ジェンダー平等推進本部は3月30日、「選択的夫婦別姓」などについて内閣府政府広報室が行った世論調査について、内閣府と法務省からヒアリングを行いました。

 同世論調査は、平成8年、13年、18年、24年、29年に同じ内容で行われ、29年の調査では、選択的夫婦別姓に賛同する回答が42.5%と最多でした。しかし、昨年12月の調査では設問の内容や順序が変わり、「選択的夫婦別姓制度を導入した方がいい」の回答率を「夫婦同姓制度を維持したうえで、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がいい」が上回りました。

 ヒアリングでは、岡本あき子・ジェンダー平等推進本部長代行が「設問が変わったことに関し、どういう意図・経緯があったのかお聞かせいただきたい」とあいさつし、参加議員等が設問に対する疑問を投げかけました。

 堤かなめ衆院議員は、「設問は、旧姓を通称として使用できる法制度ができれば何の問題もないかのような印象を与えており、非常に誘導的」と指摘しました。

 打越さく良参院議員は、「世論を口実に、選択的夫婦別姓への動きを後退させようとしていると受け止められてもしかたがない」と指摘しました。

自身の体験から、別姓の社会認知の必要性を語る宮口治子参院議員

 法務省民事局の佐藤参事官は、設問の表現を変えたのは、以前の設問がわかりにくいとの指摘があったからで、選択肢の順序を変えたのは、現在の制度からの差異が小さいものから順番に並べたからであると説明、関係省庁の意見をよく聞いて設問をつくった旨説明しました。

 一方で、内閣府男女共同参画局の矢野総務課調査室長は、「現時点でも、各種国家資格や免許等の98%で旧姓を併記でき、住民票やパスポートでも併記が可能。それでも不便を感じる女性が多くいる。旧姓の通称使用の「法制度」ができても新たに何ができるかわからないため、その選択肢は適切ではないと指摘していた」と説明しました。