泉健太代表記者会見

2022年3月18日(金)10時30分~11時20分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://cdp-japan.jp/news/20220317_3292


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○参院選 候補者調整の申し入れについて

【代表】
 おはようございます。
 きょうは、まず、参議院選挙1人区の候補者調整。これは、これまでも連合とも、政党同士の候補者調整ということで、これは党として判断をしてやっていくものだと認識しているというお話を受けて、私もその候補者調整については取り組んでいくということを既にある意味合意というか共通認識を持っていまして、これも同じく共通認識ですが、当然国民民主党を初めとした各党をその対象にするということをイメージしておりました。
 それで、各党と今、幹事長がさまざまな段取りをして、申し入れをするということで進めてまいりまして、きょう、全党ではありませんが、この候補者調整の申し入れをさせていただきたいと考えています。
 お昼、この会見が終わってから順次、ちょうどお昼の時間あたりに各党にこの申し入れをしていくということになろうかと思います。申し入れなので短時間にはなるかなと思いますが、各党の国対の部屋を回って私からの申し入れを伝えてくるということを考えております。今聞いている段階では、国民民主党さんがまだアポがとれていないということです。
 先ほど言ったように、対象、当然私たちからは申し入れをするということでもありますが、一方でというか、現時点において既にさまざま1人区において取り組みがゼロではない、進んでいるところもありますので、それは引き続き私たちとしては努力をしていきたいと思っています。

○物価高 追加経済対策の作成を指示

【代表】
 続いて、今、参議院では予算委員会、最終盤を迎えているというところですが、私たちとしても、この物価高、かなり国民生活を圧迫しつつあると考えています。
 その意味で、私たちは衆議院段階では予算の組み替えということを訴えてきました。これは歳出で16兆規模ですから、それだけ今の日本経済、(新型)コロナの影響も含め、またウクライナの影響も含め必要であるという考え方から、16兆円規模の歳出追加ということを組み替えで出してきました。
 これをベースにして、もしこのまま予算が通るということであれば、我々立憲民主党としては、この経済対策、この16兆円をベースにして、さらに物価の高騰ですとか対ロシア制裁による影響、そういったものを軽減していくということで、積み上げを図った経済対策を検討していきたいと。既に小川政調会長には指示をいたしました。
 例えば、追加ということで言うと、今、食パンですとか麺類、要は小麦由来の食品ですね。こういうものの値上がりが顕著になってきているということで、3月9日にも小麦については17.3%の価格の引き上げということが、今この小麦価格の高騰が問題になっています。私たちも何らか、ガソリンで言うと立憲民主党はトリガー解除ということを言っていますが、この輸入の小麦の価格、輸入麦価、ここについても何かできないかということをこれまで党内で検討してまいりまして、政府売渡価格の引き下げ、これができるのではないかと考えています。この輸入麦価というのはマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に割り当てる経費)分というところがあって、ここについて何らかの対応をして小麦価格を引き下げると。これは、食料を製造する企業もたくさんありますし、一般家庭でもパンを初めとして値上がりがまさに実感をする食品だと思いますので、こういう対応も含めていきたいし、また政府にも求めていきたい。小麦価格の引き下げということが可能であるということを、ぜひ我々としては訴えていきたいと思います。
 これはアメリカ・カナダの不作ということもそもそもあるわけですが、それに加えて、先行きということでも、このウクライナの影響は大きいでしょうから、年に2回の価格の設定のときに、4月・10月となっていますので、おそらく10月段階ではもっと価格引き上げがされることも予想されますので、我々としてはそういうものに対応していくべきだと考えております。当然、円安も影響してきているなと思います。

