立憲民主党は21日、令和4年度予算政府案に対する組み替え動議を提出しました。立憲民主党がこだわり、政府に提案した主なポイントについて以下ご案内します。

組み替えを求める理由

 令和4年度予算の編成にあたっては、オミクロン株をはじめとする新型コロナウイルス感染症の感染急拡大による「第6波」到来を踏まえ、感染拡大防止のための予算、そしてコロナ禍で困難な状況にある国民の暮らしと事業を守るための予算を十分に措置すべきである。しかしながら、政府の予算案では、「16か月予算」として一体と考えている令和3年度補正予算を含めても、そうした予算が十分に確保されているとは言い難い。

 また、コロナ対策関連以外の予算についても、ベーシック・サービスの充実、地球環境問題の解決、統計不正の防止など、持続可能な社会の実現に向けたさまざま々な課題に対して、必要な予算が十分に確保されているとは言えない。

 一方で、早急に執行すべき感染拡大防止策、暮らしや事業への支援策があるなかで、5兆円の新型コロナウイルス感染症対策予備費は過大である。また、消費税を財源とした病床削減・病院統合や、普天間飛行場の辺野古移設など、我々の政策や考え方と相容れない予算は削減すべきである。

 こうした認識の下、われわれは、令和4年度予算政府案について、下記の通り組み替え動議を提案する。

政府への提案 令和4年度予算組み換え案

(1)感染拡大防止、国民の暮らしと事業を守るための予算:11.6兆円
(2)持続可能な社会の実現に向けた予算:5.1兆円
(3)令和4年度予算から削減すべき予算:-6兆円
※トリガー条項の発動(3か月間)による揮発油税の減収:-約0.3兆円

提案1 感染拡大防止、国民の暮らしと事業を守るための予算 +11.6兆円

●感染拡大防止、万全な医療提供体制の確立に向けた取り組みの強化
(無料検査の実施/収入の減った医療機関や介護施設への経済的支援など)
新型コロナの治療薬の開発支援の拡充

●コロナ禍で困難な状況にある国民の暮らしを守る
(離婚世帯等への10万円の子ども給付金の支給/アルバイト収入が減少した学生等への生活支援など)
新型コロナの影響で減収した「ワーキングプア」の方々への給付金支給/トリガー条項の発動、灯油・重油の購入費補助など原油価格高騰対策の実施

●コロナ禍で困難な状況にある国民の事業を守る
(事業復活支援金の拡充/文化・芸術への支援など)
観光産業事業継続支援金の創設・支給/地域公共交通への支援/国民の食と生活環境を守る農業者個別所得補償制度の復活・拡充

提案2 持続可能な社会の実現に向けた予算 +5.1兆円

●ベーシック・サービスの充実、安定的な提供
●地球環境問題の解決に向けた取り組みの強化
●震災復興、災害対策の充実
●持続可能な地方の実現
●消費者行政の抜本的強化
●政策の前提となる統計の正確性確保

提案3 令和4年度予算から削減すべき予算 -約6兆円

●新型コロナウイルス感染症対策予備費の一部削減
●年度内に支出される見込みのない公共事業関係費の削減
●病床機能再編(病床削減・病院統合)支援事業の中止
●普天間飛行場の辺野古移設に係る予算の削減
●カジノ管理委員会に係る予算の削減
●令和4年度末までにほぼ全国民に行き渡らせるという過大な目標に基づくマイナンバーカード発行経費の是正