全国20の指定都市が抱える行財政の課題について指定都市市議会議員と国会議員が議論する「指定都市行財政問題懇談会」が24日午後に国会内で開催され、立憲民主党に所属する20指定都市の市議会議員と、枝野幸男前代表をはじめ指定都市選出の衆参国会議員19人が参加しました。

 指定都市を代表して、松原淳二札幌市議が政令指定都市共通の要望書を手交した後、「指定都市では、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、社会経済情勢の変化に伴い、財政需要は増加の一途にある中で、各市とも徹底した行財政改革に取り組んでいながらも、今後の財政運営は極めて厳しい状況に置かれている。指定都市は、圏域における中枢都市として、日本を牽引するエンジンとなり、日本経済の持続的な成長と地方創生、デジタル社会の実現やSDGsの達成に向けて、先導的な役割を果たすことが不可欠である。そのため、国・都道府県・市町村の役割分担や事務権限を明確にした上で、適切な財源が措置される必要がある。真に地方が自主的かつ安定的な財政運営が行おこなえるよう、地方税財源の拡充強化を推進し、新たな時代にふさわしい大都市税財政制度を確立していくことが肝要であり、今後の大都市税財政制度の拡充について、格段の配慮をお願いしたい」とあいさつしました。

 出席した国会議員を代表して、枝野幸男前代表が「政令市議の皆さんには、地域で支えていただいたこと、また総選挙のご奮闘にお礼を申し上げたい。さいたま市選出国会議員でもあり、政令指定都市の特有の課題、難しさについて十分聞かせていただいている。党を挙げてしっかりとご要請を受け止め、いかに実現するかをやっていきたい。国会と各自治体の仲間とがいかに連携して戦える政党に伸びていくのかが課題だ。どういう体制になっても、国会議員がいない地域の声もしっかり受け止めていかなければならない。しっかり一体となって頑張っていこう」とあいさつしました。

 指定都市の「大都市財政の実態に即応する財政に拡充についての要望」について説明があった後、意見交換をおこないました。指定都市議員と国会議員との懇談では、(1)大都市制度のあり方についての議論の推進(2)民間が開発した人工崖対策の助成制度の創設(3)基幹税である固定資産税の軽減措置の見直し(4)校舎増築におけるリース方式への国庫補助の適用(5)国庫補助単価と実勢価格の乖離の是正(6)生活保護や自立支援制度の見直し、特に見えにくい女性のホームレス支援(7)ヤングケアラー支援の強化(8)公共施設等適正管理推進事業債の恒久化と公用施設への対象拡大(9)創薬規制の緩和(10)要介護認定の適正化(11)教員の定数改善、スクールカウンセラーの標準的職としての確立と配置への支援(12)地域公共交通への支援強化(13)除排雪費用対策の強化(14)ギガスクール構想に関するタブレットの更新費用の確保や家庭における通信費への支援の拡大――などのテーマについて意見交換しました。

大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望(令和4年度).pdf

【訂正表】大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望.pdf