杉尾秀哉参院議員は3月28日、参院決算委員会で2020年度決算外2件の全般質疑が行われ、(1)ウクライナ情勢関連(2)新型コロナウイルス関連――等について政府の見解をただしました。

(1)ウクライナ情勢関連

 杉尾議員は、ロシアが北方領土交渉を含む日本との平和条約交渉を継続しない旨を発表したことを取り上げ、「3000億円規模の経済協力を進めてきたにもかかわらず、まさに顔に泥を塗られたといっても過言ではない」と述べ、2020年度までの196億円の経済協力のための予算支出は具体的成果があったのか岸田総理にただしました。しかし、岸田総理は具体的成果を答えませんでした。さらに杉尾議員は、2022年度政府予算にロシアへの経済協力予算21億円が計上されていることについて、「最大限の圧力をかけるとは逆のメッセージではないか」と指摘しました。岸田総理は、「ロシアへの協力に参加した日本企業を支援するための情報提供を始め、そうした予算が含まれている」と答えました。杉尾議員は、「萩生田大臣も3月14日の決算委員会の質疑で日本企業の撤退対応に予算が必要だと言っていた。これは予算の目的外使用そのものではないですか」と迫りました。

(2)新型コロナウイルス関連
 新型コロナウイルス対策について杉尾議員は「第6波の出口ははっきり見えているか」と質問しました。岸田総理は「医療提供体制等もしっかりと維持した中で、社会を少しずつ動かしていく。こうした移行期間に現在はある」と政府の認識を示しました。杉尾議員は、厚労省のアドバイザリーボードで出た意見を取り上げ、「BA.2系統に置き換わり、増加に転ずると言っている。昨日も東京は感染者が増えた。長野県も最近増えている。明らかにリバウンドしている」と指摘しました。そのうえで杉尾議員は、第7波に向けた準備はできているのかを質問。岸田総理は4回目のワクチン接種について専門家が議論をしていることに触れ、「ワクチンをしっかりと準備できるように、政府としてワクチン製造会社としっかり交渉を行い、そのワクチンの確保に今つとめている」と述べました。