衆院本会議で15日、令和3(2021)年度補正予算の採決が行なわれ、それに先立ち立憲民主党・無所属会派を代表して道下大樹議員が反対討論を行いました。
道下議員は冒頭、国土交通省が建設業の受注実態を表す国の基幹統計の調査において、建設業者から提出された受注実績データを8年前から無断で書き換えていた問題を「言語道断」と非難し、令和4(2022)年度予算案の審議前に、この事案について集中審議することを強く求めました。
立憲民主党は今年6月には新型コロナ対策を内容とする33兆円規模の補正予算案を発表し、通常国会を延長してただちに補正予算編成を行うべきだと声を上げたものの、与党がそれを拒否し国会を閉じてしまった結果、夏の五輪期間前後に感染第5波が生じたと振り返りました。そして、野党の憲法53条に基づく臨時国会の召集要求を拒否し続けたことは「明らかに憲法違反」だと改めて主張し、政府が立憲民主党の提案から約半年後、ようやく12月になり補正予算案を国会提出したのは「あまりにも遅すぎる対応」だったと批判しました。
その上で、「政府案を精査すると疑問な点が見受けられる」と指摘し、18歳以下への10万円給付、マイナンバーカードの普及促進事業、事業復活支援金等の問題点を改めて説明しました。
また、コロナ禍で必要不可欠な予算が欠けているとし、立憲民主党が求めてきた(1)収入の減った医療機関や介護施設に対する抜本的な経営支援策(2)観光関連産業への支援――を挙げ、政府の補正予算では「国民の命・暮らし・経済は守れない」と改めて訴えました。
立憲民主党は、予算委員会で新型コロナ対策として必要と考える経費を追加支出すべく、補正予算の編成替え動議を提出し、(1)病床・療養施設の確保や医療機関等への経済的支援、検査の拡充など命を守る予算として3兆円(2)生活困窮者や学生支援など暮らしを守る予算として3.5兆円(3)持続化給付金や雇用調整助成金特例の拡充、交通機関や観光産業・文化芸術支援、政府備蓄米買い入れ枠拡充など事業を守る予算として6.8兆円――を盛り込み、マイナポイント事業や辺野古基地建設費用など不要な予算や、補正予算としてなじまない項目を撤回するものだと紹介しました。
道下議員は、その編成替え動議を自民党など与党の無理解によって否決されてしまったことは「極めて残念」と述べ、政府案に反対するよう呼びかけて討論を終えました。
各会派の討論の後、採決が行なわれ、与党等の賛成多数により政府提出の補正予算案が可決されました。