立憲民主党は3月22日、厚生労働省に「早急に年金の最低保障機能の強化の実現に取り組むと同時に、年金受給者への5000円給付の検討を中止することを求める要請」を行いました。要請には、重徳和彦、山井和則、柚木道義、青柳陽一郎、篠原豪、源馬謙太郎各衆院議員が参加しました。

 与党の提案が発端となっている年金受給者への5000円給付案は、高所得の高齢者も対象となるなど、選挙目当てのバラマキと言わざるを得ないため、立憲民主党は給付の検討を中止することを要請しました。この給付案は今年4月からの年金減額への対応として打ち出されたものですが、これは2016年成立の「年金カット法」による、現役世代の賃金低下に合わせた年金給付抑制ルールに基づくものです。今後、「年金カット法」及びマクロ経済スライドによって長期に渡って基礎年金の減額が続くため、政府内で早急に年金の最低保障機能の強化の実現に取り組むことも要請しました。

 要請の冒頭、重徳議員は「年金の最低保障機能の強化は与党野党を越えたテーマであり、しっかり議論する。コロナ禍、物価高により、同様に苦しんでいるワーキングプア、低所得者、非正規労働者の方々に適切に支援を届けるべき」と、要請の趣旨を説明しました。 年金カット法案審議時の筆頭理事であった柚木議員は、「低年金者の方、生活保護の方が増えて公費の支出が増えてしまうため、私たちは反対したが、強行採決が行われた」と政府・与党の対応を批判しました。

 申し入れ後、参加議員は記者団の取材に応じました。青柳議員は「5000円の金額を配るのにまた膨大な事務費がかかる。税金の使い方、政策効果についても大きな問題点がある」と指摘しました。山井議員は「国民から選挙のためのバラマキ、買収まがいの行為と見られている以上、撤回すべきだと思う」と述べました。