多様性を尊重し、障がいのある子どももない子どもも、すべての子どもを同じ場所で隔てなく教育するインクルーシブ教育という考え方があります。
横須賀市選出の野田はるみ・神奈川県議会議員が、地元の取り組みを視察しました(写真上は、左から柳瀬、望月両県議、支援学校の西垣昌欣校長、野田県議)。
■筑波大学付属久里浜特別支援学校を視察
知的障がいを伴う自閉症の子どもたちに対して、幼稚園と小学校に準ずる教育を行う筑波大学付属久里浜特別支援学校を15日に視察しました。
この学校は国内外からも視察される先進的な取り組みを行う学校。一人ひとりの良さや可能性を伸ばし、自立し社会参加するための基礎を培うため、個々の子どもの多様な実態に応じ適切な指導を行い、それぞれの持っている可能性を最大限に伸長することを教育の基本としています。
約50名の子どもたちが在学していますが、その子どもたちの障がいの状態及び発達段階、特性などは多様です。(1)人との信頼関係を育み、コミュニケーション能力の向上を図ること、(2)生活全体を通して、自分の好きなこと、やりたいこと、自分のできることを増やし、意欲的、主体的に取り組む中で達成感や満足感を味わうこと、(3)基本的な日常生活動作の獲得を図ること――などを狙いとして、指導に当たっているそうです。
少子高齢化などにより学校の統合や縮小などが進み、支援学校のあり方も問われているなか、発達障がいの子どもたちは増加傾向にあります。2次的障がいとしての強度行動障がいの症状も「早期対応で抑えられる」と西垣校長から説明があり、改めて幼児期の対応は重要と感じました。
発達障がいの幼少期のサインとしては目を合わせない、指差しをしない、微笑み返さない、後追いがみられない、他の子どもに関心を示さない、言葉の発達が遅い、こだわりが強い――といった様子がみられます。また、保育所や幼稚園に入り、一人遊びが多く集団活動が苦手なことや、かんしゃくを起こすことが多いことで気づくこともあります。
横須賀市は中核市でありながら障がいのある子どもの施設が少なく、また、全国的にも幼稚部のある特別支援学校が少ないのが現実です。
幼児期という人生のはじめの一歩が、子どもたちにとってかけがえのないものとなるよう、生活環境を整えることは重要と考えます。
■sukasuka-ippo(すかすか いっぽ)
2021年4月に新しくスタートした事業インクルーシブ一時預かり保育事業に関するお話も伺いました。(関連URL:https://sukasuka-nursery.com/ )
代表の五本木さんは「自分たちが足りないと思うこと、欲しいと思うものを自分たちで作り上げていく」と語り、「わたしたちのまちで生きる』を実現するため、夢を1つずつ叶える熱い思いを伺いました。
日本でもインクルーシブ教育の実現に向け、さまざまな取り組みは進んでいますが、まだまだ十分とは言えません。今回の視察では、幼保小中の連携と地域支援の協力・連絡体制の充実が重要と感じました。
少子高齢化とは言え、発達障がいの子どもは増加傾向にあります。今後も現場や当事者の方の声を聞き、県政へと活かしてまいります。