○福島県沖地震に係る被害状況等について

【代表】
 先日、福島県沖地震がありました。改めてですが、亡くなられた方のご冥福をお祈りして、そして、けがをされた方にお見舞いを申し上げたい。また、かなりの住宅、工場、そして事業所、飲食店等々、被害に遭われたということでありますので、早期復旧に向けて取り組みを我々も応援していきたいと思っております。
 我が党も対策本部を立ち上げて、深夜ですが幹事長を初め参集して、各都道府県の党組織を通じて情報収集に当たりました。そういったものを政府と情報交換をしながら、被害が漏れることなくしっかりと復旧対応されるということを目指していきたいと思いますし、この地震については、ある意味、あの東日本大震災を呼び起こすような、かなりの揺れでした。11年たってもそういった揺れが引き続き起こるということを、予報・予防の体制も含めて、この情報収集ということを引き続き当たっていきたいと思っております。

○新型コロナ対策 まん延防止措置の全面解除について

【代表】
 続いてコロナですが、来週の21日で18都道府県のまん延防止等重点措置が全面解除ということになります。
 これは単純にこれまでの基準の中で解除ということであればまだ理解はするわけですが、感染者による死者も高止まりしているという状況の中で、感染水準ですとか病床使用率が十分に下がったとは言い難い環境です。その意味では、この全面解除というメッセージが、今後第7波の可能性もやはりあるものですから、メッセージとして国民の皆さんに正しく伝わることになるのかどうかというところを懸念しています。
 例えば私の地元の、きょうからセンバツも始まりましたが、京都国際高校もクラスターが出て残念ながら出場辞退ということになっているように、まだまださまざまな場でのクラスターということも起きていますので、引き続きの注意ということは喚起していかなければいけないということとともに、福祉施設ですとか医療機関、そして3回目のワクチン接種引き続きということも含めて、対策を継続していく必要があると思っております。

○「全国行脚」「政策公募」の取り組みについて

【代表】
 立憲民主党全国行脚、「りっけん全国行脚」ということで年明けから役員が手分けをして回っていますが、今でちょうど半分ほど、都道府県、進んでいます。引き続き取り組んでいきたいと思っておりまして、今週末の3連休もその取り組みで各役員が全国各地を行脚するということになっています。私も19日は福島を予定していたのですが、今回の地震ということで、19日は日程を中止させていただいて、20日は青森、21日は長崎でしたか、その予定をしております。
 政策公募についても1300件集まって、その中で、今さまざま、それをもとにした党内議論を進めていますが、国民との対話や、このボトムアップということを通じて、国民とつながりながら我が党の政策を今立案しているということでありますし、全47都道府県の訪問を早期に完了させていきたいと思っております。


■質疑

○参院選に向けた取り組みについて(1)

【東京新聞・井上記者】
 候補者調整の件で伺いたい。確認だが、まだアポがとれていないということだが、国民民主党に対しても候補者調整の申し入れをしたいという意向だということでよろしいか。

【代表】
 そうですね。先ほど言ったように連合さんともそれは確認しているし、連合さんからも、私たちはもう言われなくてもというか当然そのつもりですが、国民民主党もその枠の中に含めて立憲民主党には行動してほしいということでしたので、我々としてはその連合さんの思いも国民民主党さんに伝えていただいていただきたいというふうに言って、連合さんからも国民民主党のほうには、立憲からそういう要望が行くので対応してもらいたいという趣旨が届いているというふうに認識をしていますが、現時点ではまだ、私が国民民主党にお持ちするという調整、あるいは我々としては代表間以外でも、他党でも必ずしも代表が受けるというわけではない党もありますので、そこは柔軟に幹事長や選対委員長も含めて、何らかの形で、我々としては改めてですが我々のこの申し入れをお伝えしたいと思っています。

【東京新聞・井上記者】
 国民民主党に対してだが、国民民主党は政府の予算案に賛成したということもあり、代表は以前から、与党か野党かはっきりしないといけないと、政権のもう一つの枠組みをつくろうという思いがあるのか確かめないといけないとおっしゃっていたが、その点はどのように整理されて申し入れをしようと。

【代表】
 我々としては当然、本予算は政府全体の政策を判断するということですので、立憲民主党としては、これは反対をするという姿勢は明確にしています。
 そして、きょうの申し入れというのは、その我々立憲民主党が各党に申し入れをしていくという中で、国民民主党は、少なくとも国民民主党としては野党ということをおっしゃっておられるということ。あとは、これまで、さはさりながらで、さまざまに連携をしてきた経過があるということ。そして、おそらく今、国民民主党もさまざまな考え方の中で今後いろいろな判断をしていくという、ある意味途上にあると思っていますので、その途上として我々としての意思をお伝えしに行きたいと思っています。

