立憲民主党は3月1日、「子ども総合基本法案(正式名称:子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案)」を衆院に提出しました。本法案は政府の「こども家庭庁設置関連法案」との並行審議を目指しています。

 提出後の記者会見で、子ども・子育てPTの座長の城井崇衆院議員は、「昨年5月に提出した子ども総合基本法案を大きくバージョンアップした。チルドレン・ファーストを形にするべく、子ども政策の充実、それを担う組織について、ワンパッケージで提案するため改めて提出した」と述べました。法案のポイントとして(1)子ども関係予算の倍増、(2)子どもの権利を擁護するための独立機関である子どもの権利擁護委員会「子どもコミッショナー」の設置、(3)子どもの意見表明権の確保、(4)子どもの貧困対策――等を法案に明記したと説明しました。子ども政策を一元的に担う新組織名を立憲民主党は「子ども省」としたことにもふれ、「内閣府、文部科学省、厚生労働省が、0歳~18歳までに関わる事務分掌について一本化を進め、幼稚園、保育園、認定こども園などを一つの組織で所管することを目指す」と表明しました。

 厚生労働部会長である山井和則衆院議員は政府案には欠陥があるとして、第一として「子どもの予算を増やすことが政府案に明記されてない点で、子ども家庭庁を作っても、子ども関連予算が増えないのであれば、子どもの幸せを増進することはできない」と問題視しました。立憲民主党案では、児童手当(月1万円)を高校3年生まで延長することを盛り込んだことを説明し、「何が何でも、与党とも協力して実現をさせたい」と述べました。

  さらに前子ども・子育てPT座長である大西健介衆院議員は「旧民主党時代である2006年から子ども政策を一元的に担う組織、子どもの権利を擁護する機関(子どもコミッショナー)の設置について必要性を訴えてきた。また政府与党は子ども政策を一元的に担うこども家庭庁と言いながら幼稚園さえ文科省から移管することができなかった。立憲民主党が子ども子育て政策、チルドレン・ファーストの元祖であり、子ども政策を国会で堂々と議論していきたい」と述べました。 

 法案提出者の牧義夫、菊田真紀子、森山浩行、道下大樹、早稲田ゆき、岡本あき子、荒井優各衆院議員らが法案提出に出席、また、中川正春、阿部知子、吉田統彦各衆院議員も法案提出者です。

20220301「子ども総合基本法案」概要.pdf

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