参院本会議で4月20日、教育公務員特例法及び、教育職員免許法の一部を改正する法律案に対する質疑が行われ、質問に立った勝部賢志議員は、(1)教員免許更新制に関する規定の削除(2)教員の研修等に関する記録の作成(3)指導助言の規定の整備(4)教員の働き方改革――などについて政府にただしました。

■教員免許更新制の削除について

 「そもそも導入するべきではないということが私たちの主張であり、この制度の廃止自体は歓迎すべきもの。しかしこの13年、免許更新制がどれだけ学校現場にマイナスであったか、教員に負担を強いたのかの検証と反省が必要だ。『失敗だったから廃止する』と素直に認め、すっきりとした法改正にすべき」と述べ、見解を求めました。

 さらに、教員免許更新制の導入を進めた安倍元総理をはじめとした責任者に対し、猛省を促しました。

 末松信介文科大臣は、一定の成果を上げてきた一方で、10年に一度の講習は、常に最新の知識・技能を学び続けることと整合的でないことなど、課題があったことは認めましたが、失敗であったことには言及せず、「現行の更新制を発展的に解消させることとした」と述べるに留まりました。

■教員の研修等に関する記録の作成

 「いきなり研修記録の義務化が出てきたことに違和感を覚える。研修記録が、研修の主体性や自由を委縮させるものになってはならない。任命権者が作成する研修記録等については、研修のテーマや内容に踏み込まず、日時や場所、どの教科に係る研修か程度に留めるべき」と指摘しました。

 末松大臣は、「個々の研修の対応や性質に応じて任命権者である教育委員会で適切に定められることとなる。文科省としては、記録自体が過剰負担とならないように留意しつつ、教育委員会の意見も聞きながら、記録すべき事項等を国のガイドラインで示すことを考えている」と答えました。

■指導・助言の規定の整備について

 「教員の意欲、主体性を重んじるべきであることから、指導・助言者は、当該教員の意向を十分に汲み取って行われるべき。いかなる教員に対しても、研修が強制にならないように配慮するべき」と述べ、見解を求めました。

 末松大臣は、「能力を伸ばす分野の研修について、教師から校長等へ相談することや、校長等から情報提供や指導・助言を行うことを想定している。管理職等から一方的に指導するものではなく、対話の中で行われることが基本」との答弁がありました。

■教員の働き方改革について

 「教員の働き方改革はまだ途上のもの。研修したくてもその時間がないという現状がある。この問題の解決に向け、不退転の決意で当たるべき」と述べ、見解と決意を求めました。

「依然として長時間勤務の教職員も多く、引き続き取り組みを加速させていく必要があると認識している。本年度に、勤務実態調査を実施する予定であり、国、学校、教育委員会が連携し、働き方改革を不退転の決意で推進していく」と述べました。

 最後に勝部議員は、「子どもへの虐待、貧困、いじめ、不登校、自死など、暗いニュースばかりを目にする。私たちにとって子どもは宝であり、子どもの笑顔は何物にも代えがたい希望です。その子どもたちの夢と未来をつくることが私たちの仕事です。教員における研修は、子どもたちの豊かな学びを保証するためには欠かせないもの。誇りをもって、主体的で自由に研修に打ち込むことができるような学校現場を一日も早く実現していただくよう強く要請する」と訴え質問を終えました。