立憲民主党は12日、厚生労働省に「『自宅放置死』対策を求める要請」を自宅放置死遺族会と共同で行いました。要請には、中島克仁、柚木道義、井坂信彦各衆議院議員が参加しました。自宅放置死遺族会からは、高田かおり共同代表が参加しました。

 新型コロナウイルスのまん延が長期化し、「第3波」以来多くの「自宅放置死」が発生してきました。特に本年1月からの「第6波」においては、これまで以上の「自宅放置死」が発生しています。そこで、立憲民主党は、助かる命が助からなかったことを重く受け止めて、以下の項目を迅速・確実に実施することを厚生労働省に要請しました。

(1)衆院予算委員会で岸田総理が約束された「自宅放置死」の実態の検証を早急に実施すること。
(2)医療を必要とする人が確実に医療を受けられるよう、これまでの保健所中心の仕組みから平時にコロナ感染時の対応を依頼する医師を登録して有事に迅速な検査・治療の実施を可能とする患者・医師・医療機関中心の仕組み(コロナかかりつけ医制度)に転換し、患者が迅速・確実に医療にアクセスできるようにすること。
(3)感染確認された際、早期治療が開始できるよう標準治療を確立すると同時に、病状の変化に迅速に対応する継続的医療体制の整備をすること。

 要請の冒頭、高田かおり共同代表は、ご家族を新型コロナウイルスで亡くされた時の状況を説明した上で、「まず自宅放置死の実態の検証を行っていただきたい。それをもって一番は医療にアクセスできる状況をつくっていただきたい」「必要な方が必要な医療に速やかにつながれるように体制をとっていただきたい」と厚生労働省の担当者に要請しました。

 中島議員は「本来、わが国は国民皆保険。必要な方が医療を保障されたはずだった。2年以上こういう状況が続いているのは異常な状況。高田共同代表の声は国民の声だと思う」と要請の理由を説明しました。

 申し入れ後、参加議員などは記者団の取材に応じました。

 井坂議員は、「政府は本当は今国会に感染症法改正案を出さなければならなかった。しかし、(政府は)それを怠って、立憲民主党が感染症法改正案、かかりつけ医制度の法案を出し、一生懸命提案をしている」と政府の対応を批判した上で、「現場では本当に皆さん頑張っているのに、仕組みが悪くて、法律が足りなくて同じ悲劇が繰り返されるということはあってはならない。立法府としてわれわれも頑張っていきたい」と決意を語りました。

 柚木議員は、「コロナかかりつけ医」制度をつくって「ちゃんと処方して、治療していただける仕組みをつくっておかないと高田さんのご経験が生かされないことになる。それを私たちは法案として提案している。参院選挙に入ってしまうので、これがラストチャンスだと思う」と述べました。

「自宅放置死」対策を求める要請(2022年4月12日).pdf