【東京新聞・井上記者】
 確認だが、現段階では、立憲もしくは泉さんとしては、国民民主党を野党だと認めているということか。

【代表】
 これは、我々としてはやはり本予算には反対していただきたいという思いがあります。

【東京新聞・井上記者】
 たとえ賛成したとしても野党と認められるか。

【代表】
 まだ採決に至っていませんので、何とも言えませんが。

【時事通信・眞田記者】
 今の関連だが、国民民主党に対する対応に関して、大分と山形に関しては現職の方がいらっしゃると思うが、予算の賛否で国民民主党が賛成した場合には大分・山形の対応はどのようにお考えか。

【代表】
 仮定の話なので断定的には言えないと思いますが、これは繰り返しですが、我々立憲民主党としては反対をしていくことになると思いますし、可能な限りそういう判断をしていただきたいということは思いとしてはあります。
 今後、それでもなお、どういう判断になっていくかというところで、もし賛成ということであれば、やはり地元の県連ともさまざま話し合いはしなければいけないなと思います。

【時事通信・眞田記者】
 今の関連で、例えば大分・山形の現職の方が、党としては賛成しても欠席という形で、本会議を欠席するという形で採決に加わらなかった場合は、その辺は立憲としてはどういうふうに評価されるか。

【代表】
 そういういろいろな場合もあるのかもしれませんので、それはその状況を踏まえて、また考えていきたいと思います。

【日本経済新聞・依田記者】
 これまで候補者調整を野党間でするに当たっては共通政策を結んでいたと思う。「市民連合」という外部の団体を介してということではあると思うが、今回、候補者調整に入るに当たって何らか政策的な一致点を見出すというか、何か協定のようなものを結ぶお考えはあるか。

【代表】
 選挙協力と候補者調整というのは違うものだと認識しています。候補者調整イコール選挙協力ということではないということですね。
 候補者の調整というのは、それぞれの党に当然政策は今もあるわけですが、それぞれの党に政策と戦略がある中で、その中で必要であれば候補者を調整しようということでありますので、そこでイコール別な共通政策をつくるかどうかというのは、両方の考え方があるかなと思います。ですので、両方の考え方があるという状況で進めていくことになると思います。

【日本経済新聞・依田記者】
 候補者調整と選挙協力が違うというお話だったが、候補者調整をするに当たって、では、なぜ野党間で候補者調整をするのかという、その大義、理由みたいなところを伺いたい。

【代表】
 私たち立憲民主党としては、これは申し入れですので、我が党の活動計画、この前の党大会で我が党としての活動計画をつくっています。その活動計画の中に候補者調整を進めていくということもあるわけですが、我が党の当然そこには政策というか考え方というものも活動計画に載っていますので、我が党としての申し入れという意味で言えば、我が党はこう考えていますよと。立憲民主党の政策、命と暮らしと平和を守る。また、当然綱領でいえば、立憲民主党は日米安保を基軸とし、自衛隊を是とし、また皇室制度も当然ながら我が国の制度であるという綱領を持った政党として、この立憲民主党から、皆様に候補者調整の申し入れをさせていただくと。
 受ける受けないは、それは各党のまた判断になってくると思いますので、何かすり合わせをしないとできるかできないかというのは、またそれぞれの政党の判断かなと思います。

【朝日新聞・横山記者】
 候補者調整に絡んでの質問だが、そもそも改めてのところで、今回候補者調整の申し入れの対象にした政党を、国民民主党、きょう予定されている社民・共産・れいわ、この4党にされた理由というのは、日本維新の会はそもそもアプローチされていないと思うが、そのあたりについて伺いたい。

