枝野幸男代表は22日、参院静岡県選挙区の補欠選挙で大激戦を繰り広げている無所属で新人の山﨑しんのすけ候補(立憲民主党、国民民主党が推薦)の応援に入り、JR清水駅東口広場で開かれた「静岡ファイナル集会」で演説。静岡から日本の政治を変える狼煙を上げていこうと訴えました。

 この集会には連合の芳野友子会長、国民民主党の玉木雄一郎代表をはじめ、地元支援団体の代表らが集結。山﨑候補の勝利に向けてあと一押しの支援の輪を広げていくことを誓い合いました。

 枝野代表は「今の日本の社会がこのままでいいのかどうか、この流れを続けていっていいのかどうかを問う一連の選挙戦だ。この2年近くの政府のコロナ対策は、後手に回り続けてきた」と述べ、立憲民主党や国民民主党は昨年の3月にPCR検査拡充を求める法案を国会に提出、今年の3月にはコロナ禍の影響を受けた事業者らを対象に持続化給付金の再支給、生活困窮者の皆さんへの支援金10万円の再支給求める法案を、それぞれ提出したことに言及。国会が開かれているあいだの3カ月、閉会後の3カ月以上のあいだ、こうした必要な議論をせずに政府・与党が審議拒否をした結果、第5波を招き、救えたはずの命を奪ってしまったと悔しさをにじませ、「こんな政治の流れを変えなければいけない。大事な大事な一連の戦いだ」と説きました。

 株価を上げただけで働く者の実質賃金は上がらない、豊かさを一部の人たちだけに偏らせた経済政策を転換し、社会みんなで豊かさを分ち合い、支え合う社会に変えなければいけないと強調。「なんとしても変えなければいけない。その戦いの先陣を切ってくれているのがしんちゃん。本当に大変な激戦だから、今日こうして芳野会長や、玉木代表と揃って応援をさせていただいている。多くの皆さんがこのままではだめだと気づいている。だから激戦になっている。ただもう一押しが必要。あなたが感じている、『今、この国の政治まずいね』という気持ちを受け止めてしっかりと政治を変えていける、その受け皿が、この静岡にはある。山﨑しんのすけ、しんちゃんがいるじゃないですか。そのことをいかに有権者に広げていくかが、勝負を決する。静岡の皆さん、日本の政治を変えていく狼煙を上げる力を持っているのはあなたです。あなたの力が山﨑しんのすけを押し上げる。あなたの力が日本を変える。日本を立て直す。ぜひ皆さんの力をさらにお貸しいただき、一緒に日本を変えよう。まっとうな社会に変えよう。安心できる社会に変えよう」と訴えました。

 山﨑候補は、市議6年、県議9年と計15年の実績を持つ40歳。「私の政治に懸ける思いは変わらない。長年続いてきた自民党の体質、中央の論理、大企業優先の仕組み、忖度する政治を一掃したい。岸田総理に変わって一瞬期待したが、自民党は政権を取り続け、固着したしがらみを内側から取り除くのは難しい。内なる改革が難しいのであれば外から改革していく。外からの改革とは、国民の力、県民の力。私たちが頑張らないといけない。今、その変わるチャンスだ。私は中央の論理ではなく地方のフェーズに。大企業優先の論理ではなく弱者に寄り添った仕組みに。忖度する政治ではなく開かれた政治をやっていきたい。開かれた、ハートフルな、心に寄り添った政治をやっていきたい。女性や子ども、高齢者、中小零細企業の立場に立って政治をやっていきたい。これはバラマキではない。なぜなら彼らはみんな地域の消費の、生産の主役だから。アベノミクスは一部のところにはお金がいったが、私たちのところに恩恵はなかった、景気が循環していない。地域でお金を使う消費者。消費をすれば地方の税収も上がる。そうすれば、高齢者対策や福祉サービス、公共事業などにそのお金を使うことができ、選択肢が増えていく。実体経済が回る。政治が躍動する。市民目線、国民目線の政治をやっていきたい」と力強く決意を表明しました。

 「今日は静岡のしんちゃんのために東京からやってきた」と切り出した連合の芳野会長。コロナ禍で正規、非正規で言えば非正規雇用で働く人たちが、なかでも女性やひとり親、外国人労働者、アルバイトが劣悪な環境にあるとして、雇い止めや解雇になるのではないかという不安や、実際に解雇になった人たちの将来への不安などの相談が数多く寄せられていると紹介。「連合としても一つひとつの相談に向き合い、改善活動をおこなっているが、労働組合では限界がある。やっぱり政治の力が必要。そのためには静岡のしんちゃんを国政に送り出さないといけない」と、山﨑候補への支援を訴えました。

 また、連合としてジェンダーの視点を運動の柱に掲げたと話し、ジェンダー後進国の日本において政治や企業の世界への女性の参画をよりいっそう進めていく必要があると主張。「私たち女性の声を国政の場で生かしてくれると信じている」と、ジェンダー政策に理解のある山﨑候補に期待を寄せました。