代表選挙に立候補している4人の候補者は21日、札幌市での街頭演説、討論会の後、記者会見をおこないました。質疑に先立ち、各候補者から発言がありました。

■西村ちなみ候補者

 多様性を力にし、理不尽を許さない政治を実行する、その立憲民主党の先頭に立たせていただきたいと考えて代表選挙に立候補した。私は対話を通して政策をつくり、実行する、そのことをこの間旨として取り組んできた。今年の通常国会では、超党派の議員立法をいくつか手がけさせていただいた。他方で新型コロナウイルス感染下における政府の対応の不備なども指摘しながら議論をおこなってきた。私自身、もうすぐ5歳になろうといしている子どもの子育て中でもある。生活感に即した政治を実行していくために先頭に立たせていただきたいと思っている。
 代表選挙の意見交換会でいただいたご意見などを党運営に反映させていきたい。執行部への女性、若手の登用を積極的にやっていきたい。来年の参院選をはじめとする各種選挙で女性候補者のパリテを目指していきたい。自治体議員の皆さんの党運営への参加の機会、割合が少ないので、今後さまざまな形を通じて、参画することを強化していきたい。

■逢坂誠二候補

 岸田総理と意見交換したり、岸田さんの本を読んだり、岸田さんが予算委員会で質問しているのを聞いたりすると、岸田さんは今の経済の状態は決していいものだとは思ってはいない、格差が広がっている、だから分配の政策にシフトしなければいけないようニュアンスに聞こえる。私は岸田さんが総理になったら、そういうところに政策をシフトしてくれると思っていた。ところが残念ながら、そちらへシフトしない。あれほど大きな与党でも政策を変えられないのはたぶん、既存の枠組みで、今の枠組みのままでいいと思っている人たちにたくさん支援されているからだ。せっかく総理が変わっても変えられないということだ。
 その時にやはり重要なのは、弱い野党ではだめで、強い野党がいて、少し政策を間違ったら政権交代の可能性が起こるぞという状況になっていなければいけない。そうすると、与党だってこれで本当にいいだろうかと真剣に政策判断せざるを得ない、ギリギリ考えざるを得ない状況になっていく。そういう状況をまず第一歩として作りたい。
 政策ではたくさん、いいものが出て来ている。党内には政策のエキスパートが沢山いるが、その力を発揮するためにはわれわれが、強く大きくならなければいけない。今回の代表選の論戦を通して、わが党がより強くなれる方向へと一歩でも導いていきたい。

■小川淳也候補

 北海道ならではの国会議員団、地方議会、党員・サポーター、パートナーズの皆さんの層の厚さを感じた。全国屈指の、いわゆる立憲民主党を含めた野党の支持基盤が厚い地域だということを街頭や討論会にお集まりになる方の数、層の厚さ、そしてそこから出てくるさまざまなご意見、ご質問を通して感じた。北海道での層の厚さをどうすれば全国展開できるのか、ここを起点に考えていきたい。
 野党第一党を政権の受け皿としたいという思いと同時に、対話を旨とした新しい時代にふさわしい政治文化で、さまざまな構造問題に取り組み、持続可能な社会を作るというメッセージをお伝えする努力をしたつもりだが、いろいろな反応を見ながら、これからの運動に活かしたい。 

■泉健太候補

 改めて北海道にものすごく可能性を感じたし、小さい頃から見てきた土地だが、だからこそやれることが沢山あると感じた。討論会で取り上げた石狩データセンターだけでなく、北海道新幹線2030年に向かっての開業の支援に取り組まなければいけない。エネルギーの転換についても立憲民主党としてぜひ応援していく。本州と北海道の連携線を太くしていくということも具体的に進めていけるように、経産省をはじめ、東京電力、北海道電力等とも具体的な話になっていくように協議をしていきたい。
 立憲民主党が与党と戦えているということは十分国民には伝わっていると思っている。立憲民主党の仲間たちが高い正義感を持っているということもよく分かっているのだと思う。今国民の皆さんに伝えなければいけないのは、われわれが国会で非常に建設的に法案を賛成、反対と判断し、是々非々で対応していることや政策を数多く立案して、決して反対ばかりではないということを国民の皆さまに理解をしていただくような党の情報発信をしていかなければいけないと思っている。
 そういった意味で、かつて北海道でも民主党が大きな力をいただいていた時期があるが、それくらいの支持を得られるような党の厚みを作っていくためには、この時期に党をしっかりと改革して、多くの国民の皆さまに支持していただけるような党づくりをしていかなければいけないと思っている。私の執行部では半分を女性にするということを明確に発信している。これまでも政調の中で若手を登用して、政策を作ってもらってきた実績があるので、これからも、回りが活きる、党が活きる、仲間が活きる立憲民主党を作っていきたい。

