枝野幸男代表は衆院総選挙2日目となる20日、福島・伊達市霊前町内での街頭演説からスタート。福島1区のかねこ恵美候補の応援に駆けつけ、「1次産業のこと、障がいをお持ちだったりする厳しい立場にある皆さんのこと、人口が減っていく地域のさまざまな困難など、皆さんの地域の声を受け止めて、それを私たちに届けて国会で訴えてくれている大事な仲間。わが党は女性の中堅議員が少なく、何かと言うと蓮舫さん、辻元(清美)さんが目立つが、2人に次ぐわが党のエースが、かねこ恵美さんだと思っている。地域を分かって政策として訴えられる。堂々と小選挙区で勝たせていただき、立憲民主党だけでなく、日本の政治の中枢でもっともっと(力を)発揮してもらおう」と、支援を呼びかけました(上記写真提供=かねこ恵美事務所提供)。
■かねこ恵美(かねこ・えみ)候補
金子候補は演説のなかで、(1)農業政策(2)新型コロナウイルス感染症対策(3)福島の復興・再生――について取り上げ、農業政策については、コロナ禍で需要が減ったことで米価格が下落、農業者が厳しい状況のなか、日本、そして地域の食の安全保障が不安定となっているとして、「このような状況になったのは、いまの政府・与党の農政の失敗だ」と批判。農業者の皆さんの声を踏まえ、安定的な米価の下での所得確保に向け、国の責任による生産調整と農業者戸別補償制度の復活をさせると立憲民主党の政策を説きました。
地元福島の復興・再生については、「福島の復興はまだまだ道半ば。ふるさとの復興再生は地元の皆さんの声があってこそ進められる。でも今回のALPS(多核種除去設備)処理水の問題は、地元の意見を聞かずして基本方針が決定された」と、政府の対応を問題視。エネルギー政策については、「新しいエネルギー政策をつくり、福島では原発ゼロを明確に示していく」と強調しました。
その上で、「政治をどんどん動かしていきたい。でも(政治の)私物化があまりにも進みすぎて大切な命を自ら落としてしまった人もいるくらい。これに対し、地元の皆さんと一緒に『ノー』と言っていきたい。政治家の私物化を止めて私たちの手に政治を取り戻そうではありませんか。それを実現するための戦いが今回の選挙。とても厳しい選挙戦だが、福島での勝利することが、本当の意味での福島の再生を手に取り入れる一歩になる」と訴えました。
■枝野幸男代表
枝野代表は、「第2次安倍政権ができ、その後の菅、岸田両政権と、まもなく9年になる。この間にあなたの暮らし、地域はよくなりましたか」と切り出し、震災事故の前の暮らしを取り戻すためには、「むしろこれから、この間の復旧の道のりを超えて、政治が皆さんの暮らしを支えていかなければいけない」と力を込めました。
枝野代表はまた、原発の新規建設や汚染水処理の問題など、この間政府が進める政策については、「どこかで何とかしなければいけないのは分かるが、地域の皆さんにろくに説明もせずに、一方的に上から決めるやり方はダメではないか」と述べ、反対の声も含めて地域の皆さんからの声を聞き、それに対して丁寧に説明をおこない、一定の理解をいただけたときに、初めて(政策実行が)可能になると主張。「そのプロセスを全部省略して結論だけを押し付けるような今のやり方を私は絶対に許せない。政権を変えて、いったんこのやり方をストップさせ、一から地域の皆さん、水産業の皆さんに現状について説明していくところからプロセスを踏んでいきたい」と訴えました。
政府の新型コロナウイルス対策が迷走し続けていることについては、昨年3月に開かれた唯一の与野党党首会談の場で、10年前の東日本大震災と原発事故対応で、危機管理の先頭に立ち苦い経験と教訓を得た立場から、「悪い方、悪い方を想定して(対策をして)下さい」と安倍総理(当時)に進言したことを紹介。あわせて省庁横断的に対応していくため、指揮系統を明確にするよう求めたがまったく実現していないとして、「官房長官が情報を集約し各省庁を統制する。経験と教訓を活かしコロナ危機からわが国を乗り切らせるために使わせていただきたい。ご苦労をおかけした福島の皆さんへの私自身の責任だと思っている。常に悪い方を想定しながら、明確な指示系統で政府のなかが混乱することなく、命を守る。ご商売を守る。暮らしを守る。感染を封じ込めてリバウンドを抑え込む。やるべきあたりまえことを私にやらせてほしい」と訴えました。