上旬までに回ろうという話をしている中の一環です。特に長崎は、国民民主党さんの1区とわが党の2区の現職が2人いますが、新人の2人が非常に良い戦いをしていると、情勢の分析としてそうなっていますので、できるだけ私自身が伺って、少しでもテコ入れになればという思いでまいりました。

Q)佐世保市のある長崎4区は自民党県連が現職を公認しないということになっていることの受け止めと、戦い方をどのようにしていきたいか

 相手がどなたであっても、こちらがこの2年近くのコロナ対策、そしてこの9年近くの安倍・菅政権でのまっとうでない政治、あるいは地方、あるいは、普通の働く人々、1次産業などをないがしろにしてきた政治――これに不満を持っている皆さんの声をいかに集めるかだと思っていますので、相手がどなたでどういう構造かということにかかわらず、こちらがやるべきことをやるという戦いだと思っています。

Q)先ほど連合長崎さんと会合をなさっていたと思うが、その中で出た話とか、確認されたことを可能な範囲で伺いたい

 長崎は国民民主党さんも含めて、非常に良い形で、ご苦労多いと思うのですけれども、体制を作ってきていただいているという話を改めて聞かせていただきました。本部として、しっかりとメリハリをつけた発信をして共に頑張っていこうと、概ねそういう話でありました。

Q)その件に絡んで、共産党さんに関しての話は連合長崎さんとの話ではなかったのか

 いろいろメディアを通じて誤解されて心配をかけるようなことがあるので、そういったことのないように留意しましょうねと、こういう話はいたしました。

Q)この国のトップを決める自民党総裁選挙が来週行われます。新総裁、新総理に野党第1党の立場の枝野さんから望むことと、自民党総裁選の中で、各候補の主張とは言え、政策が広く訴えられてという状況。立憲民主党も横串の発表を続けているが、有権者に広く政策を浸透させるために、これから考えていることがあるか

 1点目は、とにかく国会を開かず、コロナ対策、喫緊の課題があるにもかかわらず議論から逃げてきたし、記者会見等も含めて説明しない政治を特にこの2年近く強く見せつけられてきました。まず、選挙管理内閣とは言え、政権ができたら国会での議論を逃げずにやっていただきたいということに尽きると思っております。

 後者については、選挙が近いのでメディアの皆さんも、総選挙を意識した報道の形になっていただいてると思っておりますので、皆さんに報道しやすい形で発信をしていきたいと思います。ただやはり、本筋は各地域で候補者や陣営が地道に草の根で訴えていくことだと思っています。

Q)共産党の志位委員長が昨日、立憲民主党との政権構想を巡って、立憲民主党と近々に話したいというようなことを話されている。枝野代表の志位委員長との会談の予定など、考え方は

 志位さんのご意向は承知をしております。あとはさまざまな状況を判断して、やるべきことがあればやっていきたいと思っています。

Q)昨日枝野代表は外交政策について発表されて、自民党総裁選でも昨日の討論会で、外交について議論がおこなわれていた。その中で靖国参拝についての話があり、候補者によって考え方が違ったが、枝野代表は総理の靖国参拝についてどのようにお考えか

 まず、宗教の問題ですので、総理になったから行くとか行かないとかという話はあり得ないと思いますし、従ってですね、総理であるが故に行ったことをメディアに公表していることが間違っているということだと思っています。宗教法人ですから、政治と完全に切り離すべきだというふうに私は思っています。ちなみに私は総理になった時に参拝いたしません。

Q)それに関連して中国、韓国などが反発していることについてはどのようにお考えか

 他国の反応よりも、政教分離の日本国内の憲法問題だと思っています。

Q)日米首脳会談について、バイデン大統領の夫人とともに3人で約10分間という異例の短さの会談となったが、これについての受け止めは

 もはや私が何か申し上げるまでもなく、その客観的な事実を多くの国民の皆さんに、皆さんからお伝えいただければ、多くの皆さんがご判断され、国民の皆さんが判断されると思います。

Q)昨日、平野選対委員長が小沢一郎衆院議員と面会して選挙に向けての協力を求めたが、代表からも小沢一郎衆院議員に期待されることはあるか

 党内でいろいろな先輩、同僚を含めて、いろいろな相談、会議、打ち合わせをやっております。一つひとつについて申し上げる必要はないと思います。

Q)長崎4区に関連して、明日代表が入られる宮崎1区でも自民党側が分裂する可能性があり、立憲民主党にとってチャンスだと思うが、どのようにお考えか

 本当にこういうことは、相手の動きに振り回されて動いてはいけないというのは選挙の王道だと思っておりますので、相手がどういう状況であれ、しっかりと今の政治状況に不信と不満を抱いてる皆さんの声を受け止めるような活動ができれば勝てると。ですので相手のことをあまり気にせずに戦うべきだと思っています。

Q)先ほどの質問にあった小沢議員の関係で、平野選対委員長から小沢議員に依頼されたのは、共産党など他党との候補者調整を水面下で小沢議員に進めてほしいというそういった思惑もあるようだが、代表としてはどうお考えか

 まだ別に平野さんから何の報告も受けていません。

Q)先ほどの靖国の関連で、自国の憲法の問題ということだが、靖国参拝は憲法違反だというお考えか

 個人としてどの宗教を信仰し、どういう宗教行動をとるのかということそのものは、政治と絡めない限り、信教の自由で、内閣総理大臣であれ、国会議員であれ有していると。ただ、それを政治と絡めることは政教分離の趣旨に反するということだと思います。従って本来であればどの神社に参拝するとかしないとかということを皆さんにお答えする性格のものではない、本来は。そのかわり、行ったということを宣伝する性質のものではない。これが本来の姿だと私は思っています。