【代表】
 本当にその対象は確かにいろいろな考え方があって、もしかしたら中には自民・公明以外の全政党を対象にしていくというのもあるのかなとは思います。
 今回のベースは、衆議院選挙で戦ったか。ともに戦ったか、それとも対峙したか、ということを一つの基準にしています。その意味では、国民民主党・れいわ・共産・社民は何らか、衆議院選挙においては双方立て合うということは原則ない形で歩んできていますので、我々としてはそういう皆さんに申し入れをしていきたいと。維新さんについては、選挙区で、さまざまなところで戦っているという政党であると認識をしています。

【朝日新聞・横山記者】
 冒頭に、国民民主党の申し入れのところで、現時点でさまざまな1人区で取り組みがゼロではないというお話があったが、これは具体的にどういったことを指すか。

【代表】
 1人区においては、一部、県連ベースということもありますが、例えば無所属候補を双方が推薦をしているというケースがあるということですね。

○エネルギー政策について

【フリーランス・横田記者】
 ウクライナへのロシア侵攻を受けて原油高にもなり、維新や自民党の一部からは原発の安全基準を緩めてでも再稼働すべきだという声が出ている。一方で、戦争になると原発が攻撃対象になるということで、安全保障上も原発を日本に置いておくのは危険ではないかと、原発ゼロを急ぐべきだという声も出ている。この二つの考え方に対する受けとめ、泉代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 私たちは、東日本大震災を経て、今もなおふるさとに帰れない方々がおられ、それだけ放射能汚染というのは長期にわたって被害を及ぼしてしまうということから、この原子力発電からの脱却、依存を減らしていくということを党として訴えていますので、また、当然ながらこの福島の原発事故を受けて安全基準・規制等々は厳格にしているものですから、それを何かこのエネルギーの世界的な動きによって安全性を変えるというものではあってはならないと思っていますので、それは我々はそういった議論にはくみしないということになります。
 これは先日もお話ししましたが、ウクライナ大使と2月のまだ侵攻前、侵略前に話をしたときに、ウクライナ大使も、国内の15基の原発にもしロシアが攻撃を仕掛けてくるとものすごく国家的なリスクになるということを懸念されていたということがありました。今、間違いなくそこは一つの懸念材料であると思っております。
 そういうことも含めて、我々としては、すぐにゼロに今できるとかするとかということではないにしても、できる限りの努力をして、この原子力発電のリスクを減らしていく。それが立憲民主党だということです。

【フリーランス・横田記者】
 ということは、維新は逆方向を向いていると。この機に乗じて再稼働を進めようという立場なので、これも維新と組めない理由の一つになるのかということと、参院選の大きな争点の一つになる可能性もあると思うが、原発再稼働を進めるのか、ウクライナの問題を受けてさらに原発ゼロを加速するかという選択肢が見えてくると思うが、この点についてはいかがか。

【代表】
 正しくお答えしなければいけないとすれば、今、横田さんのお話しされた論点で、今回の申し入れ先を決めたということはありません。ただ、争点・論点になっていくというのは可能性がある話だと思います。ありがとうございます。

【フリーランス・横田記者】
 最後に、関連して、新潟県知事選できのう出馬表明をした片桐さんも、ウクライナ問題が出馬のきっかけだと、戦争になると原発も攻撃対象になると、原発はもう即時ゼロに向かうべきだということも出馬の大きな理由にしていたが、立民としては、まだ県連から要請が上がってきていないと思うが、党として、代表として、この新潟県知事選、当然片桐さんを推薦してしかるべきではないかと思うが、現時点でのお考えを伺いたい。

