立憲民主党は23日午後、代表挙に出馬している4候補による「候補者街頭演説会 in 福岡」を天神ツインビル前でおこないました。逢坂誠二、小川淳也、泉健太、西村ちなみの4候補者それぞれが目指す社会像、政策などについて力強い訴えをしました。

■逢坂誠二候補

 逢坂候補は、「私たちの暮らしは、これからもっともっと良くなる。そういう思いはありますでしょうか」と聴衆に問いかけ、「全国を歩いて多くの皆さんから話を聞いていると、残念ながらそれとは真逆の状態ではないでしょうか」と述べました。子どもたちは、家庭の所得が多いか少ないかで教育格差が生まれていて、「やる気の格差」「希望の格差」につながっている状況であり、商売をしている事業者はアベノミクスにより融資を受けやすい状況にはなったが、売上は伸びず設備投資ができない状況であることを説明しました。
 こうした日本の状況を転換するために逢坂候補は、「希望と安心のある社会。これをもう一度取り戻さなければならない。そしてそのために何が必要なのか。それは人への投資です」と訴えました。人への投資で最も大事なことが教育であり、授業料の無償化、給食費の値下げなどを民主党政権下でおこなったことに触れ、今後は大学の授業料値下げや「教育ローンではなくて、本当の意味での奨学金を作っていく」と主張しました。その他に人への投資と合わせて「みんなの心が豊かになる。相手の立場を思うことができる。そういう気持ちを膨らませるためにも文化芸術これにしっかり力を入れたい」と表明し「こういう政策を確実に実行していくためには、私たちの立憲民主党が大きく強くならなければならないのです。そのために私、逢坂誠二、この党の先頭に立ちたいその強い思いでマイクを握っております」と支援を呼びかけました。

■小川淳也候補

 小川候補は第二次安倍政権以降の政治に触れ「集団的自衛権、特定秘密保護法、そして共謀罪。ずいぶん国家の都合に流れて国民の自由や人権、そして公平公正な信頼に足る社会をおろそかにしてきたじゃありませんか」と述べました。一方で、それは自民党政権だけのせいではないと述べ、「問題は私たち野党第一党にある。野党第一党がもっとしっかりして、もっと信頼に足って、もっと魅力にあふれていれば彼らの横暴な政治を許すこともなかった」と反省の弁を述べました。
 また、安倍政権が長期化して身内びいきの政治をしてきたと述べ、「真面目に誠実に実直にやろうとした人がばかを見て、正直者がばかを見て、長いものに巻かれろ、強い者にはなびけ、大きなものに従え。そんな社会の行く末に明るく楽しく温かい日本があるはずがない。私たち野党第一党の責任において、この政治の流れを大きく変えていきたい」と強調しました。小川候補は今の日本では高齢化、少子化、人口減、社会保障のほころび、財政悪化、気候変動など多くの問題が山積していて「構造問題に本格的に取り組むべき時代を迎えている」と指摘しました。こうした問題を解決するために「何としても必要なものがたった一つある。それは信頼に足る政治であり、信用できる政治家であり、それを生み出し、選び、作り上げ、鍛え上げる、有権者の知恵と勇気が求められている。私はそういう新しい時代にふさわしい政治を徹底した対話と熱意と、そして皆様との思いの交換で、野党第一党をなんとしても政権の受け皿に、そして皆さまの希望にあふれる政治と社会を作っていく」と決意表明しました。

■泉健太候補

 泉候補は、「この立憲民主党、今は厳しいことを言えば身内で盛り上がっていてはいけないと思っています。今、私たちは改めて自らを奮い立たせるとともに外へ外へとどうやったら支援をいただけるのか。一人ひとりがそのことを考え、無党派・中道の皆さまにも受け入れられる政策をつくっていく。そして訴えをしていかなければいけません」と力を込めました。そのために、政策立案能力を全面に発揮し、疑惑追及ばかりの国会審議ではなく立憲民主党の出している経済政策、安全保障政策、環境政策などの法案を国民にしっかりアピールしたいと主張しました。例として、今日の会場の福岡県で取り組まれている、水素を活用して、エネルギー資源を化石燃料から転換をはかることや、災害対策にしっかりと予算を投じることをあげました。
 また泉候補は、「不正は許さない。そして税金の使い方を変える。そしてその税金の使い道は、まさに皆さまの生活を守るために私たち立憲民主党は使っていく。その先頭に立つという仕事をわたくし泉健太にさせていただきたい」と求めました。さらに泉候補は、「私は飛び抜けたリーダーではありませんが、多くの仲間たちを活かすことのできるリーダーだと思っています。立憲民主党には素晴らしい仲間たちがいる。その仲間たちが生きる党にこれからもしていきたい」と述べ自らへの支援を呼びかけました。

■西村ちなみ候補

 西村候補は、「私は今回の代表選挙を通して立憲民主党が本来民主主義の中軸となるべきボトムアップの政治を再スタートさせていきたい。その決意で立候補いたしました」と立候補の理由を述べました。衆院総選挙で立憲民主党が議席を減らす結果になったことに触れ、「立憲民主党は目指す社会像をこの選挙の結果によって否定されたのでしょうか。お互いさまに支え合い、いざというときは助け合っていける社会。今の自公政権が推し進める自己責任でなんでもかんでも力の強い人たちだけが勝ち上がればいいという政治を本当に有権者の皆さんは選択をされたんでしょうか」と問いかけました。さらに西村候補は、「私は違うと思います。人は生きていれば必ずどこかで手助けを必要とすることがあります。子育て、保育、介護、教育そして医療。そういった社会的なサービスを充実させることなく、何でもかんでも自分たちの力でやってくれというのであれば、政治の力なんて全く必要ないはずなんです」と訴えました。
 また、コロナ禍で仕事がなくなってしまった人、ひとり親家庭で生活に困窮し食事の回数を減らしている人、外国人技能実習生、さらに収容所で亡くなったウィシュマさんや公文書の改ざんを命じられたことをきっかけに命を落とした公務員のこと等に触れ、「どうしてこんな理不尽なことが、今の日本の政治の中でまかり通っているのか。私は本当に悔しくてなりません。一人ひとりの思い、理不尽なこと、それを助けていきたい。私はなくしていきたい。そのためにもう一度、立憲民主党は原点に立ち返って、ボトムアップの政治、地方の声、女性の声、草の根の声、これを結集して、そしてその多様性を力に変えて、私はこの党のリーダーとして日本の政治を変えていきたい」などと訴えました。