枝野幸男代表は29日、遊説先の北海道苫小牧市で記者団の取材に応じました。

 選挙戦最終盤の情勢について問われると「かなりの接戦を全国で展開しています。こちらから追い上げて、接戦にしているところが大変多いので、残り2日、全力を挙げて戦うことでかなり大きな成果を上げることができるのではないかと思っています。やはり選挙は残り短くなるほど、運動の熱量が必要になってきますので、さらに運動を加速させて、何とか激戦を勝ち抜きたいと思っています」「出遅れ気味だった新人等の所がかなり急激に追いついてきているという所が全国であります。このトレンドであれば、残り2日で追い越せるのではないかという所が少なからずありますので、そこを何とか取り切りたい」と話しました。

 記者との主な質疑の要旨は次の通りです。

Q.今回の北海道入りの目的、またどのようなテコ入れをするのか。世論調査を見ると党としての支持率は伸び悩んでいる状況もあるようだが、各小選挙区に対して党としてどのようなことができるのか

 いずれも追い上げて、追いついて、追い越せるのではないかという戦況だと思っています。ここまでも厳しい状況を跳ね除けて追い上げて来ているという流れがありますので、それを最後の後もう一押しということで、候補者はもちろん、陣営の皆さんを激励できれば、ここからの最後の追い込みにつながっていくのではないかという思いでまりました。そもそもこの選挙はとにかく選択肢をしっかりと示す、できるだけ一騎打ちの構造を作るということで、党としてというよりも、自民党に代わるもう一つの選択肢を明確にするという戦略でこの2年戦ってきましたので、まさにわれわれが想定した通りの展開で来ています。そんな中で今の自民党の政治を変えようという思いはかなりのマジョリティだと確信できる状況になっていますので、それを受け止めることができる力があるんだということを、各候補者として、あるいは党として残り2日、しっかり示していきたいと思っています。

Q.昨日のBSフジLIVEプライムニュースで、一見して聴くと「つみたてNISA」に課税するように聞こえるような発言があった。あの表現がどういうことだったのかという点と党としての考え方を改めて伺わせていただきたい

 われわれ申し上げているとおり、(所得税負担率の)1億円の壁という問題がある中で、富裕層の皆さん中心にして金融所得については課税を強化するという文脈の流れの中の話だと承知しています。われわれとしては中低所得者の皆さんの安心のための積み立て的性質の高いNISAについては、むしろしっかりと強化をしていきたいということを明確に党の方針として示しています。それについて課税を強化するというつもりは全くありませんし、江田代表代行も、そういうつもりで話した。ただ受け取られ方によっては、違う受け取られ方をしかねない発言だったのでということで、ご本人も訂正をしております。ここは明確にわれわれとしては、いわゆるわれわれの求めている1億円の壁の問題の金融所得課税の強化と、NISAについては逆に中低所得者の皆さんの安心のために、こちらはこちらで課税強化することなく、むしろ制度を強化するということは明確です。

Q.短期決戦だったが、選挙戦を振り返って、この点は有利だった、あるいは困難があったという点を教えてほしい

 ずっと申し上げているとおり、私は短期決戦だったと思っていません。9月の上旬からもう総選挙のつもりで、解散したつもりで走るようにと全国に指令を出しましたし、多くの陣営がその段階から走ってきましたので、むしろ通常の解散からの期間よりも、もう解散と同じつもりで走れと言っていた期間の方が今回は長いと思っています。それは非常に良かったと思っています。自民党が総裁選などをやっている間の地道な積み重ねが、実際に公示されて以降の伸びにつながっていると思っています。

Q.選挙戦の手応えは

 日に日に手応えを感じているという選挙です。特に週末を挟んで前半と後半では全く手応えが違う。かなり多くのみなさんが変えようという強い意思を示されていると実感をしています。これをどう受け止めることができるのかということで最後まで頑張りたいと思います。

Q. 北海道9区は公示直前に共産党が候補を降ろして、いわゆる野党共闘が成立したが、どう進めて行くか

 もともと、他党の皆さんとはそれぞれ比例は戦うわけで、ただ小選挙区制度という制度の前提上、できるだけ(候補者を)一本化をして一騎打ちの構図を作りたいということで申し上げてきていますので、いわゆる野党連携の話については公示の段階で一種の結論が付いている話。あとはそれぞれが、それぞれの戦い方をする、ということでお互いに納得してやっています。

Q.他党と一緒に歩くとかそういうことはあるのか

 初めからそういうことは想定していません。

Q.このままの戦術で9区も大丈夫だと思っているか

 それは地域とかさまざまな事情ありますが、党と党として共通の政策を持ち、その中でできるだけ(候補者を)一本化して、ただ選挙そのものは比例もありますので、それぞれが戦っていきます。この原則で党と党とでは整理をしています。