枝野幸男代表は29日、北海道で激戦となっている選挙区で遊説した後、東京に戻り伊藤しゅんすけ候補(23区)の応援で町田市内で街頭演説をおこないました。伊藤候補は、コロナ禍で個人や事業所が苦しんでいるのに、政府与党が国会を3カ月半も開かなかったことに対して「今の政治は本気じゃない。国民の方を向いて、本気で個人や事業者を救おうと思っていない。こういう政治を変えたい」と強く訴えました。

■伊藤俊介候補

 日本の現状について伊藤候補は、「非正規雇用者がどんどん増え、格差がどんどん広がる。貯蓄したいと思ってもできない世帯が増えている。4割が貯蓄ゼロ世帯だ。過労死も増え、依然として自殺をする方も多い。働いても所得が上がらない」と厳しい状況に憂慮を示しました。いつからこうなってしまったのか。「理由は一部の富裕層であり、大企業に優遇している税制と度重なる消費増税が皆さんの暮らし、事業所、日本経済に大きな影響をもたらした」などと述べました。

 これをどう転換していくか。伊藤候補は消費税減税の必要性を訴えました。「累次にわたり消費税を増税してきたから、日本の経済成長は止まっている。だから皆さんの所得も実質賃金が上がっていない。むしろ何十年にわたって所得は1世帯当たり100万円も下がっている。増税によって企業の6割が消費税を払えなくて滞納している。だからこそ、消費税を減税して税金をきちんと払える体力のある企業をたくさん作る。その方が経済成長につながる」と説きました。

■枝野幸男代表

 「自民党に歯が立たないと思っていた多くの選挙区で大変な激戦になっている」全国各地を応援に回っている枝野代表は、選挙情勢を聴衆の皆さんに報告しました。なぜそういう事態になっているのか。「これまでの9年のような政治が続いたらまずい。自分たちは政治から見られていない。命と暮らしを守るという政治が本来の役割を果していない。だから政治を変えなければいけない。多くの皆さんがそう感じている」と分析しました。ここで何が野党に問われているか。枝野代表は「自民党に代わるきちんとした受け皿があるかだ」と訴えました。その問いに対して立憲民主党は、この間の反省を教訓にして「きちんと経済を立ち直らせ、一人ひとりが豊かさを実感できる。多様な生き方を皆さんがそれぞれ選べる。そのための選択的夫婦別姓など、具体的に提案している。私たちは準備ができている」と訴えました。

 東京23区での戦いについて枝野代表は「皆さんのご理解とご協力のおかげで、自民党との一騎打ちの構造を造った。だから何とか、伊藤しゅんすけさんに小選挙区で勝ってもらおうと思って、初日に続いて今晩も応援に来た」と力を込めました。4年間、国会で一緒に働いてきた伊藤候補について「現職としての4年間、その前の浪人時代を含めて地域を這いつくばって、今の政治が見ていない、地域の皆さんの暮らしの足もとをしっかりと見てきた。伊藤しゅんすけの訴えはいつも軸がある。芯が通っている。国会でもその蓄積を活かして、しっかりと仕事をしてきた」と伊藤候補の取り組みを評価し、「自信を持って、伊藤しゅんすけを先頭に変えよう」と呼びかけました。