【代表】
 まず県連からお話を伺ってから判断していきたいと思います。

【フリーランス・横田記者】
 県知事選に対する意気込み、捉え方、位置づけ等、今の段階で語っていただけないか。

【代表】
 県連からお話を伺いたいと思います。

○新執行部発足から3カ月を振り返って

【新潟日報・山田記者】
 新執行部発足から3カ月余りになる。代表選後の役員選出で、西村衆院議員を初の女性幹事長に登用されたり、対話集会などで発信力のある小川さんを政調会長に据えたり、代表選で戦った各自についての人事があった。現時点でのそれぞれの手応えのようなもの、泉代表としての新執行部の評価、自己評価を改めて伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 非常によく頑張って奮闘してもらっていると思っています。それぞれ、幹事長も初の女性幹事長であり、当然幹事長という職に就くのも初めてですから、全てが初めての中で、まずは当然党内、また、さまざまな各方面との関係を把握するというところからスタートするわけですので、すぐさま対外的にフルスロットルで行動するということにはならない。まずはさまざまに情報を確認して、その中で判断をしていくということになるのですが、西村幹事長などは本当に日に日に、その情報収集力や行動力が増しているというふうに認識しています。
 小川政調会長は、先ほどお話ししたように、青空対話集会と、そして全国からの政策公募。こういうものも政調役員と結束をして次々と取り組んで、この短い期間の中で、いかにして国民・有権者、支持層、自治体議員、県連等々から、この短期間の間にご意見をいただきながら政策をつくっていくかということを、ものすごく頑張ってやってもらっていると思います。
 逢坂代行は、そんな私や西村幹事長や小川政調会長を、全体として党務の中からサポートしていただいています。足りないところは「じゃあ俺がやるよ」というふうに動いていただいたり、そして、これからの選挙ということでいうと、党の広報本部長ですので、この党の選挙に向けた広報。ものすごく大事なところですが、そこも担っていただいているということで、役割分担をしながら4人で非常に結束よくやらせてもらっているなと。そう思っています。

○自民党京都府連の政治資金問題について

【京都新聞・国貞記者】
 自民党京都府連の政治資金問題で、先週と今週は立憲民主党が二之湯大臣に対して特に質問をなさっていない。2週間前までは比較的頻繁に予算委員会や内閣委員会で二之湯大臣を呼んで質疑するという場面があったが、この2週間されていないのはなぜなのか。

【代表】
 すみません、国対で集約しているのかと思うのですが、質問しているしていないというところまで私が把握しているわけではありません。

【京都新聞・国貞記者】
 代表としては、これはお膝元の京都の話で、京都でかなり有権者の方が疑念を持たれているということはたぶん肌身で痛感されていると思うが、党としてこの問題を今後も追及していく必要性があるとお感じか。

【代表】
 たしか告発も受けたのですよね。ですから、そういう場での今後の展開ということも見ていかなければいけませんし、我々としては、この前は広島で34人ですか、改めて起訴されたというのもありましたので、政治と金という問題で、これまでも言ってきたことですが、国民の側から疑念が出たり不透明なものがあるのであれば、やはりその中身については明らかにしていただかなければいけないと思いますし、そういう意味で必要な質問があれば、それはやっていかなければいけないと思います。

○ウクライナ情勢(1) 都市名の呼称・表記について

【京都新聞・国貞記者】
 今、ウクライナの首都のキエフの呼称・表記に関して、「キエフ」がロシア語由来ということで、ウクライナへの連帯を示す意味でウクライナ語の「キーウ」という形にしてはどうかというのが、自民党の一部とか、国会質問でも無所属の方が取り上げていた。代表もウクライナとは昔から、京都市が姉妹都市というような関係もあり、長く絆を育まれていると思うが、この呼称・表記の「キーウ」という変更に関しての議論についてはどういうふうにお考えか。

【代表】
 ありがとうございます。
 私が訪問した2015年の時点でも既に、「キーウ」という呼称で言っていいのではないかという話は、ウクライナの国内と、日本のウクライナコミュニティというか研究者の皆様からも声が上がっていて、その後、たしか数年後に、ウクライナへの今回の侵略が起こる前ですが、日本の中のウクライナ研究者のコミュニティというか交流を行っている皆様の中でこのことが議論されて、「キーウ」に変えるというのも大きな選択肢というか一案であると。ただ、これまで長く「キエフ」ということで親しまれてきたところもあるので、私の認識では、たしかそのウクライナと交流を続けている学者の皆様の検討会か何かで両論併記になったというふうに私は聞いています。
 ですので、そういった、これまでウクライナとやりとりを密にしてきた方々の意見というものも尊重してきた経緯はこれまであると思うのですが、一方で、今回のロシアによる侵略で相当ウクライナの国民の中にもロシアに対する反発が当たり前ですが高まっているということで考えていくと、当然その呼び名の変更ということはあってよい選択ではないかと思います。
 これは我々も、例えば「ルガンスク」と「ルハンスク」とか、「ザポリージャ」と「ザポロジエ」とか、さまざまあって、どちらかに統一をしていくとよりわかりやすいというものがあるので、これは「キエフ」という名前を「キーフ」にするということだけではなくて、扱いは日本の中でできれば統一をしていくということが望ましいのではないかと思います。

