枝野代表代行は26日、茨城6区から立候補している青山やまと(あおやま・やまと)候補の応援でつくば市内で街頭演説をおこないました。

■青山やまと候補

 自民党の国会議員の秘書を約3年務めた青山候補は、当時の小泉内閣で掲げられた構造改革、規制緩和がこれが全て日本をよくするという旗の元にさまざまな規制緩和がおこなわれたことについて、「労働者派遣の範囲の拡大、郵政民営化など、私はまだその頃20歳半ばの若造でしたが、アメリカ政府の要求に基づいたこんな構造改革では日本の古き良き伝統を壊すのではないか、この先日本は一体どうなるのかと、おかしいのではとの思いで民主党の旗を茨城の土浦で上げた」と語りました。

 また、県会議員を経て衆院議員選挙に挑戦して落選してからの3年間、つくばの小学校の夜の警備員のアルバイトをしていた時のことについて触れ、「たくさんの学校を回るなかで、当時の落選時代のたくさんの思い出がよみがえりました。私は本当に政治をやるべきなのか、やはり今の政治は何かおかしくないか、生活感からかけ離れていないか、いろんなことを考えました。でも、やっぱり私は、民主党という政党を育て、大きくしていきたい。そしてようやく、悔しいながらも比例復活で当選を果たしました」と当時を振り返りました。

 初当選を果たし、この4年間で本会議2回、委員会で48回質問したと語り、取り組んだ課題のうち「上水道・下水道の民営化法案」について話しました。「コンセッション方式という聞き慣れない横文字かと思いますが、簡単にいうとわれわれが毎日口にする水道水や下水道など、自治体で運営していくのには限界のある施設の老朽化の工事など、民間から力を借りようとすることです。これに関しては否定はしません。しかしフランスのパリをはじめ、各国を調べた中でも水道水の民営化は、ほとんどが、結果的に民間では採算が取れない、利用者の料金が跳ね上がるという理由でほとんどの国が公的な機関に結果戻している。なぜ日本は逆境してこんなことをするのかといろいろと調べたうちに、政府の規制改革推進会議に海外の水道企業の代表が入っていました。民営化した第1号の静岡県浜松では、受注したのは日本の企業でなく、そのフランスの企業でした。 さらには放射線物質の処理もその企業がしている。そんな企業が、われわれの毎日口にする水を請け負っていいのでしょうか。しかし管理はもちろん24時間体制のもと、寝る時間を惜しんで維持管理を実際している下請け業者は地元の企業なんです。利益だけは海外に。そんな循環が行われている。それが今の日本の政治だ」と強く批判しました。

 最後に「そんな目の前の企業の利益とか目先の利益だけを考える、そんな政治を私はかえていきたい。緊張感のある政治、まっとうな政治、信頼感のある政治をつくるためにもお力をお貸しください」と集まった聴衆に強く訴えました。

■枝野代表

 枝野代表は、青山候補の発言を受け「残念ながら、青山やまとさんがいう通り、立憲民主党はたくさんの提案をしてきましたが、与党と野党では国会での力関係があまりにも違いすぎる。例えば水際対策に関して、ワクチンが多くいきわたっているイギリスでも、感染爆発が再び起こり、さらには新しい変異株の話も出てきている。(日本では)1年半経った今も緩いまま。本当にこのままの政治を続けてもいいのでしょうか。それを実現することができたらと忸怩たる思いです。国会を開きましょうと憲法に基づいていても、一切応じません。これが今の政府なんです」と考えを示しました。

 さらに、感染拡大によって病床が足りなくなったことについて「感染爆発で病院が足りない、ベッドが足りない、そもそも最初から保健所が感染者を追いきれない。この20年で保健所の数を半分に減らしてきた政治。なにしろ拠点になるような公立病院が多いのに関わらず、病院も統廃合だ、ベッドを抑制しろと、こういうことを続けてきた政治。岸田さんになって変わるかと思ったら、変わりません。結果、いざという時に頼りにならない医療や保健所にしたのではないか」と批判しました。

 最後に、「いざという時に国民の暮らしや命を守るこうしたサービスを、効率が悪いとか、民間にやらせればいいだとか、水道も民間に売ってしまえと、とんでもない話をしてきました。効率だけを求めて、競争だ、規制緩和だ、自己責任だという政府では経済はよくならない。変えなければならない。青山さんは、この土地で生まれ、この町で育ち、誰よりも考え国会で訴え続けてきた仲間です。どうか、その青山さんを国会に送っていただきたい」と支持を求めました。