枝野幸男代表は26日、訪問先の福岡県で記者団の取材に応じました。この日枝野代表は、大牟田市内で青木剛志・福岡7区総支部長らと、福岡市早良区では福岡3区総支部長の山内康一衆院議員らと街頭演説をおこないました。

 記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。

Q:今回福岡入りした目的と、福岡2カ所で街頭演説をして感じたことは

 今日の福岡、この後行く宮崎、そして昨日の長崎と、新人・若手で大変頑張っていて、上がってきてくれそうな、また、上がってきてもらわなければならない仲間が、九州北部に何人もいますので、そこをこの週末でガーッと周り、少しでもテコ入れになれば、そんな思いで回らせていただいています。
 昨日の長崎も、それから先週末の千葉も、そして今日のこの福岡も、コロナの中にもかかわらず、思った以上の皆さんに集まっていただいたり、あるいは集まっていただいた方以上に、ここだと買い物客の方の出入りの反応や、それから1カ所目の大牟田でも、通っている車からの反応などを見ると、やはりかなりの手応えを感じでいいのではないかと。
 メディアの上では自民党の総裁選挙がかなりのウエイトを占めていますが、かなりの有権者の皆さんがその総裁選挙を冷めた目で見て、政治そのものを、本質を変えなければいけないと感じていただいているという手応えをいま受けています。

Q:自民党総裁選が3日後に迫っていますが、どのように受け止められているでしょうか

 いずれにせよ、どなたがなっても、とにかく安倍・菅政権で、説明しない、国会の議論から逃げる、そのことを引き継ぐのかどうか。それはまず、4日から始まる国会で予算委員会を含む、実質審議に応じるのかどうか。安倍・菅政権の説明しない政治を変えるというのならば、予算委員会にも応じていただけると思っていますので、その判断を見たいと思います。

Q:野党共闘について、注目されていますが、進捗いかがでしょうか

 すでに申し上げている通り、私は何度も申し上げていますが、全国で接戦になるだろう50から100の選挙区が一本化できればいいと、最初から申し上げてきています。
 いますでに150を超える選挙区が事実上一騎打ち構造になっていると思います。そうした意味では、目標はある意味クリアをした。後は各党の事情で、本当は一本化すればいいのになあと思っているところが残っているのも事実ですが、それは一種の微調整・微修正ということの中で、どれぐらい結果をつなげられるかという調整が残っている。こういうことだと思っています。

Q:福岡5区は、一本化すれば接戦になると捉えているでしょうか

 それぞれの各党の事情と立場があって現状のようになっているので、特に私の立場からあまり個別の事について、「こうしてもらえたら」とか申し上げると、上手くいくことも上手くいかなくなると思うので、それは全国的に一本化したら勝てる可能性が高いところは最後まで粘り強く、各党の立場をお互い尊重し合いながら、できることを模索していきます。

Q:福岡県内の話ですが、前回福岡1、3、5区に入られて、今回は7区と3区に入られたと思うのですが、残りの入られていない選挙区、具体的にいうと2、10区など旧国民民主党のところに入られていないのが懸念事項かと思いますが

 これはたまたまの日程。つまり、受け入れ側の日程の都合もあります。
 山内くんはキャリアは長いかもしれないけれど、福岡で選挙やるのは2回目だと思いますので、そういった意味では、新人に近い形なので、一定のキャリアを積んでいる2人のところは、出来れば自力で勝ち上がって欲しいし、そうでない場合も、やはり競るのは間違いないと思っているので、いいタイミングで入る必要があれば応援に入りたいと思っています。

Q:今後は入る可能性もあるのか

 一番望ましいのは、キャリアが長いのでぶっちぎりで小選挙区で勝ってほしいのですが、そうでない場合はいいタイミングで応援に入りたいと思っています。

Q:今回は情勢調査(の結果)も含めて7区に入ったのか

 情勢というよりも、受け入れ側の日程の組み合わせと、基本的に新人のところをできるだけまず(始めに)、ということを前提にしてます。

Q:田村厚労大臣が、今日のNHKの日曜討論で、いまの感染の改善状況であれば今月30日で解除できるという見通しを示す一方で、日常生活の制限の緩和は、段階的に進めざるを得ないという認識を示しています。代表のお考え、緊急事態宣言の解除に向けたお考えを教えてください

 とにかく第6波を起こさないということが、一番大事なことだと思っています。
 したがって、宣言自体をどうするかということに関わらず、飲食店をはじめとする関係事業者の皆さんには、まだ当分ご苦労をおかけすることになると思います。従って、その分についての財政的な手当。それを自治体に丸投げするのではなくて、しっかりと国が財源的な裏付けをする。いろいろな要請の状況に応じた事業者の支援ができるような裏付けをすることが、宣言そのものよりも重要ではないかと思っています。

Q:関連で、第6波を起こさないことが重要だということですが、起こさないために代表が重要だと考えることを教えてください

 水際対策の強化と、徹底した検査の拡大です。やはり早期に症状のない感染者を見つける。それから、海外からの変異株を食い止める。この2つがないと、実は何をやっても効果がない。この2つを、とにかく1年半言い続けていますが、更に強く求めてまいります。

Q:新総裁が決まるタイミングでの宣言解除になりますが、コロナ対策の継続性についてはどのようにお考えか

 1つは、きちんと行政的に引き続いてやらなければならない事は、やってもらわなければいけない。一方で、むしろコロナ対策は変えるべき事を変えてもらわないといけない。
 逆に言えば、どなたが総裁になろうとも、安倍・菅政権を否定しない限りは、変えられないと思っていますので、それは政権そのものを変えるしかないと思っています。

Q:経済政策について、街頭演説でも触れていましたが、分厚い中間層を実現するために具体的にどのような政策が必要か。また、福祉によって景気対策するということですが、経済成長よりもそちらを目指すということか

 将来不安を小さくしない限り、消費は伸びませんから、経済成長のために不安を小さくする。それは従来の言い方では福祉と言われていたかもしれないですが、それそのものが景気対策です。
 分厚い中間層を取り戻すには、複数の政策をかみ合わせていかなければなりません。やはり最低賃金や雇用のルール、これは一定の時間はかかります。それから医療・介護をはじめとした公的なサービスの非正規・低賃金、これは国の判断だけで賃金や雇用形態を安定化させることできます。こうしたことを組み合わせていくということです。