参院本会議で3月4日、立憲民主党から古賀之士議員が登壇し、所得税法等の一部を改正する法律案について代表質問を行いました。

■「侵略の定義はない」としてきた政府答弁との整合性
 古賀議員は、ロシアのウクライナ侵略を非難するとともに、岸田総理に、「侵略の定義はない」とした過去の政府答弁との整合性を質問。岸田総理は、国際条理において議論があるとして、1974年の国連総会での侵略の定義の決議採択、2月25日のG7のウクライナ情勢に関する首脳声明などを挙げ、「多くの国もロシアの行動を侵略としている」と答弁。また、ロシアの行為を「侵略」と認めない中国にも「関係国と連携し責任ある行動を呼びかける」と答弁しました。

■日銀等の保有株の議決権行使
 日本銀行とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は計約100兆円規模の巨大な株主となっているが、議決権行使の原則に賃金に関する事項が見当たらず、企業経営へのけん制機能が損なわれている。株式の議決権行使の基準を定めるべきと提案しました。

■政府税調と与党税調について
 金融所得課税の総合課税化について、行政府の長である岸田総理が「与党税制調査会で議論していく」と答弁していることについて古賀議員は、「(政府税調ではなく)与党税調では、 最終形の報告書が明らかになるだけで、議論の中身はブラックボックス」だと批判しました。
 
■ストック課税について
 土地建物の譲渡所得も分離課税となっていることを踏まえ古賀議員は、「アベノミクス・クロダノミクス」により、不動産価格が上昇していると指摘。その上で、格差が拡大していることから、「保有資産そのもの、ストックに課税を行う」ことを提案。岸田総理は、「経済社会の構造変化も踏まえ、考えていく」と答弁しました。

■国税職員の処遇改善について
 古賀議員は税収を増やすためには、「最前線で納税者に向かい合っている、ひとりひとりの国税職員の努力」が欠かせないと指摘し、処遇改善、機構の充実及び職場環境の整備が重要だと提案しました。岸田総理からは、「必要な機構、定員や、職場環境の整備に努めてまいります」との答弁がありました。