立憲民主党は14日、衆院解散後に国会内で両院議員総会を開きました。枝野幸男代表は出席した前衆院議員、参院議員に19日から始まる予定の衆院総選挙に向けて激励しました。また、次期総選挙に出馬をせずに引退する赤松広隆、荒井聰、佐々木隆博、長尾秀樹各前衆院議員に枝野代表から記念品が贈呈されました。

 枝野代表はあいさつで、前回の総選挙からの4年間について、「さまざまな紆余曲折がありました、それぞれにさまざまな壁があったと思います。しかしながら、同志のみなさんが、さまざまなその壁を乗り越えて、結集していただき、本当に久々に最大野党が100人を超える現有議席、これで政権にチャレンジできる。そして、あさっての発表で、正式に、わが党単独でも衆議院総定数の過半数233を超える候補者を擁して、政権選挙に挑んでいくことができる」と振り返りました。2012年12月から続いた安倍・菅政権が「国民の声を聞かず、官僚の皆さんに忖度(そんたく)をさせ、説明をしない、隠すごまかす、公文書すら改ざんする。まったくもって不誠実な政治を一貫して進めてこられました」と指摘。コロナ禍でも介護や保育、医療の十分な提供がままならず、1万人超の人が新型コロナウイルスにより亡くなり、症状が出ているのに入院すらできずに命を落とす人や店を閉じざる得ない人、生活が苦しく仕事を失い命を絶った人もいた状況に触れ、「私たちがここに結集して政権選択選挙を戦うのは、こうした皆さんの無念に応えるからです」と力を込めました。

 そのうえで、選挙は熱量が大事であり、いかに陣営が熱くなりその熱をどのように有権者に伝えていくことができるかが大事だと述べ、「多くの国民のみなさんが、このままでは困ると感じている。そうした皆さんがマジョリティーだと私は確信をしています。問題はわたしたちが、そうした皆さんと同じ熱い思いを持って、政治を変えようと訴えることができるか。伝えることができるかがこの選挙の結果を大きく変えてくる」と訴えました。最後に枝野代表は、「ぜひ熱くなって、私たちの熱い思いを、国民の皆さんに伝えて、ともに変えよう。変えようではありませんか。頑張っていきましょう」と呼びかけました。

 両院議員総会では、引退する前衆院議員があいさつをしました。
 大阪市会議員を12年、衆院議員を4年つとめた長尾秀樹前議員は、「議員は引退をしますけれども、党の活動の政治活動は継続いたします。日本の政治を変えるためには、わが立憲民主党の躍進がどうしても必要です」と述べました。

長尾秀樹前衆院議員

 2005年のいわゆる郵政選挙で初当選をし、民主党政権時代に農林水産副大臣や政務官を経験して農業者戸別所得補償制度を進めた佐々木隆博前議員は、「地方議員を含めると34年間議員活動を続けさせていただいてくることができました。地元の皆さま方のお力をいただいた、そして議員の仲間の皆さま方のお力をいただいた賜物でございます。当面は自分の後継であります候補をしっかりと当選をさせて、この場所に皆さま方の同志として迎えていただくことのために全力を尽くしたいと思います。『変えよう。』を実現のために全力で頑張ってまいります」と述べました。

佐々木隆博前衆院議員

 1993年に初当選をして民主党政権時に内閣府特命担当大臣(国家戦略担当・経済財政政策担当・消費者及び食品安全担当)、内閣総理大臣補佐官(国家戦略担当)を務めた荒井聰前議員は、途中で知事選に出馬したため、「25年表彰を受けることができなかったのが心残り」と冗談を交え、「ぜひ、国会に戻ってきてください」と出席者に呼びかけました。

荒井聰前衆院議員

 今回の衆院解散まで副議長をつとめ、民主党政権時に農林水産大臣をつとめた赤松広隆前議員は、県会議員を3期11年、衆院議員を10期32年の計43年の政治生活になったと紹介。「枝野立憲民主党の元で初めて、100%自分の政治の信念、政策が一致をする政党で最後終われるという喜びをいま感じております」と述べる赤松前議員は、「今度政権を担ったときには、二度と失敗をしない、あの経験を生かしながら、もっと国民の期待に応えていける、そういう政権をぜひ作ってほしい」と出席者にエールを送りました。

赤松広隆前衆院議員

 両院議員総会終了後に枝野代表は、記者団からの取材に応じました。小選挙区で候補者の一本化が進んでいることについて問われると、衆院選挙の制度そのものが一騎打ちで政権選択をすることを想定している制度だと説明し、「できる限りそういう構図を作るために最大野党として努力するということだったので、どうやら220の小選挙区くらいで一騎打ちになると見込まれていますので、そこまでこの選挙制度の前提になっている構図を作れて良かった」と答えました。
 財務次官が与野党の新型コロナウイルスの経済対策にまつわる政策論争を「バラマキ合戦のような政策論」だと雑誌に寄稿したことについて、受け止めを問われると、「一般論としては望ましいこととは思いません」と述べたうえで、「そもそも官僚の皆さんに政策決定に先立って自由に意見を述べさせた上で政治決断するというようなあるべき政官関係を壊してきた9年間。そうしたことの中で多くの官僚が忖度を強いられてきている。そうしたことの中で生じた現象なので、一般論とは分けて考えなければならない。まさにこの9年間の安倍、菅、岸田政治に対する強い批判の表れだと受け止めています」と述べました。