「国民の声を幅広く聞くという意味がある。これまでも、さまざまな支援制度が政府・与野党連絡協議会を通じて実現されてきた。与野党の政調会長同士では設置に合意しており、速やかな実施を求めたい」(泉健太代表)。

 泉健太代表は14日、国会内で定例の記者会見を行いました。

■オミクロン株の感染急拡大について

 オミクロン株の感染が首都圏や大阪、沖縄を筆頭に全国各地に広がりつつあるなか、昨日の厚生労働委員会理事会等で政府に対し、(1)医療従事者の業務継続に関する通知の周知徹底(日々検査を行い、陰性であることなどを前提に業務をしていただく)(2)コロナ治療薬のモルヌピラビルの医療機関への提供(3)ワクチンのブースター接種の前倒し――などの要請を行っていると述べました。
 さらに、立憲民主党が再開を与党に求めている、政府・与野党連絡協議会の設置・再開については「国民の声を幅広く聞くという意味がある。これまでも家賃支援給付金など、さまざまな支援制度が政府・与野党連絡協議会を通じて実現されてきた。自民党の国対が難色を示していると聞いたが、与野党の政調会長同士では設置にすでに合意しており、速やかな実施を求めたい」と語りました。

■文書交通費問題について

 国会議員のいわゆる文書交通費(文書通信交通滞在費)の見直しについては、「自民党からも改正の提案があったということだが、わが党はすでに3点セットを含む改正法案(※)を国会提出しており、この実現がわが党の基本方針だ。政治活動そのものの考え方、どんな支出が本来適切なのかも含めた議論を行う『協議の場』の設置が必要。全体的な議論を行う協議の場を早く設置し、議論を加速させていきたい」と述べました。
 ※文書交通費の日割り化・国庫返納・使途公開などを義務化する歳費法改正案

■衆院選における各県の議席割り振り(いわゆる10増10減案)について

 衆院小選挙区について、最新の国勢調査の結果を元に、東京など5都県で合わせて10選挙区を増やす一方で、10県で1議席ずつ減じる、いわゆる「10増10減」案について「混ぜ返すような自民党の議論はやめていただきたい」「国会議員の定数がいずれ都市部ばかりが多くなってしまう問題はあると思うが、10増10減はすでに既定路線」「余計な議論にならぬよう進めていっていただきたい」と述べました。

■日本学術会議会員の任命問題について

 今週、岸田総理が日本学術会議の梶田隆章会長と面会した際、菅義偉政権時代に任命されなかった会員候補6人の再任命を断った件については、「菅前総理が任命を拒絶したことは、手続きの意味からしても非常に無理があったと考えている。また、委員6人を欠いている状態は違法であるとも考えているので、改善を求めていきたい」と語りました。

■通常国会のテーマについて

 来週から始まる通常国会のテーマについて記者団から問われると、「当面の課題では、国土交通省が『建設工事受注動態統計調査』を改ざんしていた問題が挙げられる。改ざんをした上に虚偽の説明をした疑惑も出てきている。統計の信頼を回復する必要があるので、この事実関係をしっかり究明をしていきたい」と語りました。
 この他、財務省の決裁文書改ざんを苦に2018年に自殺した財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さんの遺族が、国などに損害賠償を求めた訴訟、国会議員の文書交通費などを挙げました。

 新型コロナウイルス感染症が広がる中、与党が通常国会でも感染症法の改正を見送ると報じられていことについて問われると「各地方自治体は病床数や医療従事者の確保の問題を抱えているが、法案提出を見送るということは『改善点はなし』という意思表示にもなりうる。次の変異株の可能性もあり積極的に改正案を出していくべきだ」との見解を示しました。

 また名古屋出入国在留管理局の施設でスリランカ人女性が亡くなった事件で、問題となった出入国管理法(入管法)の改正を与党が見送る公算であることについても、問題ではないかと指摘した上で「真の多文化共生社会を目指す必要があり、たとえ法案が提出されなくても、あらゆる場を通じ問いただしていきたい」と述べました。