○参院選に向けた取り組みについて(2)

【NHK・坂井記者】
 国民民主党の対応について、確認だが、国民民主党は参議院でも予算案に賛成する方針を既に確認しているが、予算案に賛成したとしても今後も候補者調整を求めていかれるということでよろしいか。

【代表】
 時系列的に、賛成をした後なのか賛成をする前なのかというところもありますので、いろいろなケースが想定される。ただ、少なくとも今この会見をしている私の立場からすれば、国民民主党に対してお願いをしてきているし、お願いをしている、できればそれを受けていただくことを目指しているということですね。その後について、今のところ何か変更を予定しているわけではありません。

【NHK・坂井記者】
 予算の採決後であっても、候補者調整の取り組みというのは模索というか探っていかれるということか。

【代表】
 それは相手さんが、各党が当然応じる応じないというのはあるでしょうし、いわゆる今回はわかりやすい形で各党にこちらから申し入れをするというアクションですが、候補者調整というのは何もそれが全てではない、それがなければできないということではないものですので、さまざまな形があり得ることだとは思います。ですから、申し入れができなければ調整ができないとかできるではない形だと思います。これは我が党の意思、思いとして、それを申し入れをしたいということであるということです。

【NHK・坂井記者】
 関連して。先日の会見で代表のほうから、立憲民主党として国民民主党が野党ではないと判断した際は統一候補の解消ということもあり得るというようなお考えを示していらっしゃるが、一方で、冒頭、1人区で取り組みが進んでいるところは引き続き努力をしたいというふうにおっしゃっている。このあたりは今後どういうふうに整理していかれるか。

