立憲民主党など会派の厚生労働部会は11日、厚生労働省に低所得世帯への特別給付金の年内支給を求める再要請を、また党の子ども・子育てプロジェクトチームと合同で、介護・障がい福祉従事者、保育士等の処遇改善を求める緊急要請をおこないました。

 「低所得世帯への特別給付金の年内支給を求める再要請」は、1人あたり10万円の給付金を支給する法案を3月1日に提出し政府に支給を要請したものの、政府は拒んできた一方で、最近になり与党が住民税非課税世帯を対象にした1世帯当たり10万円の給付を実施することで合意したとの報道を受け、これでは不十分であるとして、住民税非課税世帯のみではなく、新型コロナの影響により生活の維持が困難となっている人も含む約2,700万人を対象として、1人あたり10万円の特別給付金を年内に給付するよう求めるものです。

低所得世帯への特別給付金の年内再支給を求める再要請.pdf

 「介護・障害福祉従事者、保育士等の処遇改善を求める緊急要請」は、5月8日に衆議院に提出した「介護・障害福祉従事者人材確保法案」、6月19日に衆議院に提出した「保育士等処遇改善法案」を踏まえ、介護サービス事業所や障がい福祉サービス事業所で働く全ての職員、保育士や幼稚園教諭、放課後児童クラブの職員、児童養護施設の職員等について、1人あたり月額1万円アップすること。また、看護師の処遇改善についても早急に検討し、具体的な措置を速やかに講じることを求めるものです。

介護・障害福祉従事者、保育士等の処遇改善を求める緊急要請案.pdf

 要請後、記者団の取材に応じた長妻昭厚労部会長は、8月の生活保護の申請が前年比で10%増え、過去3番目の伸び率であること、女性と小中高生の自殺が増えていることから、こうしたことに歯止めをかけないとコロナ後の再生もままならないとの見解を示しました。
 その上で、政府の給付案が「経済対策か格差対策か非常に曖昧」だと指摘。今回の要請は、「格差困窮者の皆さんへの対策」だと位置づけました。

 処遇の改善については、厚労省から障がい福祉の職員も前向きに考える旨の発言が初めてあったことを評価。「そこも含めてまずは緊急にやっていただきたい」と述べました。

 要請に同席した議員の発言は次のとおりです(要旨・発言順)。

■岡本あき子衆院議員
 年内にしっかり支給ができるよう、そのことを望んでいる。
 報道では低所得の方、非課税世帯と限定していますが、非課税相当の世帯も非常に多い状況の中で、しっかり応えられる制度にしていただきたい。

■早稲田ゆき衆院議員
 すでに3月に低所得への特別給付金の法案を出している。
 ここまで長引かせてしまい、一切給付がなかったのは大変過酷だったと思う。1日も早く給付をしていただきたい。
 また政府案では大学生などのアルバイト収入が減少した方への給付は入っていませんので、私たちの案を取り入れていただきたい。

■堤かなめ衆院議員
 DV家庭などからは世帯ではなく、個人に給付して欲しいという声がある。世帯単位ではなく、1人あたりの給付をお願いしたい。

■横沢たかのり参院議員
 処遇改善の要請で、介護保育現場のみならず障がい福祉現場にも広げていただくとお答えがありましたので、しっかりと幅広く取り組んでいただきたいと申し上げた。

■吉田はるみ衆院議員
 格差が拡大している中で、貧困に陥る家庭が増えています。多重債務、キャッシング、これを重ねて来月本当に短期間の間に命の危険を感じるような判断をされる方もいらっしゃいます。スピーディーに給付を実現していただきたい。

■山井和則衆院議員
 処遇改善は、一般業種の平均賃金並に全て上げて欲しいというのが根本的な要望。
 緊急的には今すぐには、少なくとも1万円を平均して上げて欲しいという要望。
 5万円給付は、年内に給付がスタートするのか終わるのかを確認し、年内に終わるよう目指すということでしたが、高校生分については申請が必要など遅れてしまうのではないかと指摘させていただいた。