西村智奈美幹事長は12日、定例の記者会見を国会内で開き、(1)文書交通費の国庫返納(2)新型コロナウイルス感染症対策(3)Choose Life Project(以下CLP)への立憲民主党の支援――等について発言しました。
西村幹事長は冒頭、昨年10月の総選挙後に支給された文書通信交通滞在費については、昨年12月の臨時国会で法案を提出し、12月28日の常任幹事会(常幹)で当該資金を党本部でプールすることを確認したことを受け、本日の常幹で党所属国会議員の歳費から国庫返納に向けて資金の引き去りをすることを決定したと述べました。
1月9日からまん延防止等重点措置が適用された広島、山口、沖縄の3県をはじめ、オミクロン株の感染が急拡大している新型コロナウイルス感染症対策をめぐっては、地方組織や党所属議員等に対して万全を期した行動をとること、緊張感のある対応に努めること等、要請したと報告。
その上で、オミクロン株の特性に合わせて早め早めの対応を講じていく必要があると指摘。ワクチンの3回目接種の前倒しに向け、自治体へ明確なワクチン供給スケジュールの提示、コロナ対策に関する政府・与野党連絡協議会の設置・再開を政府に求めました。
CLPへの立憲民主党の支援については、泉健太代表の指示のもと旧立憲民主党の会計に関する決裁資料の確認や、福山哲郎前幹事長および事務局への聞き取り調査を行ったとして、以下のとおり報告しました。
「広告代理店および制作会社を通じて2020年3月から8月までの分として4回の請求が党にあり、同年8月から10月にかけて合計1500万8270円の支払いが立憲民主党から広告代理店に対しなされていた。
最後の支払いは広告代理店から9月1日の請求であり、10月9日に支払いがなされている。旧立憲民主党が9月に解党されているので、この請求については新立憲民主党から福山前幹事長の決裁で支払いが行われていた。実際の支援は、2020年3月に支援が開始され、その後CLPが7月に法人化して公共のメディアを作る、クラウドファンディングを開始するとなったことから、協議の上同年9月をもって党からの支援は終了。クラウドファンディングは、検討から実施まで含めて党として一切関与していない」。
支援を行った経緯については、これまでの福山前幹事長やCLP共同代表の佐治洋さんがすでにコメントしているものと同内容であることを確認したと述べ、「ネット配信の内容や出演者等、番組編成に関して党が影響を与える意図はなく、実際に一切番組内容等に関する要求は行っていないことは確認した」と改めて強調。「上記の内容を踏まえ、現執行部としては、本件の支出は違法なものではないものの、公党として3つの観点から適切ではなかったと考えている」と表明しました。
〇特定のメディアに公党が資金を提供したにもかかわらず、そのことを公表せず、その出所を隠していたのではないかとの疑念を持たれるものであったこと
〇そもそも特定のメディアに党が資金を支援することそのものが適切であるか議論があること
〇立憲民主党、CLPの両者において、公党からの支援が適切なものであるのかについて、支援の開始がなされたとき、あるいはCLPが公共のメディアを作るとした理念をまとめた際など、その妥当性について組織として議論、検討した形跡がないこと。
西村幹事長は、「以上によりCLPに関わったジャーナリストの方々をはじめ、多くの方々、国民の皆さまに疑念を与える結果になったと認識している。この点については反省すべきことだと存じている。今後は、支出の妥当性などのチェック体制を組織として確実に実施するとともに、党内ガバナンス機能の点検を行っていく。資金の使途だけでなく、メディアとの適切な距離感を保ち、国民の皆さまに疑念を抱かれることのないように努めて、類似の事案が発生しないようにする」と述べました。
質疑応答では、記者から他に類似の支出がなかったかとの質問があり、西村幹事長は「泉体制になってからは存在していない。その前の体制で類似の支出があったかどうかについて、あったという調査結果は出ていない」とコメント。。「メディアと政党、政治団体との関係はどのようなものが適切なのか、もう少し議論が必要ではないか」との認識を示しました。