平野博文代表代行・選挙対策委員長は2日、富山市で開催された富山県連の街頭演説に参加し、西尾政英(にしお・まさえい)第1区総支部長と越川康晴(こしかわ・やすはる)第2区総支部とともに演説をおこないました。

 富山県連代表を務める西尾1区総支部長は、「この1年半コロナに振り回された私たちは、たとえ菅さんから岸田さんに首が変わっても、やっていることは同じだと分かっている」と述べ、国民がコロナ禍で苦しみ、本来なら入院すべき人が自宅待機を余儀なくされいる中、不人気になった総理の首を替えるために総裁選を大々的に繰り広げた自民党の姿勢を批判しました。

 このような政治は変えなくてはいけないとし、「私たちは働く人の立場、生活者の視線で政治を作っていく。セーフティーネットは安全だと思っていたら所々に穴が開いていた。コロナで明らかになったほつれを一つひとつ丁寧に編み直していく。立憲民主党に政権交代をさせていただいたら、今の漠然とした生活不安や将来不安が極力減らしてく」と訴えました。令和版の「ゆりかごから墓場まで」として、児童手当を所得制限なく18歳まで延長すること、給付型奨学金の拡充、年金の最低保障機能の強化などセーフティネットの再構築し、将来不安を取り除くことにより、消費を増やす好循環を生み出せると主張しました。

 最後に「今度の総選挙は、あなたの1票が歴史をつくる。あなたの1票で富山の政治の歴史を変えてください」と訴えました。

 県連副代表の越川2区総支部長は、35年間会社員として働いた経験を活かして政治を変えたいと立候補を決意。政府の新型コロナウイルス対策の無策ぶりを取り上げ、「自宅療養などと言って、国民をほったらかしにしておいて、オリンピック・パラリンピック、今度は総裁選と国民の関心をそらし、自分たちの延命を図ろうとする。まさに今だけ、金だけ、自分だけという政治が過去10年間近くおこなわれてきた。尊い国民の方たちの努力が無駄になってしまった」と批判しました。

 越川総支部長は、「本当の民主主義は 多勢であればいい、お金をたくさん持っていればいい、声が大きければいい、脅しが効けばいい。そんなことで国の政策、方針が決まってしまっては絶対にいけない」と述べ、憲法第13条の個人の尊重の理念の重要性を訴えました。

 富山県民は質実剛健、言ったことは守る、バイタリティーと突進力があると評されると話し、その越中魂を発揮し、「通常の生活者の感覚で、自分たちの生活を良くしたい。しっかり働いた人がしっかり報酬をもらい、すべてのチャンスを平等に与えてほしい。それがちゃんと報われる社会。それを皆さんの力でぜひ実現する。そのためには、皆さんの本当の決断が必要」と訴えました。最後に自身のキャッチフレーズ「変えよう、上から目線の政治」を多くの人に共有してほしいと呼びかけ、演説を終えました。

 平野代表代行は、1年半余りも続いているコロナ禍は、いま政治が向き合わなければいけいない最大のテーマだが、政治がしっかりと対応していないためにこれほど長引く状態になってしまっていると指摘しました。その上で、菅総理の人気がなくなり、選挙に勝てないから総理を変えようと自民党が総裁選をおこなったことを「まさに党利党略ではないか」と批判しました。

 安倍政権と菅政権でおこなわれたアベノミクスについて「結果的には格差だけが広がった。富める者はますます富み、所得が低い方がどんどん増えてくる。分厚い中間層がどんどん先細りになってきた。これで日本が安定的に経営できるのか」「可処分所得、実質賃金が20年上がっておらず、むしろ下がっている」と批判し、「それを変えようではありませんか。安心して働ける、子育てもできる、社会改革をしなければ、この日本はもたない」と訴えました。

 また、「今一つ、絶対に犯してはいけないことを安倍政権は犯した」とし、国民の財産である公文書を改ざんしたことを強く非難しました。「上から目線で、国会で答弁したから、忖度して書き替えてしまう。これが森友問題。何も究明できていない。開示をしない。そんな政治を変えようではありませんか」と主張しました。

 さらに、時代が大きく変わっているとし、「いろいろな価値を持った方が増え、多様化した時代だ。お互いの違いを認め合い、共に支え合う社会に作り替えようではありませんか」と訴えました。「行き過ぎた新自由主義を戻そうではありませんか。来たるべき選挙では、何としても皆さんの手によって社会を変えようではありませんか。政治を変えようではありませんか。皆さんが動いていただければ必ず可能です」と呼びかけました。

 平野代表代行は、選挙対策の責任者として、立候補予定者を衆院過半数の233人以上擁立して選挙に臨む決意を示しました。そして、「何としても、日本を変えていくために、この社会を変えていくために、分厚い中間層をしっかり作ることによって、個人の消費を高めていこうではありませんか」と訴えて演説を終えました。

 演説会では、岡部享富山市議会議員が司会をつとめ、岡﨑信也富山県議会議員が締めくくりのあいさつをしました。