【代表】
 前回言っていることと、そう現時点で何か変わりはないです。

【NHK・坂井記者】
 野党ではないと判断した場合は統一候補の解消もあり得るということは変わりないと。

【代表】
 あり得るというのは、もうあらゆることがあり得る、という感じですね。

【NHK・坂井記者】
 前回示された方針から変わっていないということでよろしいか。

【代表】
 何か今変化はないです。

○ウクライナ情勢(2) ゼレンスキー大統領の国会演説について

【J-CAST・工藤記者】
 ウクライナのゼレンスキー大統領のオンライン演説について。きのうのツイートで、立憲としてはこれに反対をしている事実はないということだったが、その前提として、16日のツイートでは国会演説の前に首脳会談・共同声明が絶対条件だとおっしゃっている。反対をしない方向で調整をしていく中で、実現に向けて調整していく中で、この首脳会談と共同声明が絶対条件だと書いてあることは引き続き党としても主張していかれるのか。それと、その前段で、私は日本の国民と日本の国益を守りたいとおっしゃっているが、仮にこの演説で損なわれ得る国益があるとすれば、それはどういったものをイメージされているのか伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 まずは、私の投稿としては、私自身の思いを投稿させていただきました。これまでの首脳会談ですとか、これまでの共同声明と、基本的には国会演説というのはセットとして行われてきています。もちろん大統領が日本に来ることは不可能なわけですから、そんなことを求めているわけではなくて、大統領と岸田総理が事前に会談をして、電話会談をして、そういう中で流れとしてはできれば声明も出してもらいたいし、そして、その後の行動として国会演説というものをセットしてもらいたいという思い。それが私の投稿の趣旨であります。
 当然、自分の思いがあったからといって、それが全部実現するわけではないわけです。では全部実現しないときに反対をするかといえば、それはそういうことではないということです。
 当然ゼレンスキー大統領の演説について、政府もさまざま、ウクライナ大使館から政府に対して申し入れがあったということは、政府の中でも整理検討をするということは間違いなくやっていると思います。その整理検討する中で、例えば首脳会談でいえば2月の下旬に行っているということで新たに行う必要性はないという整理をするのであれば、それは一つの整理の結果と思っていますので、そういうことをしっかりと政府として考えていただきたいということの趣旨です。
 国益というのは、明示的に今回の場合のというよりも、私はこの日本の国権の最高機関での演説というのは非常に重たいものだと思っています。実は過去のさまざまなケースを見ると、いろいろな国からの国会演説要請に対して国会がお断りをしているケースというのも多々あるわけです。ですから、やはり一つ一つの国会演説というのは重たいものであるし、慎重であるべきものであるということ、これは私はあると思います。国会演説というのは、それなりにというか、かなり重たいものだと。
 ただ、どうも今、まだちょっと結果がわからないのですが、いわゆる国会議事堂での演説なのか、それとも例えば議員会館の国際会議場での演説なのかによっても、大きく変わるわけですね。私は国会演説といえば国会議事堂の中のことを想定していましたので、その場合にはということで考えていたわけですが、もしそうではないとなれば随分ある意味ハードルは下がるというか、一つ一つ何か事細かに定めていくということではなくなる可能性もあるのかなと思います。
 例えばアメリカも、いわゆる本会議場だったのかというと、たぶんそうではないのですよね。アメリカの場合の演説というのはホールのようなところでやられていたという認識なのですが、日本も本会議場でないとなれば、さまざまな制約はさらに少なくなっていくということになるのではないかと思います。

【フリーランス・小山記者】
 今の関連だが、もう少し詳しく伺いたい。ツイッターの文章の中に、演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべきだと書かれていた。こちらは、泉代表の想定の範囲で構わないが、泉代表の望む演説内容の範囲というのはどのような想定でいらっしゃったのか。

【代表】
 ありがとうございます。
 これは何をどこまでという話にすると少しわかりにくいかもしれないのですが、これまでの国会演説ということでいえば、先ほどお話ししましたように、首脳会談があって、共同声明があって、その一つのプログラムの中で国会演説も行われるということで、それは事前の外交交渉も含めて、大体、その首脳会談の成果が何だったか、そして両国の関係がどうだったかということを調整しながら、最終的には当然その国の政府が原稿を作成するということだと思います。そういう意味での、私は事前の調整ということを想定していました。やはり何らか、その首脳が国会で演説するときには、日本政府と当然やりとりをしているでしょうと。そういうことですね。

【フリーランス・小山記者】
 オンライン技術論で論ずるのは危険というのは、こちらの内容を制限せずに進めるのが危険という意味でとってよろしいか。

【代表】
 オンラインで映像を流せるから全く調整なく認めるというのはあり得ないと思います。そういう意味です。

【フリーランス・小山記者】
 そうすると、こちらの内容、私の想定の内容では、戦争に日本を協力させるような呼びかけはしないでもらいたいとか、そういったニュアンスでとったが、違っているか。

【代表】
 具体的に何かということは想定し切れないところがあります。それはウクライナ側も日々情勢が変わる中で、実際に何を発言してくるかというのはやはり追いかけ切れないわけですので、私は具体的に何かをイメージしながらそれを書いたということではなく、一般論としてというか、どの国の元首・首脳が国会で演説する場合においても、それは当然外交上のやりとりがあって、そういうものの中から演説原稿というものがつくられてくるものだろうと認識をしていますので、そういう趣旨のことを書かせていただいたということです。

○参院選に向けた取り組みについて(3)

【時事通信・眞田記者】
 候補者調整の関係で2点確認したい。まず一点、国民民主党だが、一応今回申し入れのオファーはされて、向こうが断られたという理解でよろしいか。

【代表】
 オファーはしているという認識です。断られたかどうかは、ちょっと幹事長に聞いてみなければわかりませんが、私は断られたとか断られていないまでは聞いていないです。オファーはしていると認識しています。

