衆院予算委員会で13日、2021(令和3)年度補正予算の基本的質疑が行われ、立憲民主党の4番手として石川香織議員が質疑に立ちました。石川議員は、(1)規制改革推進会議での1次産業の捉え方(2)北海道で発生した赤潮、強風被害への支援(3)燃油価格高騰への対応(4)食料の低自給率とフードロスに見られるミスマッチ(5)生乳生産――等について質問しました。

 石川議員は、地元の十勝沿岸で発生した赤潮により、ウニやサケなどの水産物への被害が82億円に及び、今後も影響が続くと予想されるとし、「浜の皆さんは近年不漁に悩まされていたところコロナが発生し、さらに赤潮が発生してトリプルパンチ状態」と訴えました。その上で、不漁が続いているため漁業共済の補償額を算定するベースの収入自体が低くなっていること、補正予算に盛り込まれた赤潮対策緊急支援事業(国15億円、地方と合わせて総額21億円)は「被害のスケールからして少なすぎる」ことを指摘しました。これに対し金子原二郎農林水産大臣は「これから原因を徹底的に究明する。漁業共済(の算定の仕方についても)検討していかなければならない」と理解を示しました。

 また、11月30日から低気圧の影響で北海道各地で発生した強風により、ビニールハウス、畜舎、住宅等への被害について、本格的な降雪の前に修繕が必要だと訴え、被災した自治体への特別交付税措置を求めました。金子恭之総務大臣は、被害の応急・復事業にかかる費用の実情を丁寧に聞き取りした上で、「特別交付税措置を講じること等により、被災自治体の財政運営に支障が生じないよう適切に対応する」と答弁しました。

 石川議員は、これら自然災害は気候変動が主な原因だと話し、カナダ等では気候変動担当大臣を設けていることを紹介し、日本でも専門に取り組む大臣を置くべきだと提案しました。岸田総理は、「新自由主義的な政策に基づく資本主義の弊害の一つとして、格差の問題とあわせて、資本主義自体が自然環境に負荷をかけすぎてしまった結果として気候変動問題が大きな問題としてクローズアップしてきた」と述べましたが、新大臣は置かずに「環境大臣にしっかり取り組んでもらう」と答えました。

 燃料価格高騰対策について、政府が実施するガソリン価格が1リットル170円を超えた分について石油元売り会社に最大5円補填し、小売価格の上昇が抑制されたかモニタリングする制度について強制力がなく、小売価格に反映されるとは限らないと指摘し、立憲民主党が提出した「トリガー条項発動法案」を採用すべきだと主張しました。萩生田光一経済産業大臣は、「トリガー条項を発動することも消費者にとっては安定的にガソリン価格が下がるというメリットもあるので否定するものではない」としつつも、法改正では2月以降の施行になってしまうので、年末年始を見渡せる制度にしたと説明しました。