立憲民主党は21日午後、代表選挙に出馬している4候補による「候補者街頭演説会 in 北海道」を紀伊國屋書店札幌本店前でおこないました。西村ちなみ、逢坂誠二、小川淳也、泉健太の4候補者は、立候補を決意した理由や立憲民主党の再生、目指している政治などについて訴えました。

■西村ちなみ候補

 代表選出馬を決意した思いについて西村候補は、「立憲民主党が模索し続け、つくりたいと願ってきた社会像をもう一度国民の皆さんに訴えていきたい。地方の声、女性の声、草の根の声をしっかりと活かし、多様性を力に変え、理不尽を許さない社会を作りたい」と訴えました。

 飲食業や観光業、農林水産業など、多くの産業に影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症問題への対応については、「国民の命と暮らしを守るため、(政府に)『いけない』ことは『いけない』とやはり言わなくてはいけない」と強調。きちんと批判していくためにも政党の力が問われると指摘しました。

 これからの政治のあり方については、「これまで以上にもっともっと女性の皆さんが活躍していかなければどうやってこの国の経済を維持できていけるのでしょう。一人ひとりの人権に寄り添って、私は皆さんの想いにかなった理不尽を本当に解決する」「もう一度ボトムアップの政治を再起動させるために立憲民主党のリーダーとなって頑張っていきたい」と決意を表明しました。

■逢坂誠二候補

 「これまでの4年間で枝野幸男前代表ととも積み上げてきた立憲民主党の魂、精神を大事にしながらバージョンアップする。その役割を担わなければいけない」との思いから立候補を決意したと語った逢坂候補。今後は、これまでの路線を引き継ぐことに加えて、「政策のウィングを広げて今まで以上に多くの皆さん、多様な考え方をお持ちの皆さんに立憲民主党に集ってもらえるようにしたい」と意気込みを示しました。

 他候補との違いに関しては、「党のガバナンスをしっかりする。それをやれるのは私しかいない」と述べました。逢坂候補は、民主党、民進党、立憲民主党に至るまで、党をマネジメントする、統率する力が不足していたと指摘。自らには、地方自治体職員、町長としてそれぞれ11年、総理官邸と総務省でそれぞれ1年の合計24年間もの実務経験があるからだと説明しました。

 そして代表に就任したら、「まず教育にしっかり力を入れていきたい」と表明しました。調子の良くない経済、広がる教育格差、自前でワクチン開発をできない科学技術の現状など、日本社会がさまざまな危機に直面していると指摘しました。これらの解決策について「人への投資。教育をしっかりさせることがすべての問題を解決するカギだ」と説きました。

■小川淳也候補

 大学時代から中央官庁で世のため、人のために働くと決意していた小川候補は、30年前の大学4年生時に北海道庁の仲介で豊頃町の牧場で1カ月間乳しぼりをしたことを明かしました。その他にもさまざまな社会の現場に入り、そこでの「困難や苦労を少しでも背負って社会の将来を考えたい」としていた当時を振り返りました。

 中央官庁に入った小川候補は、「天下りや予算の無駄遣い、いろいろな問題に触れて、政治を立て直さなければならない」と決意し、地元の香川県に戻って以来、十数年厳しい選挙を戦ってきたと語りました。「それでも人々は私を見捨てることはなかった。いつか小川が社会を大きく変えていく可能性にかけて香川の皆さまが私を育て、今日こうして北海道の皆さまの前で訴えさせてもらっている」と語りました。

 これからの日本政治は、「コロナが収まっても、人口減、高齢化、社会保障の綻び、財政悪化、気候変動、あらゆる構造問題に立ち向かわなければいけない」と指摘。それには、「市井の間に深く入って、人々と熱く対話をし、人々の悩み、暮らしの困難、将来への希望、願いにまっすぐ答えていく」姿勢が必要だと語り、「立憲民主党を、そうした国民の思いの受け皿に何としてもしていきたい」と訴えました。

■泉健太候補

 18歳まで北海道で生まれ育った泉候補は、代表選挙の演説を故郷でできることになり、「本当に嬉しい」と率直な思いから演説を始めました。まず先の衆院選に触れ、立憲民主党を支援したり、政権選択選挙体制に協力してくれた皆さまに謝意を表明しました。ただ、結果に関しては、「大変厳しいもの」との認識を示しました。

 先の総選挙に勝てなかったことには、「反省しなければいけない。訴えてきたことは正しかった。それでも私たちは、多くの無党派、多くの国民がどう思っていたか、真摯に受け止めて再生をしていかなくてはいけない。そして立憲民主党の支持層を広げていかなくてはいけない。今のままでは政権には近づけない」と説きました。

 政権を目指して泉候補は、「立憲民主党の支持層をしっかり広げていくために、立憲民主党が本来持っている政策提案、政策立案の能力をしっかりと前面に出して、国民のために働いている。そう思ってもらえるような立憲民主党にしていきたい」と訴えました。それを実現していくため、「党内の能力を持っている人たちを活かすリーダーとして新しい立憲民主党をさらに伸ばしていきたい」と決意を示しました。