25日午後、長崎県大村市を訪れた枝野幸男代表は、山田勝彦長崎3区総支部長とともに市内のカフェで座談会に参加。飲食店経営者や貧困女性の支援事業に携わる当事者らと、コロナ禍の影響について話し合いました。

 大村市内で飲食店を13店舗を経営する時さんからは「緊急事態宣言が出されて以来、市内の店舗は開店休業状態が続いている。経営者としての矜持から、従業員の首を切らずになんとかここまできたが、一店舗はとうとう閉店の運びとなってしまった。自分の会社の場合、業態が幸いしたのと、お弁当をはじめとしたテイクアウト事業でなんとか生き残ってきた。しかし周りの経営者の中には、ここまで借金でしのいできたものの、いよいよもう駄目になりそうだという人が何人もいる。現状、飲食店は手足を縛られながら泳げと言われているようなもの。なんとか事業者が生き永らえるための政策のお力添えをお願いしたい」という趣旨の話がありました。

 また「女性のためのつながりサポート事業」という市の委託事業に携わる今村さんからは、この事業についての説明がありました。「コロナ禍において、さまざまな理由で窮地に立たされた女性に対する相談窓口を設けており、日々相談にあたっている。コロナ禍でアルバイトができなくなったりして、生理用品を買うことができなくなった女性(いわゆる『生理の貧困』)に対する支援もおこなっている。支援を求める方は、一日を終えることすらままならない程、困窮している。生理用品を買えない人は当然、食料にも事欠くケースも多く、子ども食堂から譲って頂いたお米を小分けにしてお渡ししたところ、涙を流して喜ばれる方もいた。市内には、障がいを持つ子を抱えるシングルマザーも多く、こうした女性は無理を押して働き、体を壊したりするケースもある。また自衛隊員と結婚している女性が、単身で大村市に移住するケースも多い。そうした方々がコロナ禍のせいで、里帰り出産ができなかったりする。人とのつながりがないことで心が病んでしまい、育児放棄しそうになる方もいる。この事業に対するニーズは多いと思うが、来年3月で終了することが決まっている。民間の支援団体では手の行き届かないところもある。できればこういった事業が継続できるよう予算をつけて頂きたい」という趣旨の話がありました。

 座席数50人規模の、アルコール提供を伴う飲食店を経営する太田さんからは「大村市には自衛隊の部隊が3部隊駐屯しており、自衛隊の街といってもいい。自衛隊員の皆さんには、(夜の街などへの)外出を控えるよう指示が出ているようで、いくら緊急事態宣言が解除されても客足が戻らない。地方の実情は、かなり東京とは異なる面が多い。東京の方から一方的に規制をつくり、それを押し付けられても困る」という趣旨の話がありました。

 これらの発言を受けて枝野代表は「一口に飲食店と言ってもその業態によって、あるべき規制のあり方がかなり異なると思う。また経済関連の支援事業など、本来国が支援すべき事業は地方に任せる一方で、地方に任せるべきコロナ関連の規制を、中央がつくってしまう傾向があるのではないか。こうした傾向には改善の余地があると思う」と語りました。

 山田総支部長も「役所勤めの地方公務員の方々も、今は夜間の飲食を自粛する傾向にある。公務員の方々は、地方の経済をある意味回していく立場にあるので、個人的には過剰な自粛が経済に与える悪影響を懸念してしまう」と応じました。