枝野幸男代表は29日北海道入りし、3区の荒井ゆたか候補とともに札幌市白石区役所前での街頭演説会に参加。「政治を変える力を持っているのはあなたです」と、最終盤に向けて有権者お一人ひとりの力で支援の輪を広げてほしいと呼びかけました。

■荒井ゆたか候補

 ソフトバンク社の社長室で8年、(公財)東日本大震災復興支援財団の専務理事として5年、札幌新陽高校の校長として5年勤め、佐賀県の東明館学園の理事長として2年経営に携わってきた荒井候補。自身のたすきには、歴史と伝統あるこの地を開拓してきた先人や、父親である荒井聰前衆院議員、そして自分自身の経験が込められていると話し、これらをしっかりとつないでいきたいと決意を表明しました。

 第2次安倍政権とそれに続く、菅政権の9年間で社会や経済情勢が変わるなか、先人たちから始まり、大人たちが苦労しながら次の世代へとつないできたたすきを、いまの世代はあきらめかけているように見えると指摘。そのことにより子どもたちは苦しみ、自ら死を選んだり、居場所を失くしたり、夢をあきらめている子が増えているのではないかとの認識を示し、「こうした社会を変えて、『未来は明るい』『大人がしっかりやるから大丈夫だよ』と言っていこう。たすきをつないでいこう」と呼びかけました。

 また、「弱い者に光を当てるのが政治だ」と言い続け、走り回ってきた荒井聰前衆院議員の意志と政権交代への思い、自分自身がこれまで取り組んできた、東日本大震災の復興支援や校長、保育園の園長として人のためにやってきたことをしっかりとつないでいきたいと語りました。「私は大人が本気で挑戦する力強さ、覚悟を若い人たちにずっと見せてきた。自分自身がこれまでやってきたことを選挙でも見せていきたい」と述べ、政治を変えたいという多くの人の思いと共に選挙戦最後までこのたすきをかけて走り抜くと力を込めました。

■枝野幸男代表

 枝野代表は演説のなかで、日本経済が低迷している背景には、働く者の実質賃金が下がり続け、年収100万円、150万円でいつ仕事を失うか分からない非正規雇用で働く人が増えていること、老後や子育ての不安があるとして、「経済を成長させるためにこそ分配が大事だ」と強調。「今年はコロナの影響を受け米価が大幅に下がっている。地球温暖化の影響で獲れる魚も変わっている。1次産業の皆さんは所得が乱高下し、来年の作付けをあきらめようか、漁業を続けていくのをあきらめようか。そんな風に生活が脅かされている」と述べ、消費を伸ばすためにはまず、アベノミクスで恩恵を受けた、株で儲けた皆さんに応分の税負担をしていただくことだと説きました。

 あわせて、しっかりと財源を確保した上で、例えば介護職員や保育士、看護師など医療関係者、非正規で低賃金の公務員などが希望すれば正規雇用にし、賃金を押し上げていく、そうした政策を政治の決断で進めていくことで、正規雇用になって賃金が上がる、あるいは老後や子育ての不安が小さくなった人たちが安心して消費をすることができると主張。「われわれは消費を伸ばす具体的な対応をして日本の経済を立て直す、好循環をもたらす」「公平に支え合えば、政治や行政が互いに支え合う仕組みをしっかり担えばみんなが豊かさを実感できる社会を取り戻すことができる。だから変えよう」と力を込めました。

 荒井候補については、「これまでのさまざまな市民としての活動は、私も注目していた」と述べ、特に教育分野において、校長として学校運営に携わってきた経験を高く評価。「学校現場はいまの社会の縮図。さまざまな家庭の環境があり、子どもたちと向き合えば向き合うほど、学校現場はいまの社会で取り残されてしまっている、政治がしっかりと見ていない課題と向き合わなければいけない。子どもを生み育てることの不安の多くは、教育に対する不安。自分の子どもたちがすくすくと、それぞれの生きがいを見つけて元気に育ってもらえるか。残念ながらいまの教育は、経済的な面でも、教育の枠組みや中身の面でも応えきれていない。その最前線の現場で経験と実績を積み重ねてきた荒井ゆたか、今こそ国会に必要な力だと確信している」と期待を示しました。

 最後に、この3区は大変な激戦だと述べ、集まった聴衆に「政治を変える力を持っている、政治の主役はあなたです。一人ひとりの心ある有権者の皆さんのネットワーク、口コミで荒井ゆたかにこそ託せるんだという輪を広げてほしい。ここからの戦いが勝負を決める。皆さんの力で荒井ゆたかを国会に押し上げてほしい」と訴えました。