衆院予算委員会で7日、2022年度総予算案の集中審議(新型コロナウイルス感染症対策等内外の諸課題)が行われ、立憲民主党・無所属の2番手として大串博志議員が質問に立ち、(1)3回目の追加接種の時期(2)在日米軍の検査状況の把握時期と検査体制について――などについて質問しました。

■3回目の追加接種の時期

 大串議員は、岸田総理が3回目のワクチン接種について、2月のできるだけ早い段階で1日100万回の接種を達成できるよう表明したことについてただしました。1日100万回の接種が行える具体的な時期について岸田総理は、「2月後半、職域接種等も始まるなかで達成できる数字」と答弁しました。

 大串議員は、3回目の追加接種の時期について、2回目から7カ月間隔を空けることから逆算し、2月末には一般高齢者を中心に約3746万人が対象になると厚労省の資料を元に説明。2月後半に1日100万回接種の体制を整える状況で、「どれだけの方に2月中に打っていただきたいと思っているのか」とただしました。

 岸田総理は、自治体に接種券発送の前倒しを依頼しているとして、「より多くの方々により早く接種をお願いする」と答えました。

 大串議員は、「いつになったら100万回になるのかも分からない」「本当であれば3700万人以上の方々が2月中に打てるにもかかわらず、どれだけの人が打てるのかの目標もない」と厳しく指摘しました。

■在日米軍の検査状況の把握時期と検査体制について

【在日米軍の検査状況の把握時期】

 日本政府が、在日米軍の出入国時の検査取りやめなど、米国側が規制緩和を行ったことについて把握した時期を巡り、米側はメールで通知をし、日本側は受けた認識がないとのことから、どのような状況になっているかを林芳正外務大臣にただしました。

 林大臣は、「両者の認識に齟齬があったことを踏まえて今後はそうした状況が生じないように検疫・保健分科委員会の場を含めて、より一層緊密に連携していくことで米側と一致した」と答弁。

 どのような齟齬があったのか更に問うと、「外交上のやり取りであることから、公開は差し控えたい」「説明責任を果たす観点から内容について先程可能な限り答弁させていただいた」と述べました。

 大串議員は、「国民にも説明責任がある」と指摘。「認識の齟齬(そご)で片付けるのは甘い」として、委員長に認識の齟齬(そご)が何であったか文書で提出するよう求めました。

【在日米軍の出入国時の検査体制】

 現在、日本への入国・帰国時の陰性証明としてPCR検査や抗原定量検査が必要であり、抗原定性検査は認められていませんが、米軍の入国時の検査はどうか林外務大臣にただしました。

 林大臣は、「(米側から)米国疾病予防管理センター(CDC)及び、米国防省の指針に則ったもので、いずれの指針でも抗原定性検査のみとなっているとの回答があった」「検疫・保健分科委員会において、日米双方の保健当局も参加する形でさらに議論を深めていく考え」と述べました。

 大串議員は、岸田総理に日米首脳オンライン会議で米国側に抗議や遺憾の意を示したかをただすと、岸田総理は、米軍側は外出禁止等の制限をしていることを挙げ、「ともに大きな方向性においては整合性を保って安心を確保しようと申し上げている」と述べ、正面からの答弁は避けました。

 大串議員は「かくの如く岸田政権のオミクロン株対応は極めて手ぬるい」と厳しく指摘し、質問を終えました。