立憲民主党は11日、新型コロナウイルス対策本部と厚生労働部会の合同会議を国会内で開催し、新型コロナウイルス対策の進捗状況について政府からヒアリングしました。

 逢󠄀坂誠二対策本部長は「コロナ感染が一定程度収まっているので、何となく一息ついたなと思っている方は少なくないと思うが、状況はそんなものではない」との認識を示しました。「9月の時のように13万人以上も自宅で放置されるような事態は絶対避けなければいけない」と述べ、第6波への備えとして医療体制の拡充、ワクチンや治療薬等について万全の備えをしておかなければいけないと強調しました。また、事業者の状況について、昨年から今年にかけて50兆円以上無利子無担保の貸出が出ており、その返済もあるから、厳しい状況が続くとの認識を示しました。

 地元の社会福祉協議会の窓口では相談が途絶えないことを紹介し、政府が検討している給付が「本当に困っている人のところに届く内容なのかどうか考えていかなければいけない」と懸念を示しました。その他にも検査体制の充実など、対処すべき課題は山のようにあるとし、活発な議論を呼びかけました。

 長妻昭厚生労働部会長は「第6波への備えが喫緊の課題になっている」と言及し、東京大学の仲田准教授が来年2月に再感染のピークが到来し、東京で新規感染者が1日に1万人を超えると試算していることに触れ、政府の「準備が心許ないような気がしているので、われわれからも提言させていただきたい」と表明しました。

 生活保護の8月の申請が過去3番目の伸び率となり、女性と小中高生の自殺が急増していることを挙げ「ここに来て困窮の度合いが増している。いろいろな支援策の期限切れてきているので、いろいろな提言をしていきたい」と話しました。

 また、「政府与党が深刻度を今一つ掴んでないのではないかという危機感を持っている」と話し、毎週土曜の14時から新宿でおこなわれているホームレスの方々への弁当の配布と相談会の様子を役所の皆さんにもぜひ見に来て、実態把握をしてほしいと呼びかけました。

 関係省庁から(1)新型コロナ新指標など、政府の分科会での議論状況(2)政府の事業者・個人への支援の検討状況(3)PCR検査拡充に関する政府の検討状況(4)労働政策審議会での休業支援延長の了承の見送り――についてヒアリングした後、質疑をおこないました。

 厚生労働省が、日本で感染が落ち着いている要因について、専門家の中でも確たる見解は定まっていないが、行動変容やワクチン接種の進展が挙がっているとしていると回答すると、参加議員は要因が分からないうちに、水際対策を緩和していいのか判断できないのではないかとの指摘が上がりました。

 会議ではそのほかに、(1)水際対策の緩和に関して行動管理の実効性、観光客の実証実験の詳細(2)子どものいる世帯の所得制限960万円の根拠(3)PCR検査拡充の体制をいつまでに整備するのか(4)10日の労働政策審議会で休業支援金の12月末までの延長がなぜ了承されなかったのか(5)「新たなレベル分類」と緊急事態宣言の発令など新型インフルエンザ特措法との関係について(6)野党は持続化給付金再支給法案を今年3月に提出しているが、今回政府が実施する事業者支援は年内に受付を開始し1月から支給するくらい、迅速に実施すべき(7)事業者支援について、減収要件を厳しくし過ぎると受け取れない事業者が出てきてしまうので配慮すべき――等の質問、意見が上がりました。

(議題2-1)20211108 新型コロナウイルス感染症分科会.pdf
(議題2-1)水際資料.pdf
(議題2-2)【資料】経済対策指示文.pdf
(議題2-3)体外診断用医薬品の自主回収のお知らせ(クラスII).pdf
(議題2-3)20211015 政府対策本部資料.pdf
(諮問文入り)【資料3-1】 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱.pdf
【資料3-2】新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案概要.pdf