【時事通信・眞田記者】
 関連で、共産党との関係だが、以前、泉代表がテレビ番組の中で、共産党との候補者調整に関しては、政策、特に内政に対する政策の合意ができた後に候補者調整の段階に入るという趣旨のご発言があったかと思うが、今回の申し入れをするに当たって既に何らかの政策の合意の話が進んでいるのか。また、今後そういった政策を合意するための協議とかを進めていくお考えがあるのかお聞きしたい。

【代表】
 あれはちょっとテレビでの発言がイレギュラーな発言になってしまったなというふうに自分では認識しています。

【時事通信・眞田記者】
 イレギュラーな発言というのは。

【代表】
 テレビでの発言が、私の中での発言としては、今のような、きょう進めていくような形を想定してきたというのが本来のというか私の方向性です。ですから、政策合意でしたか。

【時事通信・眞田記者】
 政策の合意が必要だというようなお考えをおっしゃった。

【代表】
 というところが、少しちょっとイレギュラーな発言になってしまったなと、自分では思っています。

【時事通信・眞田記者】
 今の段階では、その政策の合意の必要性については特に。

【代表】
 きょうはとにかく申し入れをするということですね。我が党の政策を説明し、我が党からの申し入れをすると。我が党の考え方をお伝えし、我が党の申し入れをするということです。それがきょうの場であるということです。

【時事通信・眞田記者】
 今後そういったものが必要かどうかというのは、その交渉次第という形か。

【代表】
 それは各政党の考えを伺いながらということになると思います。

○西宮市長選について

【フリーランス・横田記者】
 20日告示の西宮市長選への立民の取り組みを伺いたい。れいわ新選組は、西宮に維新の市長は要らないという集会を開いたり、関連する集会で大石さんが招かれて、維新の市長誕生阻止の集会を開いたりしているが、立民として西宮市長選に対してどう取り組んで、今後応援するとか予定があれば教えていただきたい。

【代表】
 申しわけありません。それは選対のほうに聞いていただければと思います。

○参院選に向けた取り組みについて(4)

【フリーランス・横田記者】
 国民民主党は明らかに野党と言い難くなっていると思うが、いまだに野党に戻ってくるのではないかという期待をされている理由をお聞きしたいのと、大分・山形の選挙民、野党支持者にとってみれば、6年前は野党統一候補として当選したのに与党的振る舞いをするのはとんでもないという声が出ていると思うが、地元の受けとめをどう把握されているか、あわせて伺いたい。

【代表】
 衆議院での本予算の採決後、我が党としても、それぞれ地元県連と意見交換というか意見聴取等々もしてまいりました。そういう中で、さまざまな声があるというふうに受けとめています。そういう声と、また今後の動きも含めて、判断をしていくことになろうかと思います。

【フリーランス・横田記者】
 山形・大分ではどういう声が具体的に出ているのか。

【代表】
 それは一つ一つはこちらから申し上げません。

○首長選挙の結果について

【フリーランス・堀田記者】
 今、立憲が推薦した候補が県知事選や市長選でどんどん負け、立憲が乗った候補はもう負けるというのが定説になっていて、逆に維新が乗った候補は勝つということになっているが、負けたら負けたで、その総括ができていない。きちんと総括をして、次なる戦いに備えてください。例えば町田市長選に関して私は共産党に聞いたが、志位さんは総括は地区地区でやると言って全然まともな答えをくれない。そんな地区地区でやったのは我々のところに届いてこない。立憲という立派な組織があるのだから、きちんと総括を。例えば、この前、都連大会があったときに長妻都連会長は、これからの都内の市長選やら何やらも厳しいと、のうのうと言っている。何も反省しないで。確かに東京都内を見れば中野以外は全部自民党に負けるでしょう。とにかくわかるような形で総括をしてください。お願いしますよ。そうじゃないと私は応援できないんですよ。

【司会(事務局)】
 ご意見を承る形でよろしいですか。

【代表】
 ありがとうございます。

【フリーランス・横田記者】
 今の関連で、総括ということで、石川県知事選と長崎県知事選で立民が支援した候補が両方とも負けた原因、総括、今後の対策について伺いたい。

【代表】
 それは今、県連で行っているさなかにあります。