立憲民主党つながる本部(本部長・泉健太代表)は16日、「2022年度(令和4年度)NPO関連予算公開ヒアリング」の昼休み企画として、パネルディスカッション「NPOとパートナーシップ ―これからの”新しい公共”を考える―」を開催しました。司会進行は宮沢由佳参院議員がつとめました。
 来年3月でNPO法制定から25周年を迎える中、市民活動の果たした役割と残した課題は何か。そして、社会が急速に変化し社会課題解決の担い手が多様化する中で、NPO、企業、行政、財団、協同組合、地縁団体、個人有志等が、どう連携し市民社会を作っていくのかについて、パネリストそれぞれの立場から発言し議論を深めました。

 パネリストは、国会議員としてNPO法制定に尽力した辻󠄀元清美参院比例総支部長、主に岡山市と連携してNPO活動を展開している岡山NPOセンター代表理事の石原達也さん、コーディネーターに社会起業家の支援等をしてきた株式会社エンパブリック代表取締役の広石拓司さん、司会はつながる本部副本部長の宮沢由佳参院議員がつとめました。

 辻󠄀元総支部長は、NPO法の成立を第1期、東日本大震災後にNPOへの税制優遇を実現したことが第2期、そして休眠預金を使いNPOを財政的に支援するようにしたのが第3期だと、NPOへの支援の歴史を説明しました。課題として、「まだまだ小さい団体が多い。財政的な部分をどうすればいいか」と指摘し、「NPOに対して、自治体の対応が上から目線があったりする」等と述べました。

 一方で石原さんは「岡山市では一緒に共同の条例を提案し、改正をいたしまして、岡山市役所の中にうちの職員が常駐している状態。一緒に政策を作っていこうということになっている」と行政とNPOが協調してさまざまな事業を行っていることを紹介しました。最近のNPOの課題として、「制度を越えて考えたりつながっていく発想を持っている人が、もしかしたらちょっと減っているのかもしれない。小さな組織も大きな組織も連帯することが必要だと思っていて、一個の組織では限られているので多くの組織で連帯してやっていく。変えていくのが必要だけど、そこはまだまだ弱い」とあげました。

 辻󠄀元総支部長は、「NPOは女性の参画率が高い」と述べ、「特に若い女性たちが新しいNPOを立ち上げて、事業としても成立させる特徴があるので、私はそういうところにも注目してる」と期待をしました。これを受け広石さんは、「女性がリーダーシップを取り、ごく自然で対等な議論ができているのは企業セクターも見習わないといけない」と指摘。辻󠄀元総支部長は「政治が見習わないとあかん」と返しました。

 最後に石原さんは、「NPOが東京にいないといけない考えは変えてもいい。地域から変える世の中になればいい」と述べました。辻󠄀元総支部長は、「一つ一つの課題はそれぞれ違っていても、そこに参画する人たちの可能性を引き出して、解決する側と解決をされる側の区切りではなく、一緒に作り上げていくことができればいいなと思います」と述べました。広石さんは、「人々が思っていること、困っている人を助けたいとか、これが必要とか、自分らしく生きたいとか、社会にあるいろいろな思いを言葉にして、形にして作っていくことがこれからもどんどんできていけば良い」と期待を込めました。宮沢議員は、「政治も行政もパートナーとして何をしたらいいのか、しっかり考えないといけない」と締めくくりました。

司会を務めた宮沢由佳議員