立憲民主党は8日、国際女性デーに合わせて「女性の政治参加が、社会を変える」をテーマに、全国一斉街宣を開催。東京・有楽町駅前では、党ジェンダー平等推進本部主催で街頭演説会が開かれ、泉健太代表、西村智奈美幹事長をはじめ執行役員らが駆け付け、女性が声を上げようと呼びかけました。

 ジェンダー平等推進本部長代行の岡本あき子衆院議員は、「ロシアもウクライナも、国際女性デーとして今日は国民の祝日です」と切り出し、武力に武力で対抗するという勇ましい選択肢とは別の視点を持っているのが女性ではないかと提起。「弱い立場の方々が安心して暮らせる社会のために、女性が政治で声を出す力を与えていただきたい」と訴えました。

 同本部事務局長の櫻井周衆院議員は、「ジェンダー平等、男女共同参画は女性も男性も力を合わせて進めていかなければいけない。もっといえば、一人ひとりの特徴、個性を大事にしながら、いきいきと暮らせる社会を作っていきたい。しかしこれは政治家だけがやるものではない。一人ひとりの皆さんが力を合わせて実現していこう」と呼びかけました。

 連帯の意味を込めて黄色のマフラーと青色の服で登場した前衆院議員の辻元清美参院総支部長は、女性参政権獲得運動の中心的役割を果たした市川房江さんが掲げたスローガン「平和なくして平等なく平等なくして平和なし」に言及。「平和と平等は手を携えてやってくる。そういう先輩方が男女平等を獲得するために長い間闘ってくれて、私たちの今日がある。今、ウクライナに対するロシアの攻撃に対し、『戦争反対』『攻撃やめろ』と世界中で声を上げている。私は、この声を上げることからしか世の中の変革は生まれないと思う。みんながおかしいと思っていることを『おかしい』と言えないような世の中をつくってしまったら、男女平等も崩されてしまう」と訴えました。男女の賃金格差や選択的夫婦別姓が実現しないこと、子育てや介護も女性に負担が偏っていることなどを男女不平等の一例に挙げ、「私たちは男女平等と平和が両立して前に進んでいくような日本にしていきたい。ぜひ力を貸してほしい」と呼びかけました。

 つながる本部長代行の田名部匡代参院議員は、「ウクライナではこれから3カ月間で出産予定の方が8万人いるとの報道があった。避難先の地下で医療もなにも整っていないなかで子どもを生まなければならない。本来みんなが喜べるはずの尊い命が誕生するにもかかわらず、どんな思いでいるだろう。平和を願う世界の皆さんとともにウクライナの主権、平和を守るために声を上げ行動し、つながりを強めていきたい」と表明。また、まもなく3月11日を迎える東日本大震災当時を振り返り、避難所でのDVや性暴力、女性に対する支援物資が足りなかったことなど課題を挙げ、「地球温暖化の影響もあり全国各地で大規模災害が起こっている状況のなかであの大きな悲しみと学びを次の世代に生かしていかなければならない。大きな震災がもしまたどこかで起こったときに、そこにいる女性たちが救われるように、この日をきっかけにみんなで一緒に生きやすい社会をつくっていきたい」と訴えました。

 西村幹事長は、ロシアによるウクライナ侵略に対し、「罪のない民間人が犠牲になっている。プーチン大統領は、核兵器の使用まで口にしている。こんなことを唯一の被爆国である日本はこんなことを看過することはできない」と強い抗議の意を表明。こうした事態に、自民党から核兵器の共有の議論の必要性を訴える声があることを問題視し、「今、政治に人の命、一人ひとりの尊厳に目を向けた政治をやろうという気持ちが欠けているように思える。その政治を変えていくことができるのは多様な力、女性の力」だと力を込めました。

 男女の賃金格差、非正規労働者の多くが女性であることなどは個人の問題ではなく、社会や法律、制度など構造的な問題によってこの国は男女の不平等を放置してきているとも指摘。立憲民主党では女性候補者公募を行っていることにも触れながら、「今度こそ私は変えたい。皆さんの力が必要。仲間の力を強くしていかないといけない。自分は関係ないと思わないで。私も20代の頃はまさか政治家になるとは思っていなかった。皆さんのための公募。ぜひ声を上げてほしい。女性候補者支援チームを作って応援していく」と呼びかけました。

 泉代表は、「男性が寒がりでもいいですよね。男性なんだから我慢しなさいとか、女らしくしなさいとか、男なのにとか、こういう一つひとつが人を縛り、世の中の空気を息苦しくしている。『なのに』とか『だから』とかに、われわれが気づき、無くしていくことが大事。もっと自由に生きることができるはず」だと述べ、男性優位社会と言われていたメキシコでは、クオータ制や、義務的パリテの導入などによりこの20年で飛躍的に女性議員の数が増え、現在では連邦議会の半数が女性だと紹介。政治分野でのジェンダーギャップ指数が156カ国中147位(2021年公表)などと、低迷している日本でも変えることができるはずだと説き、「立憲民主党では執行役員の半分が女性となり会議でもどんどん声が上がるようになった。女性の皆さん、どんどん声を出していきましょう。そして男性の皆さんはそれを応援していきましょう。あらゆる場、あらゆる会議で女性が意見を出すことを応援していきましょう」などと呼びかけました。

 泉代表は最後に、ロシアによるウクライナ侵略に対しては、われわれも声を上げていくと表明しました。

 街頭演説会には、企業団体委員長・小宮山泰子衆院議員、常任幹事会議長の牧山ひろえ衆院議員、ジェンダー平等推進本部顧問の大河原まさこ衆院議員はじめ多くの女性総支部長、自治体議員が駆け付け、女性の政治参加を呼びかけました。司会進行は、自らも公募から候補者となった同本部事務局次長の吉田はるみ衆院議員が務めました。