 次に記者団との質疑に移りました。
 衆院選で議席を減らした結果を踏まえ、党の足腰を強くするために何をするかとの質問に対し、逢坂候補は「有権者に直接響くことを具体的にやらなければいけない。具体的に地域の課題について立憲民主党の議員さんがこういうふうにやってくれたということを積み上げないといけない。たとえば北海道で言えば、赤潮の問題について、国会議員団が来て、そこを見て新たな対応策を引き出してくれたとか、それを地方議員と一緒にやったという実績を積み上げていく。そうしたことはがわが党には欠けているような気がする。具体的なことで実績を積み上げる。そのために地方議員と国会議員が連携をしていくということをもっとやらなければいけない」と語りました。

 小川候補は、「地域の政策課題に取り組むことはその通り。加えて、昨日の党員・協力党員・パートナーズとの意見交換会でお互いに連携したいのだという声があった。私たちはともすれば、無党派層対策に力点を置きがちになるが、社民党から合流してきて下さった地方議員の方々を見ていると、地を這っている感覚がすごくある。地方議員、その候補者を支援し、増やしていく。同時に草の根の党員・サポーター・パートナーズの皆さまとのネットワークを強化していく。それを党中央としてしっかり物心両面からサポートしていくことが必要」と話しました。

 泉候補は「普通の道民を大事にすることが大事なので、党道連や自治体議員は、日頃からいつも応援して下さる人だけでなく、あらゆる方々と対話をして、あらゆる方々から何かありませんか。という姿勢で地域の課題を聞きだしていくことだと思う。地域の課題に取り組む自治体議員に対し、党本部からの支援も必要だと思うので、私は自治体議員の役割重視ということと、研鑽の場の拡充をぜひやっていきたい」と話しました。

 西村候補は、「まずは総選挙で惜敗された方々への対応、できれば早期の公認決定と資金援助をやる必要がある。自治体議員の皆さんが党運営に参画できる体制を強化していいきたい。議員の体力がついてくるのではないかと思っている」と話しました。

 また、党員・サポーターへのアピールポイントを聞かれると、西村候補は「私は今まで国会の中で、具体的に野党の立場ではあるが、政策を提案し、実行するということに取り組んできた。法案の提出によって動かしていくということ、超党派の議員立法で法案も何本かまとめて成立をさせている。そして、生活者の1人として、皆さんの暮らしに寄り添って共感する力があるということ。3つ目に、その共感力を持って、仕事を遂行しようという責任感があるということ。私は派手なパフォーマンスや、人気取りの政策はやらずに、そうした自分の持ち味を活かして立憲民主党の新しいリーダーになりたい」と話しました。

 逢坂候補は「私は人生の中で24年間、組織の中で仕事をしてきた。組織の長をやらせていただいたし、政府に入ってから官邸、総務省でも仕事をした。だから組織を回すとか、組織の仕事の作法みたいなことは、場合によっては他の方より多少、長けているのかもしれない。民主党政権で官僚と仲が悪かったという批判があるが、私はまったく逆の対応をしていたので、それがアピールになるかなと思う」と話しました。

 小川候補は、「地方議員、あるいはその候補者に対する支援をしっかり強化していきたい。党員・サポーター・パートナーズの皆さまに対しては、対話を通して参院選挙に向けた公約づくり――本当に私たちの党であり、私たちの政策であり、私たちの政治だということを実感していただけるような党運営に努めたい。参画機会を拡大していきたい。声を聞く機会を増やしたい」と話しました。

 泉候補は「まず、年内の参院選挙選対の設置。そして、次期総選挙に向けての衆院選1次公認を年内におこなうことを約束したい。同時に、地方組織に対する支援強化。こういったことで地域が輝き、地域組織が輝く立憲民主党を作っていきたい」と話しました。

 その他に、放射性廃棄物処分場の立地、通常国会で何を取り上げるか、ネクスト・キャビネットの設置、候補者の発掘等についても質疑がおこなわれました。