「政治とカネ、文書隠ぺいの問題、今すぐにでも解決し、皆さま一人ひとりの現場の悩み・苦しみ・涙、それらに寄り添い、その一つひとつを解決したい」。福島2区(郡山市、二本松市、本宮市、安達郡)の馬場ゆうき候補は28日木曜の夜、郡山駅前の街頭演説でこう訴えました(写真上は、駅前大通りで支援を呼びかける馬場候補)。

 馬場候補は郡山生まれの29歳。慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、三井住友信託銀行を経て、松下政経塾へ入塾(38期)。国内外で地方自治を学び、コミュニティ施設経営にまちづくりの可能性を見出し、住民の手による故郷福島の復興を実践しています。

 この日、馬場候補は街宣カーで選挙区を周りながら、午後には有田芳生副幹事長と複数の場所で街頭演説をおこないました。また、夕方には玄葉光一郎副代表が駆け付け、郡山市内で活動をおこない、夜には野田佳彦最高顧問も合流し郡山駅前で街頭演説をおこないました。

 夜の街頭演説で、松下政経塾出身の馬場候補は、松下政経塾の教育方針である「現地現場主義」は、政治の本質でもあると語り、「現場の声にどれだけ応えられるかが、私たちの使命。だからこそ、地球温暖化、雇用・景気、教育、さまざまな問題について、現場の話を聞き一つひとつの課題に対して応えていこうと死にものぐるいで努力してきた」と訴えました。
 そして、多くの人から話を聞くなか「政治とカネ、文書隠ぺいの問題、いい加減に何とかしてくれという、皆さんの心の底からの怒りを感じた」と語り、本来やるべき課題への対応をするためにも、こうした状況をまずはじめに改善しないといけないと訴えました。

 街頭演説の後、取材に応じた馬場候補は、選挙戦を振り返り「皆さんのおかげで、極めて楽しい時間を過ごさせていただいています」「声を聞いたことあるよ、見たことあるよっていう人たちが増えてきています」と語りました。
 そして、「あと2日、なんとしてでも無党派層――刺さっているのは間違いないので――。その方々が動き出せばひっくり返せる力はまだある」「今日集まってくださった方もそうですが、集まってくださった方に『広げて行こう』って思ってもらえるかどうか、その先にいる方々に『馬場ゆうきに託したい』って思ってもらえるかどうか。いまの私の最大の課題だし、乗り越えていかなければいけない」と最後まで戦い抜く姿勢を見せました。

■街頭演説での応援演説

▼玄葉光一郎副代表

 1993(平成5)年に衆院初当選した玄葉副代表は、初当選同期が野田元総理であり、野田元総理は、松下政経塾の1期生、自身は8期生、馬場候補者38期生だと紹介。
 さらに、初当選同期に岸田文雄総理、枝野幸男代表もいて、「そういう意味では、玄葉光一郎のいわば同期はみんな総理大臣になったり、野党の党首になったり、玄葉光一郎だけ何もなっていない」と語り、会場を和ませると、会場からは「これからだ」「外務大臣」といった声が上がりました。

 玄葉副代表が初めての選挙で掲げたのは、「嘘をつかない」「ごまかさない」「いばらない」であったと述べ、「私はこの姿勢を、これからももちろん続ける。そして、いまだからこそ、この姿勢が大事だなって思う」と語りました。
 そして、この4年間で公文書の書き換えや破棄がおこなわれたことに、「私たちのような民主主義の国で、それがあった。これは私たちみんなで深刻に真剣に考えなきゃいけない問題だ」と訴えました。
 さらに、初当選時、自民党系無所属であったので、自民党宏池会に入るよう加藤紘一元官房長官に誘われたものの、与野党が拮抗し、政権交代がある政治を目指したいと伝え断ったエピソードを披露。「玄葉光一郎はそのチャレンジをしたい。だから自民党に行かない選択をしてチャレンジを続けています。どうか皆さん、そういう政治にしましょうよ、政治のレベルを上げるために、政治を良くするために力を貸してください」と訴えました。

 馬場候補については、「なんでも吸収できる人物」「この男は間違いなくやると直感した」と語り、「この福島県・郡山から自分たちが育てておいて本当に良かったと心の底から思えるような、そんな政治家になります。どうか皆さんが力を貸してください」と支援を求めました。
 さらに、会場に佐藤雄平元知事もいらっしゃったこともあり、馬場候補が高校生の代表として、高校3年生の時、地元紙で知事と新春対談したことを取り上げ、「本当に縁(えにし)があります、ストーリーがあります。将来の福島の復興を任せられる男が出てきた。そして将来大きく、育ててください。一緒に頑張ります。どうか力を貸して下さい」と聴衆に重ねてお願いをしました。

▼野田佳彦最高顧問

 野田最高顧問は、今回の総選挙が異例ずくめだと語り、(1)任期満了後に投票がおこなわれるのが日本国憲法が施行されてから初めてのこと。憲政の常道に反する(2)解散から公示が5日間、解散から投票日まで17日間というのは戦後最短――だと指摘しました。

 その上で、投票日の10月31日には、世界で最も重要な国際会議G20サミットが開かれるが、世界の首脳がみんな集まる会議に、投票日だからと日本の総理が出席しないのは国益を損ねると厳しく指摘。さらに11月にはCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)が開かれ、気候変動を巡り首脳が集まり議論するが、これにも出席するかどうかまだ分かっていないとして、日本にやる気があるのか世界が見ていると述べました。

 野田最高顧問も初当選の話になり、岸田総理と当選同期であり同い年であると語り、「どちらが老けてますか」と会場に意見を求め、和ませました。
 初当選の93年は、リクルート事件の余波があったので政治改革が1年生議員にとっては原点だと語り、安倍・菅政権で「汚れた匂いのプンプンする政治に後退してしまった」と指摘。安倍内閣の農水大臣は鶏卵業者から大臣室などで現金計500万円を受け取り、当時経産大臣で自民党の現幹事長の甘利明氏も建設業者から金銭や接待を受けていたとされていることに「表紙を変えても中身は変わらない」「真の政権交代の実現を」を訴えました。

 さらに予算をワクチン開発費にあてる割合が少ない一方、アベノマスクには多額の予算が使われているとして、「お金の使い方を間違えている」と指摘しました。

 そして、「現地現場に足を運んできっちり皆さんの声を聞いて、フットワークよく現場に行って、皆さんの声を拾い集めて、まさに地に足をついた政策を練り上げていく若い感性が必要なんです」と語り、馬場候補への支援を求めました。